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2019年07月11日

「急性期ベッドが減る」って本当に本当なの?|看護roo!ニュース

急性期病床のイメージイラスト

 

「これからは急性期の入院ベッドが減らされる」という話、みなさんも耳にしたことがあると思います。

 

ですが、正直それほど実感もなく、「減る減るって言うけど、本当なのかなあ…」と思ったりしませんか?

 

実際、最新の調査結果でも「あまり減っていない」という状況。そう感じるのもやむなし、ですよね。

 

じゃあ、どうして「減る減る」と言われるの?

今回は、現場のナースにこそ影響する、急性期ベッドの動向について押さえておきましょう。

 

 

約97%が7対1を維持した

「医療費のかかる急性期の病床を減らす!」という国の方針は、看護師の働く場所とも直結した話。2年ごとに行われる診療報酬の改定には、この方針が強く反映されます。

 

特に、直近に行われた2018年度の改定では、7対1病床を削減するための大きな動きがありました。

 

7対1と10対1の入院基本料が再編され、計7段階の「急性期一般入院基本料」に変更されたことです。

 

2018年度診療報酬改定で再編された「急性期一般入院基本料」の説明図解。一般病棟7対1入院料と10対1入院料は、急性期一般入院料1~7に変わりました

 

7対1以上の看護配置が義務付けられているのは「急性期一般入院料1」だけです。ほかの入院料2~7は、10対1の配置でも算定できることになっています。

 

これは、

 

看護師の数や看護必要度の基準を満たすのが難しい7対1病院などが、従来の10対1入院料よりも報酬が高い「入院料2」や「入院料3」に移行する(==)

 

ことを誘導しているのです=入院再編で看護師の「売り手市場」に変化の兆し=。

 

では、果たして狙い通りに7対1病床は減ったのでしょうか?

 

厚生労働省の調査(速報)では、96.5%が「急性期一般入院料1」を届け出た=7対1を維持したという結果に。入院料2や入院料3に移行したのは、合計でも3.1%に過ぎませんでした。

 

7対1病棟は2018改定後、どの入院料を届け出たかを示す棒グラフ

中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)2018年度調査結果(速報)をもとに看護roo!編集部作成

 

7対1を減らす施策はどんどん強まっている

この結果に、

「なーんだ、やっぱり7対1は減らないんじゃないか」

と思うのも当然のこと。ただ、必ずしもそう言い切れません。

 

それは、なぜでしょうか。

 

7対1病床は2006年度に制度が誕生してから一気に増加し、現在、日本で最も多い病床です。約89万床ある一般病床のうち、およそ4割の約35万床を占めています。

 

7対1病床数の推移の棒グラフ。7対1が誕生した2006年度は約4.5万床だったが、急速に増加し続け、2014年度に約38.0万床でピークに。その後やや減少し、2017年度は約35.4万床

中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)資料をもとに看護roo!編集部作成

 

国は「高齢化に伴って今後、急性期医療のニーズは減少する」と考え、想定より増えすぎた7対1を減らす施策を次々に打ってきています。

 

経済的なインセンティブやペナルティで誘導する診療報酬改定は、その代表的なもの。

 

看護必要度の基準や重症患者の割合、平均入院日数など、7対1入院料(現・急性期一般入院料1)を算定できる条件は、改定のたびに厳しくされてきました

 

「急性期の現場が年々、目まぐるしくなり、忙しさが増している気がする」と先輩ナースたちが言っているのは、こうした影響がじわじわと現れている証拠です。

 

そして、次の2020年度の改定も、もうすぐそこに迫ってきています。

 

 

次回の改定「7対1の条件がさらに厳しく」は間違いない

実は、2018年度の改定では入院料の枠組みが大きく変更になった分、看護必要度などの「7対1の条件」は比較的ゆるめに設定されていました。

 

そのため、「まずは7対1を維持する病院が大半、問題はその次の改定だ」という見方は当初からありました(それにしても予想以上だったようですが)。

 

こんな経緯を踏まえれば、次の2020年度改定では、また厳しい条件が設定されるのは間違いないと言えるでしょう。「7対1を維持するかどうか」の選択に悩む病院は、現在よりも増えると考えられます。

 

2019年秋ごろから本格化する議論の行方に早くも関心が集まっています。

入院ベッドの数をめぐる動向は、看護師の数、現場の忙しさ、入院患者の重症度の変化など、ナースへの影響が大きいもの。注意して見ておきたいですね。

 

看護roo!編集部 烏美紀子(@karasumikiko

 

 

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(参考)

中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)2018年度調査結果(速報)概要(厚生労働省)

中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)平成29年度第3回資料(厚生労働省)

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  • 1.「照射赤血球濃厚液(RCC)」は温度管理が不適切になると、機能低下が生じるため、冷凍した保冷剤を入れた保冷搬送容器を用いて搬送した。
  • 2.「照射赤血球濃厚液(RCC)」と「新鮮凍結血漿(FFP)」を1つの保冷搬送容器に梱包して丁寧に搬送した。
  • 3.「新鮮凍結血漿(FFP)」は、温度管理が不適切になると、機能低下が生じるため、保冷剤を入れた保冷搬送容器で搬送した。
  • 4.病棟では、「照射赤血球濃厚液(RCC)」は一般用冷蔵庫へ、「新鮮凍結血漿(FFP)」は一般用冷凍庫へ分けて収納した。
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