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2015年10月27日

β遮断薬をどう使っているか?

『循環器ナーシング』2011年12月号<おさえておきたい循環器疾患の治療薬>より抜粋。

β遮断薬の使い方について解説します。

 

Point

  • β遮断薬は,虚血性心疾患では労作性狭心症の発作予防,心筋梗塞後の心筋リモデリング,心不全予防に有効である。
  • β遮断薬は慢性心不全の生命予後を改善する。少量から慎重な導入が必要である。
  • β遮断薬は心房細動心拍数コントロールや,甲状腺機能亢進症における頻脈の治療によく用いられる。
  • β遮断薬は高血圧治療の第1選択薬で,若年性,狭心症や心不全合併例,心筋梗塞後の症例によい適応となる。
  • β遮断薬は内因性交感神経刺激作用の有無,β1選択性か否かなどにより特徴づけられる。心疾患の治療には,β1選択性で内因性交感神経刺激作用のない薬剤が用いられる。

 

松村 穣
(さいたま赤十字病院 循環器科 副部長)

〈目次〉

はじめに

ヒトは交感神経と副交感神経のバランスにより,体の緊張とリラックスの状態を上手に保って生命活動を営んでいます。β遮断薬は,交感神経すなわち緊張を高める神経の興奮を抑える薬剤です。しかしβ遮断薬と聞いただけで,交感神経のα線維がどうだ,β線維がどうだ,心臓にはどうだ,血管にはどうだ,気管支にはどうだ,となって頭のなかが混乱してくる方も多いのではないかと思います。実は私も最初のころはずっとそう思っていました。

そんな皆さんに簡単にβ遮断薬のことを定義すると,『心臓の拍出力を弱め,心拍数を減らす,すなわち心臓を頑張らせない薬』ということになります。これを念頭に置いて,これからβ遮断薬の話を読み進めてみてください。

 

虚血性心疾患に対するβ遮断薬

それではまず,虚血性心疾患におけるβ遮断薬治療についてみていきましょう。

安定型労作性狭心症

「坂や階段を上ると胸が痛くなり,休むと徐々に良くなる症状を繰り返す」,これは安定型労作性狭心症の症状です。心臓は,全身に血液すなわち酸素などのエネルギーを送るポンプの役目をしていますから,坂や階段を上ったりすると体が必要とするエネルギーが増加するため,心臓は頑張ってエネルギーを供給しようとします。

つまり心臓は拍動を強くし,心拍数を増やすことでエネルギーをまかなおうとするわけです。このとき,心臓自身にエネルギーを供給する冠動脈に血流不全があると,頑張った心臓にエネルギーが足りなくなり,狭心症発作を引き起こします。

この労作性狭心症を治療するには,もちろん根本的には冠動脈の血流を物理的によくすること(冠動脈カテーテル治療や冠動脈バイパス手術など)ですが,発作を起こしにくくするにはβ遮断薬がよい適応になります。心臓が頑張ったときに狭心症が生じるのであれば,心臓を頑張らせないことが狭心症発作の予防につながる,というわけです。

心臓の頑張りを抑えると,心臓自身が必要とするエネルギー量,心筋酸素消費量が減少します。また心拍数が減少することで拡張期時間が延長し,冠血流増加(冠動脈には心臓の拡張期に血液が多く流れます)をもたらします。これで労作性狭心症の発作は起こりにくくなるわけです(図1)。

図1心筋虚血の発症様式とβ遮断薬の作用

心筋虚血の発症様式とβ遮断薬の作用

 

冠攣縮性狭心症

安静時に発作を生じる狭心症もあります。そのひとつは冠攣縮性狭心症です。冠動脈の過収縮によって生じる狭心症で,日本人に多く,深夜から早朝にかけての安静時に多いことが知られています。しかしそのメカニズムは明らかではありません。冠攣縮の予防にはカルシウム拮抗薬が有効ですが,β遮断薬は冠攣縮を誘発する可能性があり禁忌となっています。β遮断薬を使ってはいけない狭心症と覚えてください。

 

