救急搬送者が596万人超で過去最多!どんな患者が増えてるの?|看護roo!ニュース
総務省消防庁「消防白書」および「平成30年中の救急出動件数等(速報値)」を基に看護roo!編集部で作成
救急搬送が、年々増え続けています。
総務省消防庁によると、2018年の救急車による救急搬送者は596万202人と過去最多。10年前と比べると、約127万人も増えています。
どのような患者が増えているのでしょうか。
65歳以上の「高齢者」が増加
搬送者を年齢区分別にみると、2018年は65歳以上の「高齢者」が353万9167人で、全体の約6割を占めていました。
「高齢者」の割合は、10年前は49.3%と半数を切っていましたが、年々増加し、2010年以降はずっと半数を上回る状態が続いています。
総務省消防庁「消防白書」および「平成30年中の救急出動件数等(速報値)」を基に看護roo!編集部で作成
※新生児:生後28日未満、乳幼児:生後28日以上7歳未満、少年:7歳以上18歳未満、成人:18歳以上65歳未満、高齢者:65歳以上
入院が必要な「中等症」が増加傾向
搬送者の傷病程度別では、2018年は外来診療で対応可能な「軽症」が290万8667人(48.8%)と一番多く、次いで入院が必要な「中等症」が248万4790人(41.7%)でした。
「軽症」の割合は、この10年でやや減少していますが、その一方で、「中等症」の割合は増加傾向にあります。
つまり、より症状の重い患者が増えているということです。
総務省消防庁「消防白書」および「平成30年中の救急出動件数等(速報値)」を基に看護roo!編集部で作成
※死亡:初診時に死亡が確認されたもの、重症(長期入院):傷病程度が3週間以上の入院加療を必要とするもの、中等症(入院診療):傷病程度が重症または軽症以外のもの、軽症(外来診療):傷病程度が入院加療を必要としないもの、その他:医師の診断がないものや傷病程度が判明しないもの、その他の場所に搬送したもの
「急病」や「一般負傷」が増え、「交通事故」は減少
搬送された原因別では、2018年は「急病」が389万848人(65.3%)で、最も多い割合でした。
次いで多かったのが、「一般負傷」(91万2275人、15.3%)、「交通事故」(44万1571人、7.4%)です。
10年前と比べると、「急病」と「一般負傷」が増加する一方で、「交通事故」は減少しています。
総務省消防庁「消防白書」および「平成30年中の救急出動件数等(速報値)」を基に看護roo!編集部で作成
これらのデータからは、高齢化に伴い、救急医療の現場でも高齢の患者が増え、より症状の重い患者が増えていることがわかります。
体感的にそう思っていた人も多いのではないでしょうか。
今後、高齢化がより一層進む中、救急医療の現場への過度な負担が心配されます。限りある救急医療の資源を、適切に活用する体制の整備が急がれます。
看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo)
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(参考)
「平成30年中の救急出動件数等(速報値)」の公表(総務省消防庁)
消防白書(総務省消防庁)
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