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2020年01月08日

【マンガ】大切な人が死ぬとき~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~(11)

緩和ケアの現場が舞台のマンガ、期間限定の出張連載です(前のお話はこちら)。

「どうしたら患者さんに死を受け入れてもらえますか?」

そう新人看護師に聞かれ、緩和ケア看護師の木下さんが考えたこと。

 

水谷は『20~40代という若い年齢で末期がんになった人は、どのように過ごしているのだろう。』と思った。水谷は、32歳で初期乳がんとわかったとき、治療中、仕事が励みになっていたという。「もし自分が今、末期がんだとわかっても、仕事をし続けて、なるべく今まで通り過ごしたいと思う」と水谷が言うと、「働き盛りの年代だし、そういう患者さんは多いね」と、木下は言い、39歳で末期がんと診断された花井という男性の話をし始めた。

 

 

花井は、病室にパソコンを持ち込んで、ベッドの上で仕事をしている。カンファレンスでとある看護師は、「肺や肝臓にも転移しているのに…」と困ったように言った。その場で新人看護師が、「どうやったら花井さんに死を受け入れてもらえるんでしょうか?教科書には『死の受容』まで五段階あると説明がありましたが…」と、質問をしてきた。木下は「……もし自分が末期がんだったら、自分の死を受け入れるなんで簡単にできるかな。それに…本当に死を意識しないのかはわからないよ」と言った。ある日、木下と新人看護師は、花井の病室にいた。木下が「お薬終わりましたね。ほかに何かお困りのことはありませんか?」とたずねると…

 

 

「とくに用はありません。来週納期の仕事があって忙しいんで。薬も自分で管理しますので、置いておいてください。」と、木下たちを見ることもなく、パソコンで作業をしながら答えた。しかし、木下が「薬は金庫に入っていて、私たち医療者が管理しないといけないんですよ」と言うと、花井は顔をしかめて、大きく「チッ」と舌打ちをしたという。その件をカンファレンスで報告すると、「なにそれ」「わがままだね~」と先輩看護師たちは困った顔で言っていた。しかし、木下は「わがまま」という言葉がひっかかった。食事の時間になり、木下が花井の病室へ食事を運ぶと…

 

 

なんと花井は震える手で箸を持って、汗をかきながら1人で食事を取ろうとした。木下が慌てて「お手伝いしましょうか?」と声を掛けると、「いいです!ぼくは絶対に自分でご飯を食べます!」と必死な表情で答えた。木下は『抗がん剤やっているから泥のような味だろうに…。』と思った。また、『崩壊しようとしている自分をなんとか保ちたい。』のだろうと感じた。

 

 

ある日、主治医が花井に「血液検査の結果があまりよくなくてね。これ以上続けると身体へのダメージが強いかもしれない」と説明すると、花井は「抗がん剤は止めません!できることはやりつくしたいんです!」と必死に答えた。木下は『あなたはもう助からないのだから、抗うのは意味のないこと。視を受け入れるのが正しい道。』と思ったが、でも『それは外野の傲慢な押しつけ。本人が抵抗しようとすることを一緒にやるのが看護だ。』と思い、花井を見守り続けた。

 

 

「結局、彼は亡くなる前日まで自分で食べ続けたの。」と木下は水谷に言った。水谷が「『緩和ケア』だけど、抗がん剤を使い続けることを止めたりはしないのか…」と呟くと「それもその人が選んだ生き方だから」と木下が答えた。水谷は「仕事を続けること、食べ続けること…それは花井さんにとって『アイデンティティ』だったんだね」と言った。木下も「そう考えれば、周りができることが見えてくる。」と言った。生きている限り、生きているのだ。

(閲覧期限:2020/2/5)

第12話は、1/15(水)公開予定です。

 

『大切な人が死ぬとき~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~』が単行本になります(竹書房)

2020年2月13日(木)発売予定!

 

○●既刊情報●○

『32歳で初期乳がん 全然受け入れてません』

『精神科ナースになったわけ』が大ヒット! 
医療系コミックエッセイを多数描き続けてきた水谷緑が
自身の体験を元に描いた乳がん闘病コミックエッセイ! 

6年前に膵臓がんで父を亡くした私が、32歳で初期乳がん…。
人にがんを伝えれば引かれるし、妊娠に影響があるかもと聞いたし、私、独身だし、将来どうなるの?

 

○●既刊情報●○

『精神科ナースになったわけ 』(コミックエッセイの森)

精神科ナースになったわけ

人はなぜ心を病むんだろう
普通のOLだった太田良枝は、肉親の死による悲しみで、心のコントロールが利かなくなってしまった経験から心の病に興味を持つようになり、精神科の看護師になることを決意。

ー精神科のリアルな現場を新人看護師の目線で描くコミックエッセイ。

 

○●既刊情報●○

2年間の連載に加えて、50P以上の描きおろし&「腐女医」さーたりさんからの寄稿を含むオリジナルコラムも掲載しました。

Amazonや各書店で好評発売中です。

『じたばたナース 4年目看護師の奮闘日記』(KADOKAWA)

 

【著者プロフィール】

水谷緑(みずたに・みどり)HP

水谷緑

著書は「コミュ障は治らなくても大丈夫」(吉田尚記、水谷緑)「まどか26歳、研修医やってます!」「あたふた研修医やってます。」(KADOKAWA) 他。小学館「いぬまみれ」にて犬漫画「ワンジェーシー」連載。

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コメント一覧(1)

1ハッピィ2020年01月08日 13時25分

やれることはやる!活力につながると思いません?(^_^)

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