急性冠症候群

それでは次に,急性冠症候群(Acute Coronary Syndrome;ACS)ではどうでしょうか。

不安定狭心症

「突然に前胸部圧迫感を自覚したが自然に症状が消失した。しかしまた同様の症状を自覚し,しばらくしてよくなった」というケースは,急性冠症候群のうち不安定狭心症と診断されます。急性冠症候群は,冠動脈の粥腫破綻により突然発症します。不安定狭心症は急性心筋梗塞に切迫した状態で,安静時にも狭心症発作を生じます。

前述のようにβ遮断薬は心臓の頑張りを抑えますので,安静時狭心症の頻度を減少させる可能性があります。しかし冠動脈の粥腫破綻には冠攣縮が関与している可能性があるため,冠攣縮を誘発する可能性のあるβ遮断薬は慎重に使用するべきでしょう。

 

急性心筋梗塞

「突然自覚した前胸部痛が改善せず持続している。心電図でST上昇が認められた」これは急性心筋梗塞の症例です。急性心筋梗塞は冠動脈の粥腫破綻により冠動脈が閉塞し,心筋虚血が持続している状態ですので,早急に冠動脈の物理的な血行再建,カテーテル治療が必要となります。その後は心筋虚血から心筋壊死に至り心収縮力が低下する状態になりますので,心臓を休ませるβ遮断薬は超急性期には不向きな薬です。

しかし心筋梗塞後の心筋にはリモデリングが起こります。梗塞部の心筋が菲薄化して伸展し,続いて梗塞部以外の心筋が代償性の肥大や拡張を生じ,その結果左室容積の増大から慢性心不全に至る現象をリモデリングと呼びます。つまり心筋梗塞を起こした心臓は急に収縮力が低下するため,梗塞になっていない部分の心筋が収縮力を悪くさせないように頑張りすぎた結果,慢性心不全になってしまう,ということです。

この左室リモデリングの予防には,心臓を頑張らせないβ遮断薬はよい適応になります。しかし急性期からβ遮断薬を用いると,ただでさえ心筋梗塞に陥って心筋の収縮力が低下している状態ですから,頑張りを抑えすぎて急性心不全になる可能性があります。

急性心筋梗塞から急性心不全になって生命が脅かされてしまうのでは困りますので,日本のガイドライン(治療指針)では,心筋梗塞の超急性期を過ぎて血行動態が安定している患者に,24時間以内に少量のβ遮断薬を開始するということになっています。

実臨床では24時間以内には投与できず,数日後から,ということも珍しくありません。どのくらい少なくかというと,エビデンスが多く頻用されるカルベジロール(アーチスト®)では,1日に1.25mgあるいは2.5mg,通常に使用する量の1/4程度の量から始めるというのが一般的です。β遮断薬は左室リモデリングを予防するだけではなく,心筋梗塞の急性期の合併症である致死的不整脈にも予防的に働き,心筋梗塞の患者の生命予後を改善することがわかっています。

急性期の致死的不整脈も,心筋梗塞を生じた心臓が興奮しすぎることによって生じると考えれば,心臓の頑張りを抑えるβ遮断薬はよい適応だとすぐにわかっていただけるかと思います(図2)。

図2心筋梗塞患者において,β遮断薬(カルベジロール)は総死亡を減少させる(文献1

心筋梗塞患者において,β遮断薬(カルベジロール)は総死亡を減少させる(文献1)

CAPRICORN試験では,心筋梗塞後の心収縮力の低下した患者を対象にカルベジロールを投与したところ,総死亡を減少させる効果が確認された。

β遮断薬は急性冠症候群の発症にも予防的に働くといわれています。冠危険因子である高血圧糖尿病喫煙,タイプA性格,メタボリックシンドロームは交感神経を活性化させます。交感神経が活性化することにより血管壁の炎症や内皮機能障害,血液凝固のカスケードが活性化されますので,動脈硬化の促進や急性冠症候群の発症に関与しているといわれています。交感神経の緊張を抑えることで急性冠症候群の発症を予防することが期待されています。

 

