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2019年11月27日

【マンガ】大切な人が死ぬとき~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~(4)

緩和ケアの現場が舞台のマンガ、期間限定の出張連載です(前のお話はこちら)。

漫画家・水谷緑さんが、終末期の父親と訪れた場所は…。

 

『死ぬ前に人は何をしたいんだろう?なにか特別な最後の願いを叶えた方がいいんじゃないか?』私はそんなふうに考え、度々父に聞いていた。しかし父は、「行きたいところは?」と聞いても「行きたいところはないなぁ。」といい、「欲しい物があったら持ってくるよ!」と言っても、「納戸にある本を持ってきて」と答えるばかり。私は噛み合わないもどかしさを感じていた。

 

 

そして亡くなる一ヶ月前、痛みが強くなりモルヒネを開始すると、夢うつつの時間が増えた。看護師から、「細かくすればなんでも食べていいですよ。」と急に食事の許可も出た。『なんで今?もう死ぬから…?』と怖くて聞けなかったが、私は急いでコンビニでおにぎりとおでんを買ってきて、父に食べさせてあげた。ひと口だけ食べた父は、

 

 

「ごはんも食べられるようになったし、もうすぐ退院だぞ!」と笑顔を私に向けて言った。父は張り切って、「メガネ取って!新聞取って」と私にいうと、ベッドも起こしはじめました。逆さまの新聞、ずれたメガネ、震える身体。父は全力で「新聞を読む」ことに取り組んでいた。

 

 

父の姿を見て、『生きたい。死ぬ瞬間まで生きたい。毎日家でしていたことをしたい。父は特別なことではなく、ただ日常生活をしたかったんだ』と気付かされた。ある日、医師が病室に来た際父は、「家に帰りたいです!」といきなり申し出たので、家族も医師も驚いた。

 

 

医師に止められても、「帰りたいんです!」という父を見て、私は『先生にあんなに強く要求するお父さん初めて見た…。家に帰りたい、最後の最後になるとそう思うのか…。』と考えさせられ、『もし在宅医療を知っていたら叶えられたかもしれない。』とこれはのちの悔いとなった。面会終了の時間がきて、父に挨拶をすると

 

 

父は寂しそうに「帰るの?泊まれないの?緑ちゃんは?」と私たちを15分くらい引き止めた。あとからよく聞く話になるが、がん患者は夜がこわい。この先自分はどうなるんだろう?目を閉じたら目覚めないんじゃないか?そんなふうに不安になるのがとくに夜なのだそうだ。しかし、それを知らなかった私は、駄々をこねる父を少し恥ずかしく感じていた。

 

 

男性看護師が「車イスで海を見に行きませんか?」と声をかけてくれることがあった。ここは専門の緩和ケア病棟ではなく、当時は緩和ケアというものも知らなかったが、今思うとある程度受けていたと思う。車イスに乗ることも命を使っているような父の姿に驚き、同様に父自身も驚いていた。海を見ながら、父は涙を流していた。亡くなる3日前だった。

 

 

父はとんでもなく不器用で。ベッドの上げ下げもうまく出来ないこともあり、看護師さんにウケていた。「よかったね」と声をかけると、父は、「自分では気にしている…」とポツリとつぶやいた。死ぬ前に人は浄化され、小さなことにとらわれなくなるイメージがあったが、自分のコンプレックスを気にしたままなくなったかと思うと、本当死は日常と地続きのような気がした。

※緩和ケア…生命を脅かす疾患を抱えた患者と家族の身体的・精神的苦痛を和らげ、生活の質を上げる医療行為

 

第5話は、12/4(水)公開予定です。

(閲覧期限:2019/12/18)

 

『大切な人が死ぬとき~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~』が単行本になります(竹書房)

2020年2月13日(木)発売予定!

 

○●既刊情報●○

『32歳で初期乳がん 全然受け入れてません』

『精神科ナースになったわけ』が大ヒット! 
医療系コミックエッセイを多数描き続けてきた水谷緑が
自身の体験を元に描いた乳がん闘病コミックエッセイ! 

6年前に膵臓がんで父を亡くした私が、32歳で初期乳がん…。
人にがんを伝えれば引かれるし、妊娠に影響があるかもと聞いたし、私、独身だし、将来どうなるの?

 

○●既刊情報●○

『精神科ナースになったわけ 』(コミックエッセイの森)

精神科ナースになったわけ

人はなぜ心を病むんだろう
普通のOLだった太田良枝は、肉親の死による悲しみで、心のコントロールが利かなくなってしまった経験から心の病に興味を持つようになり、精神科の看護師になることを決意。

ー精神科のリアルな現場を新人看護師の目線で描くコミックエッセイ。

 

○●既刊情報●○

2年間の連載に加えて、50P以上の描きおろし&「腐女医」さーたりさんからの寄稿を含むオリジナルコラムも掲載しました。

Amazonや各書店で好評発売中です。

『じたばたナース 4年目看護師の奮闘日記』(KADOKAWA)

 

【著者プロフィール】

水谷緑(みずたに・みどり)HP

水谷緑

著書は「コミュ障は治らなくても大丈夫」(吉田尚記、水谷緑)「まどか26歳、研修医やってます!」「あたふた研修医やってます。」(KADOKAWA) 他。小学館「いぬまみれ」にて犬漫画「ワンジェーシー」連載。

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コメント一覧(1)

1匿名2019年12月02日 00時44分

なんだろう、

自分では気にしている

が、しみるな

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