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2015年08月23日

急性心不全の病態と治療法~主な薬剤の使い方

『循環器ナーシング』2014年6月号<疾患ごとに理解する!循環器疾患のくすり>より抜粋。
急性心不全の病態と治療法~主な薬剤の使い方について解説します。

 

Point

  • 急性心不全は,「うっ血」と「低心拍出症状」の2つの病態の組み合わせである!
  • 起座呼吸や手足の浮腫,冷たさなどの症状,血圧などを指標にして,患者の病態を把握することが治療への第一歩!
  • まずは酸素投与を行い,血圧に応じて強心薬や血管拡張薬を選択する!急なショックに備えて蘇生処置が行える準備を!
  • 強心薬投与中は不整脈に注意し,むしろ薬剤によっては血圧を下げる作用があることにも留意!バイタルの変化や疑問があれば医師に連絡を!強心薬も利尿薬も,すべて薬剤は「諸刃の剣」!

加藤倫子
(順天堂大学医学部付属順天堂医院ハートセンター准教授)

〈目次〉

 

はじめに

急性心不全は,心臓のポンプとしての働きが急速に低下し,腎臓肝臓を含めた主要な臓器に十分な血液を供給することができなくなり,また肺や全身に血液が滞る状態(うっ血)をいいます。

急性心筋梗塞や急性心筋炎などを原因とする場合は突然に発症することが多いですが,慢性的な心ポンプ機能の低下が背景にある患者が風邪などの感染症や不整脈,肉体的・精神的なストレス,暴飲暴食などをきっかけに急性心不全を発症することもあります(慢性心不全の急性増悪)。

治療を行ううえでは迅速に病態を把握することが大切です。適切に治療をしないと臓器の障害が不可逆的になり,さらに重篤な場合には生命の維持が困難になります。

本コラムでは,まず治療のための病態の把握の仕方を述べ,続いてそれぞれの病態に応じた治療に用いる薬剤について説明します。

 

急性心不全の病態とは

急性心不全の定義と症状

『急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)』では,急性心不全を「心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて急速に心ポンプ機能の代償機転が破たんし,心室充満圧の上昇や主要臓器への灌流不全をきたし,それに基づく症状や徴候が急性に出現した状態」と定義しています(1)

簡単にいえば,心臓のポンプ機能の低下によって,全身に血液を十分に送ることができないために現れる臓器障害・手足の冷汗・チアノーゼ・不穏や身の置きどころのなさなどの症状(低心拍出量症候群)と,左心系のうっ血による呼吸困難や起座呼吸の症状,右心系のうっ血による頸静脈怒張・下腿浮腫・腹水などの症状が組み合わさって出現します(表1図1図2)。

表1急性心不全の自覚症状,他覚所見

急性心不全の自覚症状,他覚所見

 

図1うっ血性心不全

うっ血性心不全

 

図2急性左心不全と右心不全

急性左心不全と右心不全

 

つまり,急性心不全はうっ血と低心拍出という2つの病態の組み合わせです。治療を行ううえでは,この2つの病態および左室・右室機能がどの程度まで低下しているかを正確に把握することがまず必要になります。

 

病態を把握するためのポイント

救急搬送された心不全患者の病態を迅速に判断するうえでは,身体所見から得られる情報で治療の方向性を決めていくことのできる「ノリア–スティーブンソン(Nohria-Stevenson)の分類」が役立ちます(図3)。

図3ノリア–スティーブンソンの分類

ノリア–スティーブンソンの分類

 

これはうっ血の有無(wetordry:つまり身体に水が溜まりすぎている所見,起座呼吸などがあるかないか)と臓器灌流状態(warmorcold:つまり手足が冷たく,十分に血液が行き渡っていない兆候があるかないか)によって4群に分類する方法です。早急に患者をdryandwarm(うっ血がなく末梢への血液灌流が良好)な状態に導くことが治療の目標になります。

急性心不全では,血圧も重要な病態把握の指標です。心ポンプ機能が破たんし十分な血圧が出せない患者の死亡リスクは高く,搬送時に収縮期血圧が100mmHg前後の患者の死亡率は,120mmHg前後の患者と比べ2倍以上と報告されています(2)

