1. 看護roo!>
  2. ステキナース研究所>
  3. 患者さまは外国人~インターナショナルナースのドタバタ日誌~>
  4. 外国人専用、パスポート不要の「インターナショナル・クリニック」で働く看護師・山本ルミさん

2014年09月01日

外国人専用、パスポート不要の「インターナショナル・クリニック」で働く看護師・山本ルミさん

5月末に発売された、一冊のコミックエッセイ「患者さまは外国人」(阪急コミュニケーションズ)。読んでみると、外国人専用のクリニック? ドクターは無国籍のロシア人?? 看護師はエスコートナースとしても活躍中??? どんな人なのか気になって、原案者で看護師の山本ルミさんに会いに行ってきました!

 

看護師・山本ルミさんインタビュー【1】 インターナショナル・クリニックとは

 

10カ国以上の国籍、6カ国語以上の言語

 

東京・六本木の一角に、まわりの喧騒を断ち切るかのようにたたずむ、緑の木々に囲まれた古い洋館。著者の山本さんが勤務するインターナショナル・クリニックは、日本の健康保険は適用外の、外国人専用診療所です。英語、ロシア語など6カ国語以上の言語に対応でき、多いときは一日に10カ国以上の国籍の患者さんが来院します。

 

「休診なので、今日は怒涛の書類整理です」と笑顔を見せる山本さんは、インターナショナル・クリニックに勤務して21年になります。コミックエッセイの中でお茶目な人柄を見せるロシア人のドクターは、残念ながら体調を崩して休養中。取材日は代診の医師が不在のため、クリニックは休診でした。

 

患者さんの言葉が分からない!英語を猛勉強

山本さんがインターナショナル・クリニックに勤務するようになったきっかけは全くの偶然だったといいます。勤務していた大学病院を辞め、以前目にした求人広告をふと思い出して電話をかけてみたら、ちょうど看護師が辞めたところ。そこからはとんとん拍子に勤務が決まりました。外国人ばかりの病院で、苦労も多かったのでは?

 

「一応留学という名の遊学経験もあるんですけど(笑)、ドクターと患者さんが話している言葉がまったく分からなくて。このおしゃべりな私がずっと黙っているなんて、って自分でもびっくりするくらい」

 

まずは英語を勉強しようと、診療中に頻繁に出てくる言葉はメモして調べたり、夜間の英会話学校に通ったり。

 

「帰宅してからはひたすら録画した海外ドラマを見ていました、字幕をティッシュの箱で隠して(笑)。家庭が舞台なので、日常生活で役立つ言葉が多いんですよ」

 

勤務後に言葉の勉強とは、頭が下がります。今はロシア語も勉強中とのことです。

 

多言語が飛び交う診察室

 

薬の受け取り拒否は当たり前?文化のちがい

「文化や習慣の違いに戸惑うことはいまだにあります。例えば薬。日本人だとよく分からなくても受け取るし、素直に飲んでくれるじゃないですか。外国人だと、『これいらない』って受け取り拒否が日常茶飯事(笑)。きちんと説明して納得してもらわなきゃいけない」

 

勤めていた大学病院で、管理職になることを求められたのがきっかけで、もっと患者一人一人と接していたいという思いから転職を決意したという山本さん。

 

「ドクターが患者さんとのコミュニケーションを楽しむ方なんです。『どこから来たの?』『お子さんはいくつ?』って、病気の話より世間話が多いかも(笑)。言葉が分かるようになってからは、私も患者さんとのコミュニケーションが楽しくなりました」

 

患者さんがくれた鹿の角。どうやって日本に持ち込んだ…

 

それもあってか、診察の合間には健康でも患者さんが遊びに来たり、差し入れを持ってきてくれたりすることもあるそう。クリニックの壁には来院した子どもの写真や、患者さんがくれたというエキゾチックなお土産が所狭しと飾ってあります。

 

患者さんや他のスタッフから親子みたい、と言われるというドクターと山本さんのコンビ。外国人の患者さんはクリニックというよりは「インターナショナル・クリニック」という家族を訪ねる気持ちで来院しているのかもしれませんね。

 

「楽しかったからやってこれた、っていうのはあります。毎日が刺激的です。今つらいと思っている看護師さんも、難しいかもしれないけど仕事って楽しいことだけじゃないからこそ、目的意識を持って日々に楽しみを見出してほしいです」

 

次回は「ドクター」と呼ばれる院長のエフゲニー・アクショーノフ氏について伺います。

 

※ 院長のエフゲニー・アクショーノフ氏は取材後の8月5日にお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈りいたします。


【山本ルミ】

大分県出身。93年より六本木のインターナショナル・クリニックに勤務。98年よりエスコートナースとしても活躍している。著書に「患者さまは外国人(山本ルミ・原案 世鳥アスカ・漫画)」など。

この連載

  • 【1】受付だけで大騒動!? [10/28up]

    こんにちは! 山本ルミです。外国人専用の「インターナショナルクリニック」の看護師として働いているときに、“エスコートナース”としても活動を始めました。これからそんな私のドタバタな日常をお届けしていきます!   東京には多... [ 記事を読む ]

  • 【インタビュー】エスコートナースの仕事とは [09/01up]

    コミックエッセイ「患者さまは外国人」の原案者で、外国人専用のクリニックに勤務しながらエスコートナースとしても活躍する看護師の山本ルミさん。前回は、クリニックの院長のエフゲニー・アクショーノフ氏について伺いましたが、今回は山本さんのも... [ 記事を読む ]

