7割が「予想以上の業務量」　理想と現実のギャップに悲鳴をあげる看護師

2014/09/12

白衣の天使に憧れて、夢に描いた看護師になったものの現実の過酷さは想像以上――看護師の実態調査結果からは、そんなナースの悲鳴が聞こえてきそうです。日本看護協会の調査によると、看護師の仕事イメージと実際のギャップについて、「業務量の多さ」で7割、「休暇の取得」「給与」で半数以上が、「想像より悪かった」と回答していました。

日看協が、現場の実態把握のために実施している「看護職員実態調査」と「看護職員需給状況調査」結果からは、若い看護師ほど看護以外の業務に興味があったり、年齢問わずに介護へ興味を持つ人が増えてきていることなどがわかりました。

はじめて2交代勤務が3交代勤務を上まわる

働き方では、2交代勤務が49.9%と半数を占め、3交代勤務（34.2％）をはじめて上まわりました。2005年の調査では3交代が56%と半数以上だったことを考えると、この10年で大きく2交代制へ変わってきたことがわかります。

2交代勤務が3交代勤務を上まわる｜看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

有給取得率は平均して9.2日。有給付与日数が18.6日であることから、与えられた有給休暇のほぼ半分は、取れている人が多そうです。

初任給　3年過程は197,689円、大卒は204,683円でやや増加

気になる看護師の初任給です。高卒プラス3年過程の卒業者は、基本給が 197,689円、税込総額262,074 円で、5年前と比べて5000円程度はあがっているようです。大卒では基本給が204,683円、税込総額は270,200 円で、5年前と比べると3年過程より上昇はゆるやかですが、3000円くらいあがっているようです。

一般的な企業の初任給（基本給）、大卒で198,000円（2013年度）、高専・短大卒172,2000円と比べると、やはりやや高めといえそうです。

平均給与額推移（高卒＋3年課程）｜看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

平均給与額推移（大卒）｜看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

ちなみに勤続10年、31～32歳で非管理職の看護師のケースでは、平均基本給244,392円、税込総額318,010 円となっていました。

20代看護師で「看護職にこだわらずやりたい仕事につきたい」がトップに

自分のライフプラン・キャリアプランでは、「看護職として働きつづけたい」と考える人は、年齢があがるにつれて増加。一方で、20代では、「看護職であるかどうかにはこだわらず、興味や関心の持てる仕事をしたい」と答える人がトップになるなど、看護職にこだわらず、興味のあることを追求したいと考えている人が多いことがわかりました。

調査では、回答者の9割が病院勤務でしたが、「訪問看護」や「介護施設」へ興味を持つ人も3割以上にのぼっています。高齢化が進むなかで、勤務条件などがあえば、在宅や介護分野で働いてみたいと思っている人も、少なくはないようです。

【調査概要】

日本看護協会「2013 年看護職員実態調査」速報

日本看護協会「2013 年病院における看護職員需給状況調査」

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