表2は,血圧が急性心不全患者の病態にどのように関与するかをまとめたものです。また,表3にMebazaaらが提唱し,日本循環器学会による『急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)』にて初期対応のアルゴリズムとして取り上げられた「クリニカルシナリオ」を示します(3)。これは最初に測定された収縮期血圧を基本に病態分類したもので,大まかな治療方針を決める際に役立ちます。

表2急性心不全の分類と治療(文献2より引用)

急性心不全の分類と治療 (文献2より引用)

 

表3入院早期における急性心不全患者の管理アルゴリズム(クリニカルシナリオ)

入院早期における急性心不全患者の管理アルゴリズム(クリニカルシナリオ)

 

看護師として心不全治療に参加するうえでも病態の把握はとても大切です。

薬剤投与の開始前後など,血圧を適宜測定し,患者の手足を触り,医師に報告してください。ベッドサイドにいてくれる看護師の方々が小まめに手足の冷たさ・浮腫の有無,胸部の雑音や頸静脈の張りの変化などを観察していくことは,刻々と変化する患者の状態に併せてチームとして最も適切な治療を選択していくうえで大変役立ちます。

 

急性心不全の治療

治療の流れ

何を置いてもまず大切なのは,救命とバイタルサインの安定です。すべての心不全に伴う症状を併行して改善させることは現実的ではなく,まずは呼吸困難の改善と臓器うっ血の改善を目標にします。

急激な血圧の低下,心肺停止という最悪の事態まで念頭に置いて,自動血圧計,パルスオキシメータ,心電図モニターをはじめ,点滴のルート確保の準備,心肺蘇生時に使用する薬品,除細動器,気管内挿管の準備など物品の点検を行います。鎮静はショックを引き起こすこともあり,すぐに蘇生措置をとれる体制を整えておくことが重要です。

 

酸素療法

酸素療法は呼吸困難の改善と,臓器虚血の改善のために必要不可欠な初期療法です。

カニューレやフェイスマスクによる酸素療法で改善されない場合は,密着型のマスクによる非侵襲的陽圧呼吸(noninvasivepositivepressureventilation;NPPV)を開始し,ショックや意識レベルの低下のある患者では気管内挿管を行います。酸素には,肺の血管抵抗を下げて右心から左心への血液の流れをスムーズにする作用もあります。

 

低心拍出症による臓器低灌流の改善

血圧に応じて薬剤を選択します。収縮期血圧が100mmHg以下で低心拍出症状を認める患者には昇圧薬(ノルアドレナリン,エピネフリン,バソプレシン)や強心薬(ドパミン,ドブタミン),あるいは強心作用と血管拡張作用を併せ持つ薬剤(ミルリノン,オルプリノン)の投与が必要となります。

しかし,昇圧薬・強心薬は心筋障害を助長し予後を悪化させることが知られており,また重篤な不整脈を起こすリスクもあるため,血圧が保たれている患者への第一選択とはなりません。

一方,収縮期血圧が保たれている患者では血管拡張薬が第一選択になります。硝酸薬(ニトログリセリン,硝酸イソソルビド),カルペリチド(ANP製剤),ニコランジル(虚血心に伴う急性心不全の場合)が用いられます。硝酸薬は即効性が期待できるので,高血圧を伴った肺水腫患者にはスプレー投与や舌下錠投与を行います。

 

うっ血の改善

利尿薬は速やかに臓器うっ血を取り除く目的で使用されますが,近年単独で使用されることは減ってきています。とくに,収縮期血圧が保たれている例では血管拡張薬を主に使用して,利尿薬の併用は必要最小限にします。利尿薬の過剰投与はクレアチニン値を上昇させ腎機能を悪化させる危険性もありますが,早期に腎うっ血を改善することは腎保護にもつながります。

 