  • 【インタビュー】ドクター・アクショーノフのこと [09/01up]

    コミックエッセイ「患者さまは外国人」の原案者で、外国人専用のクリニックに勤務しながらエスコートナースとしても活躍する看護師の山本ルミさん。前回は山本さんが働くインターナショナル・クリニックについて伺いましたが、今回は院長のエフゲニー... [ 記事を読む ]

  • 【インタビュー】外国人専用、パスポート不要のインターナショナルクリニックとは [09/01up]

    5月末に発売された、一冊のコミックエッセイ「患者さまは外国人」(阪急コミュニケーションズ)。読んでみると、外国人専用のクリニック? ドクターは無国籍のロシア人?? 看護師はエスコートナースとしても活躍中??? どんな人なのか気になっ...

  • 患者さまは外国人~インターナショナルナースのドタバタ日誌~【全記事まとめ】 [12/16up]

    【インタビュー】外国人専用、パスポート不要のインターナショナルクリニックとは 【インタビュー】ドクター・アクショーノフのこと 【インタビュー】エスコートナースの仕事とは 【1】受付だけで大騒動!? 【2】病院... [ 記事を読む ]

もっと見る

コメントを投稿する

コメント入力
(100文字以内)
ニックネーム
(12文字以内)

コメント一覧(22)

22エビサワ2016年03月12日 18時02分

ドクータがなくなたのざんねです

21匿名2014年12月28日 06時44分

かっこいい

20Y Honda2014年11月21日 22時47分

世界一のドクターと世界一のナースの山本さんに出逢えた私は、世界一 幸せな一人です。この本と空飛ぶナースは 私の枕元に置いて何百回と読みました。

19匿名2014年09月06日 23時01分

本読みました。素敵な職場ですね。

18匿名2014年09月06日 11時08分

本、読んでみます

17匿名2014年09月04日 17時09分

看護の勉強も英語の勉強も文化の勉強もしなきゃいけないなんて、大変そうだけどやりがいがありそう!毎日が刺激的って感じ(^^)

16匿名2014年09月03日 08時44分

色々ですね

15匿名2014年09月02日 23時27分

いいなー

14匿名2014年09月02日 20時00分

いい笑顔だ。

13匿名2014年09月02日 12時56分

エッセイ読んでみたいな

12匿名2014年09月02日 07時39分

ナースキャップ。。

11匿名2014年09月01日 23時01分

パスポート不要ってこわい。
不法滞在のやつだったらどうするの?

10匿名2014年09月01日 21時13分

ナースキャップが懐かしいです。きっと同年代ですね。仲良くなりたいです。

9匿名2014年09月01日 18時05分

かっこいいなー!努力もすごいよね

8匿名2014年09月01日 17時10分

すごいなと思います。本がほしい。

7匿名2014年09月01日 14時34分

すごい!尊敬します!

6匿名2014年09月01日 13時51分

凄いなぁ

5匿名2014年09月01日 13時09分

このような職場があると初めて知った。医療英語は難しそう。

4匿名2014年09月01日 10時11分

私もこんな病院で働きたかった(笑)
無知って損だわ~

3匿名2014年09月01日 08時12分

こんな仕事もあるんだ

関連記事

いちおし記事

ベテラン看護師の態度にモヤモヤ

「とあるベテラン看護師と険悪ムードでつらい…」というお悩み。あなたならどうする? [ 記事を読む ]

PaO2?pH?BE?血液ガス分析でどんなことがわかるの?

各検査データからわかることをサクッとおさらい! [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

後で「急変の予兆だったのかも?」と思ったことある?

投票数:
1330
実施期間:
2019年11月26日 2019年12月17日

人生最大級の「お酒の失敗」教えて下さい。

投票数:
1253
実施期間:
2019年11月29日 2019年12月20日

一時期病的にハマっていた食べものや飲みものはある?

投票数:
1151
実施期間:
2019年12月03日 2019年12月24日

医師と結婚できるなら、したい?

投票数:
1165
実施期間:
2019年12月05日 2019年12月26日

好きなイラストレーターはいる?

投票数:
881
実施期間:
2019年12月10日 2019年12月31日

勝手に命名選手権!

投票数:
604
実施期間:
2019年12月13日 2020年01月03日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者466

◆せん妄の問題◆以下の症例の中でせん妄を発症していると推察できるものはどれでしょうか?

  • 1.88歳女性、頭部外傷にて入院中の患者さん。入院時、CTにて器質的変化を認め、手術不適応とされた。意識レベルは昏睡であり、刺激すると除脳硬直が起こります。
  • 2.35歳男性、15歳より統合失調症にて外来治療中の患者さん。薬の自己休薬により幻覚・妄想が強くなったため入院。幻覚や妄想はあるが、他者との日常的なあいさつや、感謝を示すなど対人面の問題はない。
  • 3.77歳女性。財布をしまった場所や通院日を間違えたりなど、物忘れがひどくなっているため、来院した。
  • 4.88歳女性、肺がんにて外来治療中の患者さん。3日前より発熱を認め、肺炎にて入院した。夜間不眠の訴えあり、睡眠薬を内服した。その後より「家に帰らなきゃ」と、落ち着かない様子で荷物の整理を始めた。
今日のクイズに挑戦!