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2020年02月28日

急変対応が不安なら、この本いいですよ。だってね…|ヤンデル書房(4)

文:ヤンデル(病理医)

Twitterフォロワー数11万人、本をこよなく愛するヤンデル先生が「本屋の店主」になって、看護師のみんなにおすすめの本を紹介してくれます。

 

ヤンデル書房~看護師だけのヒミツの本屋

Vol.4 看護の学びなおし 急変対応


 

いらっしゃいませ。ご自由にご覧ください。

(せっせとペンを動かしながら)

 

カウンターで熱心に何をやっているのかって? ポップを書いてるんです。この本、売りたいんですよ。

 

『看護の学びなおし 急変対応』(照林社)

 

いい本です。最近出たばっかりの本で、応援したいんですよね。

 

 

新人もベテランも「学び直す」のコンセプト

看護師を続けていく限り、目の前で急に状態が悪くなった患者さんに、その場ですぐに対応しなければいけない場面が必ずあります。

 

患者の急変に備えて何を覚え、

何を身につけておかなければいけないか

 

看護師なら誰もが看護学校や現場で必ず教わっているのですけれど、いざ実際の場面に遭遇すると、なかなか具体的に動けるものではなく、知識や技術の足りなさを痛感することもあります。

 

だから「学びなおす」。新人も、そしてベテランもね。

 

このコンセプト好きです。看護師のニーズに合ってる。というか、「ニーズがあることに気づかせられる」タイトルです。

 

 

 

何度か読みました。いい本だなあという気持ちが、しみじみと湧き出てきます。

 

「急変予測」、つまりアセスメントや診断に関する部分からスタートして、

肝心の「初期対応」の技術は、イラストや写真が豊富で要点がわかりやすいです。

患者急変時の「記録」の方法について、

さらには「患者の家族に対する援助」(家族は不安ですよね)について……。

 

とても具体的で、何より、「現場感」がすばらしい

 

ぜひ、お客様にもこの気持ちをおすそわけしたいなあと思いました。目に留めて、本を手に取っていただきたい。そこでポップを書くことにしたというわけです。

 

 

「急変が不安ならまかせて!」

「ポップって何?」……あ、失礼しました。

 

これのことです。ご存じでしょう。

 

 

そうです、要は本の「宣伝」ですよ。

 

宣伝ですから、出版社の営業の人が、見栄えよく印刷したやつを書店に届けてくれることもありますが、近頃はかなりの量のポップが、書店員によって書かれています。手書きのポップ、見たことありませんか

 

私、ほかの本屋に行ってポップを見るのが好きなんです。

 

本を売る側が、本をきちんと読んで、「この内容だったらこういう人に読んでほしい」っていうメッセージを読者目線で書き留めているのを見ると、なんだかぐっと来ます。手書きのポップには、売る側の都合じゃなくて、買う側の気持ちが書いてあるからかなあ。

 

じゃあ売る側の気持ちはどこに書いてあるかというと、それは「帯」ですね。この『学びなおし』の帯はすごくいいんです。「作り手が推したいポイント」がとてもよくわかる。

 

『「なんとなく…わかっている」「できているつもり…」で乗り切れますか?』

『ICU経験25年の先輩ナースが書いた』

 

的確な売り文句です。

 

「急変対応に不安がある? だったら、安心してまかせてよ!」っていうメッセージ

 

本を書いた側や、本を売る側からの、まっすぐな自己紹介。これこそ帯です。

 

これだけ立派な帯があるのだったら、もう「売る側の自己紹介」は十分かなーとも思うのです。だから、例えば私のような書店員は、代わりに、読む側に回る。読んで実際に思ったことを素直にポップにする。それを本の横に置いておけば……。

 

本屋に来た看護師にとっては、帯とポップがそれぞれ、売る側と読む側の気持ちを語ってくれる、みたいなことになると思うんですよね。

 

 

よおし、ポップを書くぞお

さあ、何を書こう。

 

まず、

「読んでいて嫌な気持ちにならない」

 

教科書ってどこか上から目線で、「これくらい知っとけよ」「これ知らないとやばいぞ」みたいな雰囲気を感じるものだけれど、この本は執筆者の性格なのか、

「ここは忘れがちですよね」

「ここをまとめておくと、いざというときに便利ですよ」

みたいな、現場で働く人にとっての優しさがちりばめられています。

 

読んでいて優しい気持ちになる。

 

 

次に、

「読んでいて眠くならない」(笑)。

 

デザインの勝利ですかねえ。読んで得られる知識のボリュームは多いんですけれど、文章量がそれぞれ短くて、図版が的確で、まとめの仕方がうまい。

専門書の長文って疲れているときに読むと腹立ちますけれど、そういうイライラを感じない。

 

 

さらに、

「現場の事情をよくわかった人が書いている」

 

「ハイムリック法」は、知識としては持っておくけれど、現場で使う場面はあまりない、みたいなこともスッと書いてあってフフッってなります。

 

あと、「学びなおし」っていうくらいだから、若手があらためて学ぶのに役に立つ本なんですけれど、実はエース級の看護師の大事な課題である「チームで医療をやること」について、かなり真剣に書いてあって……。

 

だめだ、ポップに入りきらない、どうしよう、私は絵があまり得意じゃないんですよ、困ったな、こんな細かい字でギッチリ詰めこんだポップ、お客さん、引くかなあ……。

 

あ、楽しそうに見えますか? よく言われます。

 

 


 

病理医ヤンデル市原真/いちはら・しん

1978年生まれ。2003年北海道大学医学部卒、国立がんセンター中央病院(現国立がん研究センター中央病院)、札幌厚生病院病理診断科。現在、同科医長。医学博士。病理専門医。著書に『症状を知り、病気を探る』(照林社)、『いち病理医の「リアル」』(丸善出版)、『病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと』(大和書房)など。Twitterブログnoteなどで発信中。良い本を人におすすめするのが大好き。

 

看護の学びなおし 急変対応

■著者:白坂 友美

■発行:照林社(2019/11/29)

■判型:B5判、128ページ

■定価:本体1,600円+税

■ISBN-10: 4796524746

■ISBN-13: 978-4796524742

 

編集/烏美紀子(看護roo!編集部)

 

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