心不全に対するβ遮断薬

さて次に,心不全に対するβ遮断薬治療についてみていきましょう。

急性心不全

心不全とは,心収縮力の低下や心拡張障害のためエネルギーポンプとしての心臓の機能が低下し,体へのエネルギー供給が低下したり,血液循環が停滞することによりうっ血を生じる病態と定義できます。すべての心疾患が心不全の原因となります。

心不全はその発症様式から,急性心不全と慢性心不全に大別されます。血液循環に関与する神経液性因子の調節など生理的代償機構が破綻した状態を急性心不全といいます。急性心不全(慢性心不全の急性増悪を含む)では,心臓が頑張って働かなければ病状が改善しませんので,心臓を休ませる薬は禁忌となります。かえって心不全を増悪させることになりかねません。

 

慢性心不全

一方で,慢性心不全ではβ遮断薬を治療に用いることで予後が改善することが知られています。以前は,機能の低下した心臓に対して,心臓を頑張らせない薬を使うことは禁忌のように考えられていました。しかしこの15年くらいの間に考え方がガラリと変わり,体を動かしたりするたびに苦しい思いをして頑張っている機能の低下した心臓は,β遮断薬を使用してあまり頑張らないようにしておいたほうが長持ちすることがわかってきました。

慢性心不全では,心不全が増悪しないようにさまざまな代償機転が働いています。心拡大や心肥大もそうですし,交感神経緊張もそのひとつです。慢性心不全の心臓は常に頑張らされていることになりますので,β遮断薬で無理をさせないようにするというのが治療の原理となります(図3)。

図3慢性心不全に対するβ遮断薬治療

慢性心不全に対するβ遮断薬治療

 

もちろん最初から通常量のβ遮断薬を内服すると心臓は頑張れなくなり,これまでなんとか代償してきた心不全の代償機構が破綻し急性心不全に陥ることがありますので,少量から開始します。これまでに行われた慢性心不全に対するβ遮断薬の大規模臨床試験をもとに,メトプロロール,ビソプロロール,カルベジロールが心不全の治療に使用されます(表1)。

表1β遮断薬の慢性心不全に対する大規模臨床試験

β遮断薬の慢性心不全に対する大規模臨床試験

 

これらは,いわゆるエビデンスのある薬剤ということになります。

メトプロロールは,大規模臨床試験ではコハク酸メトプロロールが使われていますが,日本では化学構造の異なる酒石酸メトプロロールのみが使用可能なため使用頻度が少なく,ビソプロロール(メインテート®),カルベジロール(アーチスト®)がよく使われています。

なかでもカルベジロールは国外のみならず,国内での臨床試験によるエビデンスもあり,最もよく使われています。実際に使用する際にはカルベジロール(アーチスト®)なら通常量10~20mg/日に対して,1.25~2.5mg/日の内服から開始します。ビソプロロール(メインテート®)なら通常量5mg/日のところ,0.625mg/日くらいから内服を開始します。もちろん重症例では,導入期の心不全増悪を懸念しさらに少量から開始したり,入院して導入することもあります。

β遮断薬が導入できたら,1~2週間ごとに注意しながら通常量まで徐々に増量していくようにします。もちろん導入期や,その後の増量中に心不全増悪をきたす症例は経験されますが,そのときは一般的にはβ遮断薬を中止せず減量し,利尿薬の増量など他の薬剤を用いて心不全を治療することになります。

それでも改善しない場合には,強心薬のなかでもカテコラミン製剤ではないPDEⅢ阻害薬などを用いて入院治療を行うこともあります。β遮断薬の急な中止は不可能ではありませんが,それまで導入してきた予後を改善しようという治療が台無しになる損失が大きいと考えられています。

この他にβ遮断薬は,カテコラミンによる直接的心筋障害の予防,拡張機能の改善,レニン・アンジオテンシン系の抑制など,心不全に対してさまざまな効果を持ち合わせており,こうした多面的な効果で慢性心不全の予後を改善していると考えられています。

 

不整脈,頻脈に対するβ遮断薬

β遮断薬は『心拍数を減らし,心臓を頑張らせない薬』ですから,頻脈性の不整脈の治療に用いられます。とくに上室性不整脈である心房細動の心拍数(心室レート)コントロールによく用いられます。

