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2020年03月18日

おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~【7-3】

前回のお話

訪問看護師の持田さんは、自分の母親を自宅ではなく施設で看取ることを選びました。
やがてその日はやってきて…

 

前回の話。お父さんと一緒に施設のお母さんの元へ訪れた持田さん。「日々衰えていく母を見ながら…父はどんな気持ちなんだろう…」とお父さんの気持ちを思いやります。

 

 

「おい…おまえ」 持田さんはお父さんと一緒に施設にいるお母さんにに会いに来ました。「おい…おまえ」とお父さんが一緒に施設のベッドで眠る自分の奥さんに呼びかけますが、返事はありません。「返事しないんだ…。もう今から検査してもだめだよなぁ…」と、持田さんのお父さんがため息をつくと、持田さんは「…お母さん、検査嫌がってたじゃない…」と言いました。「だよなぁ…詳しく検査したところで…手術は大変だろうしなぁ…」残念そうにつぶやくお父さんを、持田さんは何でもないように「いざ最期を自覚すると心が揺れるのはよくあることよ。私はそういう人の心の揺れをずっと見てきたけど、その人らしい終わりを選ぶのが一番ぶれないと思う」と語りかけます。

 

持田さんのお父さんは結局検査もしませんでした。「最後の1週間だけでも自宅に帰るっていう手もあるでしょ?」持田さんの、施設でのお父さんとのやりとりを聞いた馬淵さんは持田さんに尋ねますが、持田さんはちょっと照れたように「まぁ あるけど―…いいかなって思って…」と返事をされ、馬淵さんは「あれだけ自宅の看取りを見てきた人が!!」とあきれたようにツッコミをいれました。

 

持田さんはさらに続けます。「今までたくさん泣いてる家族を見てきたから、自分でも意外なんだけど…慣れちゃったのかな?」「………それでいいのか?」馬淵さんは持田さんに尋ねますが、持田さんは「ほんとねぇ、自分の母親なのにねぇー。悲しいんだけど、悲しくないの…」と答えましたが、(この気持ちは何なんだろう…)と持田さんの心はもやもやしていました。  すると、ある日持田さんのお父さんから「呼吸が止まり出したそうだぞ…」と連絡が入り、持田さんはお母さんの元へと駆け付けました。「いよいよだな…」持田さんのお父さんが身構える横で、持田さんは冷静にお母さんの呼吸がチェーンストークス(※亡くなる前の特徴的な呼吸の形)になっていることを観察している自分に気付き、(こんな時も冷静だわ、私…。お母さん、ごめんね…患者さんを見る視点になっちゃってる…)と罪悪感を抱きます。そして、慌てるお父さんに声をかけ、親せきを呼びました。

 

―まだ息のあるうちに会っておきたい人には連絡を。その人が好きな音楽を流して手を握り、語りかける。いってしまうその人のためだけでなく、残された人たちのためアドバイスもする。いつも私がしてることだ。お母さん私はちゃんとやっていますよ―持田さんは心の中でお母さんに語り掛けます。すると、持田さんの隣に、ベッドに横たわっているはずのお母さんが現れました。(え?えっ!!お母さん!?)

 

驚いて唖然としていると、親せきのおばさんが持田さんに「純子ちゃん!!呼吸止まった!!」と慌てた様子で声をかけ、お母さんは消えてしまいました。 あたりを見渡しても、どこにもお母さんの姿は見えません。「純子ちゃん、何してるの。早く」親せきのおばさんはキョロキョロとあたりを見回す持田さんをせかします。 「あ はい。」(……いっちゃった…)

 

(いっちゃったのね…お母さん…最後まで私を応援してくれたんだ) お母さんが行ってしまったことを知ると、持田さんの目に一気に涙があふれてきました。「あらあら純子ちゃん。そうよね悲しいよね……」「お母さん大変だったわよね…」涙が止まらない持田さんを、親せきのおばさんたちが慰めます。すると、お父さんが持田さんに語り掛けました。「純子……」

 

「お母さん寝てるみたいだな……これが死か…。穏やかだな……」 持田さんはこう語るお父さんの背中を静かに見つめ、お父さんや親せきの人たちと一緒にお母さんの死を悼みました。

 

その後、訪問看護ステーションで持田さんから持田さんのお母さんが亡くなった話を聞いた花ちゃんは、「そうですか大変でしたね。持田さんお疲れ様でした」と持田さんをいたわります。「まぁ普通に大変だったわね…。でも不思議…。あんまり変わらないの…まだ母が生きてるような気がするのよねー。これもよく皆が言うセリフだけど、自分もなって初めてわかったわ…」と感心したように持田さんは語ります。しかし、こう語る持田さんにも変わったと感じることがひとつあるようです。 例えば、48歳の教師をしている女性から、相談を受けたときのこと…「父の介護をするために、私仕事を辞めようと思って…。」

 

父の介護のために仕事を辞めようと考えている彼女に対して、持田さんはこうアドバイスします。「それをお父様が望んでいるならいいですが…。それでも私はお勧めしません。仕事は命綱ですから続けるほうがいいですよ。一緒に可能な限り援助していき ますから。私も施設に預けてそこで看取りました」「えっ…看護師さんも!?」驚く彼女に持田さんはこう答えました。「母も喜んでいると思っています」持田さんにとって、胸を張ってこう言えるようになったことが、以前の持田さんからひとつ変わったことなのでした。

 

(おわり)

 

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【著者プロフィール】

広田奈都美(ひろた・なつみ) HP

漫画家・看護師。某地方総合病院にて勤務後、漫画家としてデビュー。著書は「僕達のアンナ」(集英社)、「お兄ちゃんがコンプレックス」、「ママの味・芝田里枝の魔法のおかわりレシピ」(秋田書店)他。

 

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コメント一覧(1)

1coro2020年03月20日 19時26分

私の母は事故で亡くなったので、看取れませんでした。でも、亡くなって数ヶ月経ったとき、同じように突然目の前に現れたことがあります。笑顔でした。突然亡くなった事は、そそっかしい母らしい最後だったのかな?

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