心原性ショックをきたした場合

昇圧薬,強心薬を投与し強力に循環維持を行い,気管内挿管下に呼吸管理を行います。必要に応じて大動脈バルーンパンピング(intraaorticballoonpumping;IABP)や経皮的心肺補助装置(percutaneouscardiopulmonarysupport;PCPS)などの補助循環を検討します。

看護師は,装置挿入部での出血や感染兆候,下肢の血栓症・虚血,神経系合併症などを観察する重要な役割を担います。

 

主な薬剤の具体的な使い方

昇圧薬・強心薬

ドパミン

ドパミンは,心臓および血管に作用部位があり,その作用は用量により異なります。

低用量(1~3μg/kg/分以下)では,腎臓や内臓の動脈を拡張し,腎血流を増加し利尿を促します。中用量(3~8μg/kg/分)では,心筋に直接働いてポンプ機能を高め,末梢の血管を収縮し血圧を上げます。高用量(5~20μg/kg/分)では,血管を収縮させる作用が強くなり血圧は上がりますが,腎血流が低下し尿量の低下をきたす可能性があります。

手足が冷たく臓器への血流が低下していることが疑われる方には,他の強心薬(ドブタミン)との併用が必要となります。表4表5表6に有する薬剤の比較を示します。

表4交感神経作動薬の受容体分布(文献4より引用改変)

交感神経作動薬の受容体分布(文献4より引用改変)

 

表5陽性変力作用を有する薬剤の比較(文献4より引用改変)

陽性変力作用を有する薬剤の比較(文献4より引用改変)

 

表6血管拡張作用を有する薬剤の比較(文献4より引用改変)

血管拡張作用を有する薬剤の比較(文献4より引用改変)

 

ドブタミン

ドブタミンは,心臓に対して収縮性の増強や心拍出量の増加をもたらします。交感神経の緊張を緩和して,軽度ですが血管拡張作用や左室充満圧の低下をもたらし,5μg/kg/分以下では肺血管拡張作用も期待できます。心臓がしなやかに拡張する作用も有します。

ドブタミンには腎血管への直接の作用はなく,心拍出量を増加させることで腎血流の上昇をもたらします。通常,2μg/kg/分程度の初期投与量で開始し,効果をみながら徐々に増量します。長くβ遮断薬を内服していた患者では,薬剤の反応が鈍り,高用量を必要とする場合もあります。血圧維持や利尿作用が不十分の場合には,ドパミンまたはノルアドレナリンとの併用を考慮する必要があります。

ドブタミンを中等量(5~7μg/kg/分)以上で数日にわたって継続投与すると,心筋がダメージを受けることがあります。そのため,長期投与が必要な患者はPDEⅢ阻害薬との併用や,PDEⅢ阻害薬を第一選択として開始する必要があります。

 

PDEⅢ阻害薬(ミルリノン・オルプリノン)

ミルリノン・オルプリノンは,交感神経を刺激したり心臓の仕事量・酸素消費量を増したりせずに,収縮を高める薬剤です。心臓がしなやかに拡張する(弛緩作用)ことも手助けします。このため,β遮断薬を長く投与していた患者でも反応が鈍くなっていることがなく有効です。また,末梢や肺血管の拡張作用があり,左心不全での肺うっ血や右心不全での臓器うっ血にも有効です。

日本では,ミルリノンおよび塩酸オルプリノンの使用が可能です。

ミルリノンの投与は25~50μg/kgのボーラス投与を10分程度かけて行った後,0.1~0.75μg/kg/分にて持続静注を開始します(MEMO1)。

MEMO1強心薬持続静注時の注意点

急性心不全患者の治療では,ベッドサイドに数多くのシリンジポンプが並び,指示も目まぐるしく変わります。これまで報告されたよくあるヒヤリハットから学びましょう。
1)中心静脈測定後に点滴を再開しましたか?
2)三方活栓を開放したまま気泡除去や交換をしていませんか?側管から抗生剤を投与し終了時にフラッシュをしていませんか?(急速注入につながり,致死性の不整脈を起こす可能性もあります)
3)皮膚刺入部の観察はしていますか?組織障害性のある強心薬は,漏れると皮膚が壊死を起こします。