 

発作性心房細動

発作性心房細動とは,治療をしなくても自然に停止し,洞調律に回復する心房細動のことをいいます。発作性心房細動は生命を脅かす不整脈ではありませんが,ときに動悸などの症状に悩まされることがあります。発作性心房細動に対する治療としては,洞調律の回復と洞調律の維持の2つがあります。

まずは心房細動の基礎疾患がないかを確認します。心機能低下による心不全や僧帽弁疾患は心房細動の好発疾患ですし,心疾患以外でも甲状腺機能亢進症などは心房細動をよく合併します。こうした基礎疾患がある場合には,基礎疾患の治療が優先になります。基礎疾患のない発作性心房細動は,まずは洞調律を回復することを目指して治療します。とはいっても自然に停止し洞調律になるのが発作性心房細動ですから,そのまま様子をみていてもよいことになります。

動悸などの症状が強い場合には,症状をコントロールするため心拍数を減少させることが有効となりますし,洞調律を早く回復するためにも頻脈性の発作性心房細動は望ましくありません。そこでβ遮断薬は心拍数をコントロールするにはよい適応となります。β遮断薬以外には,カルシウム拮抗薬であるベラパミル(ワソラン®)やジギタリスがよく使われます。

心房細動が停止し洞調律に回復した後には,発作性心房細動を予防して洞調律を維持することが治療の目的となります。心房細動のときには心原性塞栓症(脳梗塞など)を合併することがありますので,その可能性を減らすためにも心房細動にはあまりならないほうがいいと考えられてきました。抗不整脈薬やβ遮断薬にも発作性心房細動を予防する効果は認められています。

しかし最近の知見では,リズムコントロール(抗不整脈薬を内服して洞調律を頑張って維持しようという治療)とレートコントロール(心房細動時の心拍数をコントロールする治療)との間で,生命予後に差がないことが明らかになり,リズムコントロールはあまり行われなくなってきました。最近ではリズムコントロールをするのであれば薬物療法に代わり,カテーテルアブレーションによる治療が行われるようになってきました。

 

慢性心房細動

発作性心房細動を繰り返しているうちに,心房細動の多くは慢性化します。慢性化した場合の治療は,レートコントロールと心原性塞栓症予防になります。慢性化するとリズムコントロールに有効な治療法はありません。β遮断薬,ベラパミル,ジギタリスなどによるレートコントロールが治療の主体となります。

 

心室性不整脈

心室性不整脈のなかにも,特発性心室頻拍の一部やQT延長症候群における多型性心室頻拍の一部にはβ遮断薬が有効であることが知られています。また陳旧性心筋梗塞や心筋症などの基礎心疾患のある低心機能患者において,心不全治療としてのβ遮断薬が,突然死を予防することがいくつかの大規模臨床試験で証明されています。突然死の予防は,心室細動や心室頻拍などの致死的な不整脈を予防したものと理解されています。

 

甲状腺機能亢進症の頻脈

不整脈ではありませんが,甲状腺機能亢進症による頻脈などの治療にもβ遮断薬がよく用いられます。甲状腺機能亢進症では甲状腺ホルモンが常に交感神経を刺激し続けるためさまざまな症状が現れますが,そのひとつに洞性頻脈による動悸があります。β遮断薬治療が最もよい適応となります。

 

高血圧に対するβ遮断薬

高血圧治療におけるβ遮断薬は,カルシウム拮抗薬,アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I),アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB),利尿薬とともに第1選択薬のひとつとして位置づけられています。

β遮断薬の降圧作用には,心臓を頑張らせない作用(心筋収縮力抑制と心拍数の低下)の他に,レニン分泌抑制によるレニン・アンジオテンシン系の抑制,中枢性交感神経抑制作用などがあります。血管拡張作用を主体とするカルシウム拮抗薬などとは作用機序が異なります。

積極的な適応となるのは,交感神経系の亢進が認められる若年性高血圧や労作性狭心症合併例,頻脈や甲状腺機能亢進症合併例,心筋梗塞後などの心不全合併例,大動脈解離症例などです(図4)。

