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2015年09月21日

心臓カテーテル検査|循環器系の検査

『看護に生かす検査マニュアル』より転載。
今回は、心臓カテーテル検査について解説します。

高木 康
昭和大学医学部教授

 

〈目次〉

心臓カテーテル検査とはどんな検査か

心臓カテーテル検査とは、カテーテルを直接心臓内に挿入し、心臓の検査および治療を行う手技である。心臓カテーテル検査には、右心系(Swan-Ganzカテーテル法)と、左心系(心血管造影法)がある。ここでは、左心系の冠動脈造影(CAG)と、左室造影(LVG)時の看護について述べる。

 

心臓カテーテル検査の目的

  • 心臓の血圧を測り、ポンプ機能を評価する。
  • 心臓の収縮状態、弁の状態を知り、心臓の形態、冠状動脈の狭窄・閉塞の程度や部位を診断する(図1)。
  • バイオプシーによる確定診断をする。
  • 診断に基づいて治療方針を決定する。

図1冠動脈分枝の名称(AHAによる分類)

冠動脈分枝の名称(AHAによる分類)

 

心臓カテーテル検査の実際

心臓カテーテル検査の左室造影法(LVG)

心臓カテーテル検査後に併用して施行する検査で、撮影は先端に側孔を有するカテーテルを目的部位に挿入し、造影剤を注入すると同時に、心腔内の立体的情報を得るために、同時2方向連続撮影を行う(シネアンギオグラフィ)。

 

心臓カテーテル検査の冠動脈造影法(CAG)

カテーテル先端を冠動脈内に挿入し、選択的に冠動脈を造影するが、カテーテルを冠動脈まで到達させるのに、橈骨動脈、上腕動脈、大腿動脈を穿刺する方法が主に用いられている(図2)。

図2冠動脈造影のアプローチの仕方

冠動脈造影のアプローチの仕方

 

心臓カテーテル検査前後の看護の手順

心臓カテーテル検査前日

  • 検査前日までに、パンフレットなどを用いて検査の目的、方法、経過について説明する。
  • 医師から説明を受けているか、承諾書が得られているか確認する。
  • 不安や疑問がないか確認する。
  • 感染症、腎機能データ、アレルギーの有無、造影剤の副作用の有無、中止薬の有無を確認する。
  • 検査チェックリストを作成する。
  • 夜間就眠できるように、必要時、睡眠薬を与薬する(医師の指示のもと)。
  • 穿刺部位の剃毛:頑丈なテープで固定するため、広範囲に剃毛することが望ましい(図3)。

図3穿刺部位別の剃毛範囲

穿刺部位別の剃毛範囲

 

心臓カテーテル検査当日

  • 指示により、検査前の食事を中止する。
  • 入れ、指輪、ヘアピン、眼鏡、ネックレス、その他貴重品の除去を確認する。
  • 化粧やマニキュアなども落としているか確認する。
  • 手からアプローチの場合:
    ・出床前に血管確保し、指示された点滴を行う。
    ・Tシャツや肌着は事前に脱いでもらい準備する。
    ・車椅子で検査室に搬送する。
  • 足からアプローチの場合:
    ・出床前に血管確保し、指示された点滴を行う。
    ・膀胱内留置カテーテルを挿入する。
    ・ストレッチャーで検査室に搬送する。
  • チェックリストに沿って、検査室の看護師に申し送りをする。

 

心臓カテーテル検査中の看護

  1. 撮影台の準備をし、病棟からの申し送りを受ける。
  2. 患者の病衣を脱がせ、撮影台に移す。手からアプローチの場合、上半身裸になってもらう。足からアプローチの場合、下着もすべて脱がせ、陰部をガーゼで覆って絆創膏で固定し、体位の説明をする。
  3. バイタルサインの測定および動脈触知(穿刺部位により足背・橈骨・上腕動脈)を確認する。
  4. 必要物品の準備をする。
  5. ガウンテクニック、消毒の介助を行う。
  6. 医師に局所麻酔薬、その他の薬品、カテーテル類を清潔に渡す。
  7. 適時、患者にをかけ、不安の軽減に努めるとともに、胸部症状、造影剤の副作用の有無を確認する。
  8. カテーテル抜去後、止血の確認をし、穿刺部位をびん(5cmほどの小びん)で圧迫固定する。
  9. 患者に、検査後の注意事項を説明、指導する。
    ・穿刺部位の伸展保持。
    ・穿刺部末梢の冷感、しびれ感があればすぐに看護師に伝える。
  10. 再度、バイタルサインの観察、足背動脈の触知を確認し、病棟看護師に申し送りをする。

 

心臓カテーテル検査後の管理

  • 検査室の看護師よりチェックリストに沿って申し送りを受け、病室までストレッチャーもしくは車椅子で搬送する。
  • 帰室時から安静解除まで、一般状態の観察を行う(表1)。
  • 安静・飲水の必要性、安静時間・安静解除までの流れを説明する。
  • 安静が保持できるように介助する(食事のセッティング、洗面介助、腰痛緩和、排便介助)。手からアプローチの場合は歩行できるため、必要に応じて介助する。
  • 医師が穿刺部位の止血確認、消毒を行う際、包帯交換の介助を行う。
  • 安静解除時に膀胱内留置カテーテルを抜去したあと、第1回目の排尿を確認する。

表1観察項目

観察項目

 

心臓カテーテル検査において注意すべきこと

  • 合併症の予防(表2)。
  • 造影剤の使用により、腎機能の悪化をきたしやすいので、十分な水分補給、補液と利尿が必要である。尿比重の観察が重要となる。
  • 動脈穿刺による穿刺部位の出血、血管損傷、血栓形成による塞栓症の出現に注意が必要である。そのため、穿刺部の安静保持、末梢動脈の触知確認が重要となる。特に上腕から穿刺した場合、出血しやすいため注意する。橈骨から穿刺した場合、末梢動脈の触知ができないため、チアノーゼや冷感、しびれがないかで確認する。

表2心臓カテーテル検査の合併症

心臓カテーテル検査の合併症

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典] 『新訂版 看護に生かす検査マニュアル 第2版』 (編著)高木康/2015年3月刊行/ サイオ出版

参考文献

著作権について

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