また,オルプリノンでは10μg/kgをボーラス投与後に0.1~0.3μg/kg/分で持続静注を開始しますが,実際の臨床の場では血圧が不安定な患者を対象とすることが多いので,ボーラス投与を行わず持続静注で開始します。頻脈や不整脈を引き起こすことがあるので,慎重なモニタリングが必要です。うっ血の程度が軽度か脱水気味の患者では,この薬剤の投与で末梢血管が開いて血圧が急に下がる場合があるため,単剤での使用は危険です。

 

ノルアドレナリン

ノルアドレナリンは,心臓に直接働き,収縮力の増強と心拍数の増加をもたらします。また,末梢血管に強く働き,血管収縮による血圧の上昇をもたらす強力な薬剤です。他の強心薬の使用や利尿薬などによる体液量の補正によっても心原性ショックからの離脱が困難な患者に用いられます。

血圧の上昇は期待できても,心筋酸素消費量を増加させ,腎臓・肝臓・脳など他の主要な臓器への血流量を減少させるので,強心薬として単独の使用は行いません。ただし敗血症性ショックを合併している患者では有効です。

血管拡張薬(強心効果を持つミルリノン・オルプリノン以外について)

硝酸薬

ニトログリセリンや硝酸イソソルビドの舌下投与・スプレー・静脈投与により,肺うっ血の改善や,末梢血管抵抗を低下させることによる心拍出量の増大が期待できます。また,冠動脈拡張作用をもつため,虚血性心疾患を原因疾患とする急性心不全では大変効果的です。

硝酸薬の投与においては,血圧低下に注意が必要です。臨床現場では,血圧の保たれた心不全患者に対し,静脈投与の薬剤が準備できるまでの間,またX線・エコーなど病態を把握するためのデータが揃うまでの間,硝酸薬の舌下投与(ニトロペン®など)やスプレー(ミオコール®スプレーなど)を5分おきに3~4回まで繰り返す場合が多いです。静脈内投与の場合は,ニトロール®を1~4μg/kg/分で少量から開始し,血圧のモニタリングを行います。

 

カルペリチド(ハンプ®

ハンプ®は,日本で開発された薬剤で,血管拡張作用やナトリウム利尿効果,交感神経の活性を抑える効果があります。肺うっ血の軽減や利尿効果が期待でき,他の血管拡張薬や強心薬と異なり,心拍数を増加させません。

しかし,投与開始初期に血圧の低下を生じることがあるので,低用量(0.0125~0.05μg/kg/分)から持続静脈内投与します。

 

利尿薬

ループ利尿薬(フロセミド:ラシックス®など)

ループ利尿薬は肺うっ血や浮腫などの心不全症状を軽減し,即効性のある大変有用な薬剤です。

しかし,症状は改善しますが,長期的に予後を改善するかについてはまだ不明です。腎機能の低下や消化管のうっ血があり,経口薬剤の吸収が悪い方には持続静注が有効です。フロセミドの持続静注は2~5mg/時程度で使用する場合が多いです。電解質異常(低カリウム血症)をきたし,不整脈を生じやすくなるので観察が大切です。

 

抗アルドステロン薬(スピロノラクトン:アルダクトン®,プレネロン:セララ®など)    

即効性の利尿効果はループ利尿薬ほどではないですが,心機能の悪化の予防,心不全の再増悪の抑制,死亡率の減少などが報告されています。エプレレノンはスピロノラクトンにみられる女性化乳房や乳房痛などの副作用がないのが特徴です。しかし副作用として高カリウム血症があり,腎機能低下例では慎重なモニタリングが必要です。

 

バソプレシン拮抗薬(トルバプタン:サムスカ®

心不全患者では,腎臓での水の再吸収が増して著明な低ナトリウム血症をきたしたり,他の利尿薬投与により低ナトリウム血症が増悪したりします。低ナトリウム血症は重要な予後規定因子で,これを抑制するバソプレシン拮抗薬は純粋に水利尿を可能とします。低ナトリウム血症を引き起こさないため,急性心不全患者に対して投与する利尿薬として適切と期待されています。

