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2019年11月20日

【マンガ】大切な人が死ぬとき~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~(3)

緩和ケアの現場が舞台のマンガ、期間限定の出張連載です(前のお話はこちら)。

ナースに会ってきた』『じたばたナース』でおなじみの漫画家・水谷緑さん。膵臓がんの父親とのやりとりを通して…。

 

入院中、病室に行くと父の足をマッサージするのが、私の日課になった。マッサージをしていると、父は、「木もれびを見ていると生きててよかったと思うんだけど、緑ちゃんもそう思う?」と聞いてきた。それまであまり父と話をしたことがなかった私は、驚きながら「うん…アパートの裏の並木道を通って駅に行くんだけど、木もれびを見るといつもそう思う。」と答えた。

 

 

父と私は好きなものが似ていることを知り、嬉しい気持ちになった。また別の日には、「お母さんは(子どもに)人気がある…」とボソッと言われ、父のジェラシーを初めて聞いた。病気はいやだけど、病気の前よりずっと父を近くで感じた。今でもこの時のことを思い出すと幸せな気持ちになる。こういう時は死ぬまで時間がある「がん」はいいなと感じた。

 

 

告知から8ヶ月後、父はがんが肝臓に転移してから日常生活が少しずつできなくなった。排泄はオムツに、食事は点滴から、ベッドからは起き上がれなくなった。寝たきりになって、寝心地などたいして気にならなかった小さなことが大きなことになる。そんなときも、看護師さんは日常生活を少しでもよくするプロフェッショナルで、体の下にタオルを詰めたり、管を巻いたり、ビニールに入ったお湯をくれたりと対応してくれた。

 

 

温かいお湯の入ったビニールを父の体に当てると、「あったかい…生きてる感じがする…。」と気持ちよさそうに笑っていた。体をふいていると父はリラックスしたのか、「死んでいくのは大変だなぁ…。」と言った。父はハッとして「生きてゆくのは大変だなぁ」と言い直したが、私は『自分でも死ぬとわかってるんだな…』と感じずにはいられなかった。

 

 

病院に泊まって付き添いをした夜、ゴホゴホとつらそうに咳き込んでいる父を見て、なんて言えばいいのか迷った私は、「がんばれ…!」と声をかけてしまい、初めて父から「がんばれない」と弱音を聞いた。何かしてあげたいと動く私は父にとっての「ちょうどいい」程度がよくわからなかった。

 

 

余命があとひと月もないこと伝えられ、私は医師に「いざその時はどういうふうになくなるんですか?」と尋ねた。すると医師は、「吐血して窒息して亡くなるか、衰弱して感染症や多臓器不全で亡くなるかですね。」と説明してくれた。私と弟は病室へ戻ると、父の足と指先が白いことに気がついた。

 

 

看護師さんに聞いたら、死ぬときは末端から細胞が死んでいくらしい。私は、からだの中から少しずつ死んでいくことを知った。「1日でも長く生きたいなぁ。」という父を見て、普段より1日1日が大きく、人生が「1日」単位になっていくことを感じた。それからというもの、帰るときは「生きていてね」という気持ちを込めて握手をすることになった。

第4話は、11/27(水)公開予定です。

(閲覧期限:2019/12/18)

 

『大切な人が死ぬとき~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~』が単行本になります(竹書房)

2020年2月13日(木)発売予定!

 

○●既刊情報●○

『32歳で初期乳がん 全然受け入れてません』

『精神科ナースになったわけ』が大ヒット! 
医療系コミックエッセイを多数描き続けてきた水谷緑が
自身の体験を元に描いた乳がん闘病コミックエッセイ! 

6年前に膵臓がんで父を亡くした私が、32歳で初期乳がん…。
人にがんを伝えれば引かれるし、妊娠に影響があるかもと聞いたし、私、独身だし、将来どうなるの?

 

○●既刊情報●○

『精神科ナースになったわけ 』(コミックエッセイの森)

精神科ナースになったわけ

人はなぜ心を病むんだろう
普通のOLだった太田良枝は、肉親の死による悲しみで、心のコントロールが利かなくなってしまった経験から心の病に興味を持つようになり、精神科の看護師になることを決意。

ー精神科のリアルな現場を新人看護師の目線で描くコミックエッセイ。

 

○●既刊情報●○

2年間の連載に加えて、50P以上の描きおろし&「腐女医」さーたりさんからの寄稿を含むオリジナルコラムも掲載しました。

Amazonや各書店で好評発売中です。

『じたばたナース 4年目看護師の奮闘日記』(KADOKAWA)

 

【著者プロフィール】

水谷緑(みずたに・みどり)HP

水谷緑

著書は「コミュ障は治らなくても大丈夫」(吉田尚記、水谷緑)「まどか26歳、研修医やってます!」「あたふた研修医やってます。」(KADOKAWA) 他。小学館「いぬまみれ」にて犬漫画「ワンジェーシー」連載。

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1みあ)2019年11月21日 03時08分

見つめるように読んでしまった

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