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2019年08月29日

がんの「5年生存率」66.1%に上昇も、部位別でかなりの差|看護roo!ニュース

がんの5年生存率推移/2007年:64.4%、2008年:65.2%、2008~2009年:65.8%、2009~2010年:66.1%

出典:国立がん研究センター「がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計報告書

 

がんと診断された人を、治療でどのくらい救えるか――。

 

その目安として、診断から5年後に生存している人の割合を示した「5年生存率」がよく用いられます。

 

国立がん研究センターによると、2009~2010年にがんと診断された人の5年生存率は66.1%

前回から0.3ポイント上昇しました。

 

ただし、部位によっては、かなりの開きがみられます。詳しくみていきましょう。

 

 

「前立腺」や「女性乳房」は9割超えも、「膵臓」は1割以下

5年生存率は、全国のがん診療連携拠点病院などのデータを集計したもの。

 

今回の調査は4回目で、277施設の約57万人が対象となりました。

 

部位別でみると、「前立腺」(98.6%)が最も高く、「女性乳房」(92.5%)「子宮内膜」(82.1%)が続きました。

 

一方、「沈黙の臓器」と呼ばれ、早期発見が難しいとされる「膵臓」は9.6%にとどまっています。

 

また、どの部位も病期(ステージ)が進むほど生存率が下がり、「前立腺」以外の部位はステージ4でいずれも4割を切っていました

 

がんの部位別5年生存率/病期(ステージ)別・相対生存率(%)/【がん全体】66.1(ステージ別は非公表)/【前立腺】1:100.0、2:100.0、3:100.0、4:62.2、全体:98.6/【女性乳房】1:99.8、2:95.9、3:79.9、4:37.2、全体:92.5 /【子宮内膜】1:96.8、2:89.9、3:74.0 、4:21.3、全体:82.1 /【子宮頚部】1:95.3、2:78.7、3:61.4、4:25.2、全体:75.3 /【大腸】1:95.4、2:88.1、3:76.5、4:18.7、全体:72.9 /【胃】1:94.6、2:68.5、3:45.1、4:9.0、全体:71.6 /【膀胱】1:88.1、2:61.9、3:45.2、4:19.1、全体:69.5 /【食道】1:80.9、2:50.2、3:24.9、4:12.0、全体:44.4 /【肺、気管】1:81.2、2:46.3、3:22.3、4:5.1、全体:40.6 /【肝臓】1:60.4、2:42.8、3:14.5、4:3.5、全体:40.0 /【膵臓】1:43.3、2:19.3、3:5.7、4:1.7、全体:9.6

出典:国立がん研究センター「がん診療連携拠点病院等院内がん登録2012年3年生存率、2009年から10年5年生存率公表喉頭・胆嚢・腎・腎盂尿管癌3年初集計

 

 

3年生存率は「72.1%」で、「胆嚢」など4部位が初公表

国立がん研究センターでは、最新の治療の効果をいち早く検証するために、2018年から「3年生存率」も公表しています。

 

2回目となる今回の調査は、全国のがん診療連携拠点病院など286施設で、2012年にがんと診断された約34万人を対象に行われました。

 

今回の調査では、「喉頭」「胆嚢」「腎」「腎盂尿管」の4つの部位が追加されています。

 

がん全体の3年生存率は72.1%で、前回より0.8ポイント上昇しました。

 

部位別の生存率では、いずれの部位も5年生存率より高くなっていましたが、傾向は大きく変わりませんでした。

 

なお、今回から追加された難治性と言われる「胆嚢」(33.4%)は、膵臓に次いで低い生存率でした。

 

がんの部位別3年生存率/病期(ステージ)別・相対生存率(%)/【がん全体】72.1(ステージ別は非公表)/【前立腺】1:100.0、2:100.0、3:100.0、4:75.7、全体:99.2 /【女性乳房】1:99.8、2:97.8、3:89.2、4:56.6、全体:95.2 /【子宮内膜】1:97.6、2:94.1、3:76.7、4:32.6、全体:85.9 /【腎】1:98.5、2:94.3、3:83.0、4:26.6、全体:85.6 /【喉頭】1:96.0、2:90.2、3:84.9、4:53.6、全体:84.4 /【子宮頚部】1:97.2、2:85.9、3:71.2、4:32.8、全体:79.6 /【大腸】1:96.4、2:93.4、3:85.2、4:30.5、全体:78.7 /【胃】1:96.9、2:76.4、3:53.2、4:10.3、全体:75.6 /【膀胱】1:91.7、2:67.5、3:51.5、4:25.9、全体:73.4 /【腎盂尿管】1:90.1、2:79.6、3:68.3、4:17.0、全体:55.6 /【肝臓】1:78.5、2:2.5、3:26.0、4:7.8、全体:54.6 /【食道】1:86.2、2:58.2、3:34.8、4:12.8、全体:53.6 /【肺、気管】1:89.7、2:62.2、3:36.5、4:12.6、全体:50.8 /【胆嚢】1:91.1、2:77.4、3:25.3、4:4.6、全体:33.4 /【膵臓】1:62.2、2:31.5、3:10.9、4:3.2、全体:16.9

出典:国立がん研究センター「がん診療連携拠点病院等院内がん登録2012年3年生存率、2009年から10年5年生存率公表喉頭・胆嚢・腎・腎盂尿管癌3年初集計

 

 

部位や病期によって異なる生存率

がんの部位によって、また、病期によって、治療の難しさが異なり、生存率は大きく異なっています。

 

生存率はあくまで目安の一つで、治療の進歩や検診の普及などでも変わっていきますが、がんの患者さんやその家族にとっては関心が高いものです。

 

がん患者さんのケアにかかわる看護師として、最新の生存率がどのくらいかは把握しておいた方がよいでしょう。

 

看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo

 

 

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(参考)

がん診療連携拠点病院等院内がん登録2012年3年生存率、2009年から10年5年生存率公表|喉頭・胆嚢・腎・腎盂尿管癌3年初集計(国立がん研究センター)

がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計国立がん研究センター

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