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2014年09月01日

海外からの患者搬送に付き添う「エスコートナース」の仕事とは

コミックエッセイ「患者さまは外国人」の原案者で、外国人専用のクリニックに勤務しながらエスコートナースとしても活躍する看護師の山本ルミさん。前回は、クリニックの院長のエフゲニー・アクショーノフ氏について伺いましたが、今回は山本さんのもう一つの職業「エスコートナース」についてお話ししていただきました。

 

看護師・山本ルミさんインタビュー【3】もう一つの顔・エスコートナースの仕事

 

【前回のインタビューはこちら!】

【2】無国籍のロシア人医師がマイケル・ジャクソンからヘビ遣いまで診るクリニックって?

 

山本さんのもう一つの職業「エスコートナース」は、患者の医療搬送に付き添う看護師のこと。けがや病気で一人では動けない人を、国境を越えて迎えに行ったり送り届けたりする仕事です。山本さんは日本ではまだあまり知られていない、エスコートナースの草分け的な存在です。

 

「日本人が海外でけがや病気をしたり、外国人が日本でけがや病気をしたりすると、保険会社からアシスタンス会社に連絡がいきます。そこから私に依頼がくるんです。日本人でも外国人でも、異国でけがや病気をするって本当に不安だと思うんですよ、言葉も通じないし、習慣も違う」

 

けがや病気をした人を安心させる笑顔

 

観光する暇なんて全くない!

山本さんがエスコートナースの仕事を始めたのは、インターナショナル・クリニックの患者を送り届けたことがきっかけ。その後、フランスのアシスタンス会社に日本人初のエスコートナースとして登録しました。月に1~2回、2~3日前にアシスタンス会社から打診があり、出動が決まります。エスコートナースとして出動するときは、インターナショナル・クリニックはお休み。その間は山本さん自身が依頼した臨時の看護師に来てもらうそう。

 

「例えば骨折だとして、単純に考えがちですけど、飛行機で移動すると血栓ができてエコノミー症候群になりやすくなったりするので予防が必要です。歩けない患者さんには尿道カテーテルが必要なこともあります」

 

エスコートドクターが一緒のこともありますが、基本的に搬送は一人で行います。常にバイタルチェックとその記録が必要なため、患者さんの搬送中はほとんど眠れず、食事の時間もほんのわずか。患者さんの搬送の付き添いだけでなくその家族のケアや、場合によっては現地で何かしらの交渉をしなければならない場合もあります。医薬品や患者さんが急変した場合に備えての救命道具など、持ち物もたくさん。語学力はもちろん、体力や看護師としての判断力も必要な仕事です。

 

ストレッチャー搬送中は飛行機内の座席を倒して場所を確保

 

「いろんな国に行けていいねってよく言われるんですけど、基本的に観光する暇はないですね。先日はトルコのカッパドキアに行きましたが、夜に着いて次の日の早朝に出発だったので、街に日の当たるところすら見てないです(笑)」

 

山本さんは大学病院勤務時代にアメリカ留学を経験し、英語を使って看護師の仕事ができないかと考えるようになりました。もともと国際的に働くことに興味はありましたが、現地の人の優しさに触れて、自分も日本に来た外国人を医療で助けたいという思いを強くしたといいます。その思いがインターナショナル・クリニックでの勤務とエスコートナースという、二足のわらじを履く今日につながっているんですね。

 

エスコートに同行したマレーシアのドクターと空港で

 

医療も語学もまだまだ学びたい

世界を飛び回る忙しい毎日の中でも、山本さんは現状に満足することなく、やりたいことがたくさんあると語ります。

 

「改めて日本の医療技術を学びたいです。外来ばかりで介護の知識なんて全くないし、たまによその病院に行くと、例えば点滴のルートにしたって『今ってこんなに便利なの!?』って浦島太郎状態です(笑)。それにもう2カ国語くらい話せるようにもなりたい。英語の通じない国も世界には多いですから。東京オリンピックがあるから海外からたくさん患者さんが来るだろうし」

 

山本さんがグローバルに医療に関わっていく姿勢はこれからも変わりません。山本さんの忙しい日々はまだまだ続きそうです。

 

【山本ルミさんインタビュー】

【1】外国人専用、パスポート不要の「インターナショナル・クリニック」で働く看護師・山本ルミさん

【2】無国籍のロシア人医師がマイケル・ジャクソンからヘビ遣いまで診るクリニックって?

【3】海外からの患者搬送に付き添う「エスコートナース」の仕事とは

 

※院長のエフゲニー・アクショーノフ氏は取材後の8月5日にお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈りいたします。


【山本ルミ】

大分県出身。93年より六本木のインターナショナル・クリニックに勤務。98年よりエスコートナースとしても活躍している。著書に「患者さまは外国人(山本ルミ・原案 世鳥アスカ・漫画)」など。

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コメント一覧(26)

26港区勤務医2015年05月19日 20時40分

先日、勤務している病院から外人の方が自国に帰国しました海外患者移送専門会社リーベンの方々がエスコートしてくれましたが大変な仕事だなとつくづく感じました、体に注意して頑張ってください。

25匿名2014年12月15日 14時47分

すごいなぁ

24匿名2014年09月06日 10時50分

語学力がない自分には絶対無理な仕事。知識と行動力と、知らない国に行く勇気がまぶしく見えます。大変なお仕事ですが頑張ってください!

23匿名2014年09月04日 16時53分

かっこいいなー

22匿名2014年09月04日 16時05分

英語できたらな~

21匿名2014年09月04日 08時46分

すごっ!

20匿名2014年09月03日 23時43分

すごいな

19ふぅ2014年09月03日 18時39分

こんな世界があるんですね

18匿名2014年09月02日 16時42分

すごいなぁ。

17匿名2014年09月02日 16時19分

いろんな仕事があるものだ

16匿名2014年09月02日 16時02分

素敵

15匿名2014年09月02日 06時29分

患者さん心強いでしょうね(^-^)

14匿名2014年09月01日 22時54分

マイルいっぱい溜まりそう

13匿名2014年09月01日 22時19分

すごいですね。大変そう。

12匿名2014年09月01日 21時53分

初めて知りました。もっと色んな働き方を知りたいです。

11匿名2014年09月01日 21時20分

カッコいい・・・。

10匿名2014年09月01日 20時37分

学生の頃にこの方の本読んで、エスコートナースになりたいなぁって思ってました。今でも!がんばろー。

9匿名2014年09月01日 16時30分

職場のつまらない人間関係に悩むの馬鹿らしくなりますね

8匿名2014年09月01日 16時24分

すごいなぁ

7匿名2014年09月01日 13時53分

大変そう。

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