しかし,むしろ高ナトリウム血症を引き起こす場合もあり,血液データを慎重にモニタリングする必要があり,今後のさらなる検討が待たれている薬剤です。

 

基礎疾患の治療と急性心不全状態改善後のフォロー

急性心不全を引き起こした病態に対しての診断や治療は,非常に大切です。なぜなら,一度心不全をきたした患者は再発のリスクが高く,再発のたびに心機能が低下することが危惧されるからです。

心筋梗塞狭心症などが原因であれば,心不全の急性期を脱したら速やかに冠動脈の治療が必要で,弁膜症であれば弁膜症に対しての外科的・内科的治療を,高血圧や不整脈が原因であればその治療が必要です。

拡張型・肥大型などの心筋症,慢性心筋炎,甲状腺機能異常・心サルコイドーシスやアミロイドーシスなど基礎疾患を有する患者では,慢性期治療に移行し,かつ増悪因子(MEMO2)をできるだけ排除するため,患者に服薬コンプライアンス,塩分摂取や過労を避けるなど生活指導を行うことが必要です(MEMO3)。

MEMO2増悪因子を語呂合わせで覚えよう!

もともとの心不全が急激に悪化するきっかけ,つまり増悪因子を語呂合わせで“FAILURE”として覚えておきましょう。

  • Forgotmeds(フォーゲットメディスン):薬の服用を忘れる
  • Arrhythmia/Anemia(アリスミア/アネミア):不整脈,貧血
  • Infections/Ischemia(インフェクション/イスケミア):感染,虚血
  • Lifestyle(ライフスタイル):暴飲暴食,塩分の取りすぎ,ストレスや不眠など
  • Up-regulation(アップレギュレーション):甲状腺機能亢進症妊娠
  • Rheumatic(リウマチ性):リウマチ性弁疾患や他の弁疾患
  • Embolism(エンボリズム):肺塞栓など
MEMO3急性心不全患者の治療

急性心不全患者の治療では,急性期から治療経過において刻々と変わる病態をしっかり観察することが必要です。看護師の目からみた患者のバイタルサイン・手足の温かさなどの情報によって,治療の成功が左右されるといっても過言ではありません。医療チームの一員としてぜひ,治療に参加して患者を助けていきましょう。

 

おわりに

日本は世界有数の長寿国で,国民の高齢化に伴い高血圧や糖尿病などの動脈硬化性疾患を有する患者の率は増加しています。これらの患者は,いつ何時,わずかなきっかけ(風邪やストレスなど)で急性心不全を発症しかねない心不全予備軍です。

心不全の病態理解と治療法は,近年,急速に進歩しています。診療ガイドラインも大きな改訂が加えられました。急性心不全は即時の対応が患者を救い,また対応の誤りが患者を致死的状況に追い込むこともある病態です。

本コラムで述べたように,的確に患者の病態(心拍出量の低下とうっ血の程度)を把握し,病態に応じた的確な治療を行うことが患者の命を救うことにつながります。病態に応じた薬剤の選択を行い,それぞれの薬剤が心臓のポンプ機能をよくする傍ら,「諸刃の剣」として副作用をもたらすことなどを念頭に置いて,心不全患者をチームとして一緒に治療していきましょう。

 

 


[引用・参考文献]


[Profile]
加藤倫子(かとうともこ)
順天堂大学医学部付属順天堂医院ハートセンター准教授
1994年名古屋市立大学医学部卒業,1998年米国スタンフォード大学心臓移植チームフェロー,2003年名古屋大学大学院医学系研究科卒業,2005年国立循環器病研究センター心臓血管内科・臓器移植部,2008年同センター臓器移植部医長,2010年米国コロンビア大学病院循環器内科CenterforAdvancedCardiacCare助教,2013年11月より現職。内科専門医,循環器専門医。

*略歴は掲載時のものです。


本記事は株式会社医学出版の提供により掲載しています。/著作権所有(C)2014医学出版
[出典]循環器ナーシング2014年6月号

循環器ナーシング2014年6月号

P.20~「急性心不全」

著作権について

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