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2019年12月18日

【マンガ】大切な人が死ぬとき~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~(8)

緩和ケアの現場が舞台のマンガ、期間限定の出張連載です(前のお話はこちら)。

死を前にした人に接するとき、正解がない問いに行き当たることは多い――

父親を亡くした経験をもつマンガ家の水谷緑さんは、緩和ケア看護師の木下さんに話を聞くことにしました

 

男性はがんなど深刻な病気になっても、自分の気持ちを出さない人が多い。そういう男性に緩和ケア看護師として、どうやって入っていくかというと…野木さん(69)の場合。緩和ケア看護師の木下が野木さんのところに伺うと、「また来たのかよ!話しなんかねぇよ。帰れ」と怒鳴られてしまいました。

 

 

 

病室に行く度、「帰れ」と罵倒されます。『こっちだって担当を外れられれば…』という思いをぐっとこらえて「1日1回は野木さんにご挨拶したくて…。」というと、野木さんは、「うるさい!こっちはあんたの顔なんて見たくないんだよ!」と乱暴に言いました。傷ついた木下は、「わかりました。明日はもう来ません。」と部屋を出ていこうとすると、先ほどまで怒鳴っていた野木さんの目から涙が流れていることに気が付きました。

 

 

 

野木さんはだーっと涙を流していました。木下は『帰れって言葉では言ってるけど、帰っちゃいけないんだろうな…。でも何をすれば…。』と困惑し、30分ただ直立不動をしていました。そのとき、野木さんが涙を流しながら、工事現場を見ていることに気が付きました。野木さんは建設現場で働いていた人だった。仕事中、ケガをしたが病院に行かず悪化し、腕を切ることになったのでした。耐えられる言葉をかけると、

 

 

 

「治ると言われたから病院に来たのに、腕を切ると言われたんだよ!なんでこんなことになっちゃったんだよ。」と堰を切ったように話し始めました。ひとしきり話を聞いた木下は、「じゃあまた…怒ってもなんでも明日も来ます!」と野木さんに宣言し、仕事に戻りました。結局そのあとも、病室に行く度に怒鳴られましたが、退院するとき、「あのとき泣いてたけどありがとね。今オレ笑えてるでしょ。」と穏やかに言ってくれました。これが野木さんの乗り越え方でした。

 

 

 

音原さん(51)の場合。音原さんは会社の社長で小学生の娘さんがいます。医師や看護師からの質問にも明るく前向きに答える音原さんに、ステーションの看護師たちは、「抗がん剤治療がんばってるよ。弱音とか聞いたことないよね。」「紳士だから怒鳴ってこないし。」と口々に評価しました。木下が廊下で音原さんに会ったとき、「いつも朝早くから本当にがんばってらっしゃいますね。他のナースたちからも、人一倍がんばってると聞いてますよ。」と声をかけました。

 

 

すると、音原さんは静かに涙を流し始めたのです。音原さんは震えながら「子どもがまだ小学生なんです。母子家庭になってしまいます。社員も50人いるんですよ…。ぼくはこの先どうしたら…?」と漏らしました。その姿をみた木下は、『頑張ってる人は感情を出せない』ことに気が付きました。「無理にバリアを張って自分を守ってるんだけど、男の人だって、本当はいっぱいいっぱいなんだよね…。」と経験をを漫画家水谷さんに伝えるのでした。「ガチガチの心に入っていけるタイミングは?」という水谷さんの質問に

 

 

「体調が悪い時、悪くなってから良くなっていくときはスキマができる気はする。」と答えました。最初は無視する患者さんがいて、毎日1回は顔を出すようにしていたときのこと。ある日患者さんの体調が悪くなったとき、彼は「来てくれたの?」と言ったのです。木下は、『このときのために私は病室に来たたんだ。』と思いました。「積み重ねると関係性ががらっと変わるときがある。」と木下は伝えるのでした。

(閲覧期限:2020/2/5)

第9話は、12/25(水)公開予定です。

 

『大切な人が死ぬとき~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~』が単行本になります(竹書房)

2020年2月13日(木)発売予定!

 

○●既刊情報●○

『32歳で初期乳がん 全然受け入れてません』

『精神科ナースになったわけ』が大ヒット! 
医療系コミックエッセイを多数描き続けてきた水谷緑が
自身の体験を元に描いた乳がん闘病コミックエッセイ! 

6年前に膵臓がんで父を亡くした私が、32歳で初期乳がん…。
人にがんを伝えれば引かれるし、妊娠に影響があるかもと聞いたし、私、独身だし、将来どうなるの?

 

○●既刊情報●○

『精神科ナースになったわけ 』(コミックエッセイの森)

精神科ナースになったわけ

人はなぜ心を病むんだろう
普通のOLだった太田良枝は、肉親の死による悲しみで、心のコントロールが利かなくなってしまった経験から心の病に興味を持つようになり、精神科の看護師になることを決意。

ー精神科のリアルな現場を新人看護師の目線で描くコミックエッセイ。

 

○●既刊情報●○

2年間の連載に加えて、50P以上の描きおろし&「腐女医」さーたりさんからの寄稿を含むオリジナルコラムも掲載しました。

Amazonや各書店で好評発売中です。

『じたばたナース 4年目看護師の奮闘日記』(KADOKAWA)

 

【著者プロフィール】

水谷緑(みずたに・みどり)HP

水谷緑

著書は「コミュ障は治らなくても大丈夫」(吉田尚記、水谷緑)「まどか26歳、研修医やってます!」「あたふた研修医やってます。」(KADOKAWA) 他。小学館「いぬまみれ」にて犬漫画「ワンジェーシー」連載。

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コメント一覧(3)

3ハッピィ2019年12月18日 14時13分

もちろん人それぞれだと思うけど、こりずに病室に通う。これは良いことだと思う。「また来たのか~」って言われちゃうかもしれないけど…ね♪(^_^)

2看護roo!編集部2019年12月18日 13時34分

>匿名さま

コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、今回の掲載では6話目の次が8話目になります。
恐れ入りますが何卒よろしくお願いいたします。

1匿名2019年12月18日 12時18分

12/11掲載の(6)の次が今回の(8)になってますが、7話目は掲載なしになるのでしょうか?

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