図4高血圧におけるβ遮断薬の積極的適応

高血圧におけるβ遮断薬の積極的適応

降圧効果が不十分な場合には,作用機序の異なるカルシウム拮抗薬との併用が推奨されており,カルシウム拮抗薬で起こりやすい反射性の頻脈に対しては,β遮断薬が相殺する効果を持ち有効です(図5)。

 

図5降圧薬の併用(文献2より引用改変)

降圧薬の併用(文献2より引用改変)

実線で示されるのが推奨される降圧薬の組み合わせ。

 

β遮断薬の特性と分類

最後にβ遮断薬の分類について説明します。β遮断薬を分類する特性として,内因性交感神経刺激作用(ISA)の有無,β1選択性か否か,α遮断作用の有無などがあります。

ISAを持つβ遮断薬は,交感神経を抑制して心臓を頑張らせないようにしている一方で,交感神経を一部活性化して,あまりに徐脈になったり心収縮力が弱くなったりすることを防いでいます。たとえば心合併症のない高血圧の患者にβ遮断薬を使用するときに,徐脈や心収縮力低下による副作用を少なくするためには有効かもしれません。

しかし心不全や労作性狭心症にβ遮断薬を用いるときには,心臓を頑張らせないようにする,そのありがたみが薄れることになります。慢性心不全に対しては大規模臨床試験の結果から,ISAのないβ遮断薬が有効で,ISAのあるβ遮断薬は有害との報告もあります(図6)。

図6β遮断薬の特性と心筋梗塞後の死亡率(文献3

遮断薬の特性と心筋梗塞後の死亡率(文献3)

心筋梗塞患者2万312例を対象にβ遮断薬を使用した(ISA〔-〕:1万1957例,ISA〔+〕:8355例),欧米で行われた26件の臨床試験のメタ解析の結果。ISA(-)でβ1選択性の薬剤が最も死亡率の低下に有用であった。

交感神経β受容体にはβ1とβ2の2種類の受容体があります。心臓のβ受容体はβ1ですので,これまでの心臓を頑張らせない作用はβ1受容体を介しての作用となります。非選択的にβ2受容体も遮断すると,血管が収縮し,気管支が収縮しますので,血圧が上昇したり,気管支喘息を誘発したり増悪させたりすることがあります。

β1選択性の薬剤のほうが使いやすいということにはなりますが,実臨床ではβ1選択性でも喘息を増悪させることがありますから注意は必要です(原則的には禁忌です)(図7)。

図7β受容体の分布と副作用

β受容体の分布と副作用

心疾患に対するβ遮断薬はβ1選択性の高い薬剤のほうが安全に使用できる。β1選択性でないと,β2受容体遮断により上記のような副作用が強く表れることがある。

β遮断薬を使用すると,相対的に交感神経αが刺激され末梢血管が収縮します。α遮断作用があれば末梢血管抵抗の上昇が予防されます。

実際にβ遮断薬を使用するときには,β1選択性でISAのない薬剤を使用すること,気管支喘息がないこと,徐脈性の不整脈や徐脈を誘発する薬剤が併用されていないこと,閉塞性動脈硬化症がないこと,冠攣縮がないことなどを確認して使用すれば安全に使用できます(表2)。

表2β遮断薬の禁忌と慎重投与

遮断薬の禁忌と慎重投与

また長期に渡り使用してきたβ遮断薬を突然中止すると,血圧が著明に上昇したり,狭心症を誘発したりすることがありますので注意が必要です。

 

 



[Profile]
松村 穣(まつむら ゆたか)
さいたま赤十字病院 循環器科 副部長
1993年 群馬大学医学部卒業,2000年 群馬大学医学部大学院修了。群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学教室を経て,1998年よりさいたま赤十字病院循環器科勤務。


本記事は株式会社医学出版の提供により掲載しています。/著作権所有 (C) 2011 医学出版
[出典]循環器ナーシング 2011年12月号

循環器ナーシング 2011年12月号

P.384~「β遮断薬をどう使っているか?」

著作権について

この連載

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