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2019年04月24日

「白衣の戦士!」で学ぶ患者さんの心の状態|けいゆう先生の医療ドラマ解説【13】

タイトル:外科医・武矢けいゆう先生の医療ドラマ解説_学習はドラマのあとで

執筆:山本健人

(ペンネーム:外科医けいゆう)

 

医療ドラマを題材に、看護師向けに役立つ知識を紹介するこのコーナー

今回も、4月10日から放送中の「白衣の戦士!」を取り上げたいと思います。

(以下、ネタバレもありますのでご注意ください)

 

けいゆう先生の医療ドラマ解説

Vol.13 「白衣の戦士!」で学ぶ患者さんの心の状態

新人ナースのはるか(中条あやみ)と、指導係の夏美(水川あさみ) ©日本テレビ

 

第2話で新人ナースのはるか(中条あやみ)が担当したのは、胃潰瘍で入院してきた杉野真理子(堀田真由)。

 

真理子は、銀行で働き始めたものの仕事がうまくいっておらず、「仕事に戻りたくない」という気持ちから、処方された薬を飲まずにこっそり捨てていました。

 

2話は、はるかが入職して1週間後という設定。夏美からダメ出しされる日々が続く。©日本テレビ

 

当然治療はうまくいかず、病棟看護師たちと担当の外科医の柳楽(安田顕)は頭を悩ませます。

この女性患者さんに、看護師らはどう対応したのでしょうか?

 

今回の放送で描かれた、私たち医療者が患者さんと関わる時に意識すべき重要なポイントについて、解説したいと思います。

 

 

患者さんの治療意欲は何より大切

治療がうまくいくかどうかは、患者さんの治療意欲に大きく左右されます。

 

私たち医療スタッフがどれほど良い治療を提案しても、最終的にそれに取り組むのは患者さんです。

 

今回のように、必要な薬を飲んでくれなかったり、回復に必要なリハビリをしてくれなかったりすると、治療は前進しません。

 

入院中は、医療スタッフがその都度患者さんを鼓舞することもできますが、退院後、自宅生活に戻ってしまうと、そういうわけにはいきません。

 

入院している間に、病状や治療の必要性を十分に理解していただき、前向きに治療に取り組んでもらうことが大切なのです。

 

患者さんに対して、たとえ医学的に必要だと考えられる治療であっても、それを一方的に押し付けるだけでは不十分だということですね。

 

特に看護師は、治療に消極的な患者さんの意図を上手に聞き出し、治療にフィードバックすることができる職種です。

 

今回、治療に対して後ろ向きだった真理子は、看護師たちからの関わりによって、最後は治療に意欲を見せるようになりましたね。

 

 

外科医の柳楽は、そのことについて、

しかし何で急にあんな前向きになったんですかね?

と言いながら、笑顔でじっと看護師長の本城(沢村一樹)を見たあと、立ち去るシーンがありました。

 

しばらく考えた本城は、ようやく柳楽の言わんとしていることを理解します。

 

患者さんの背景を知り、心を打ち明けてもらい、治療意欲を高める、という重要なやりとりが行われたことに対して、柳楽が医師として看護師らに感謝の意を示していたことに気づいたからです。

 

 

患者さんの不安定な心理状態に配慮する

銀行の仕事が自分に向いていないと思い悩んだ真理子は、お見舞いに来た上司らに退職の意図を伝え、行員証を返そうとします。

 

上司らはそれを受け取りませんでしたが、仕事を辞めたい思いは変わらず、真理子は行員証を病院のゴミ箱に捨ててしまいました。

 

それを知ったはるかは、集積所で大量のゴミ袋を漁ってまで行員証を見つけ出そうとします。

 

止めようとした指導係の夏美(水川あさみ)に、はるかはこんなことを言いました。

 

具合悪い時って誰でも弱気になるじゃないですか。

 

だから杉野さんも病気が治って元気になったらまた気分が変わるかもしれない。

 

その時に「あー捨てなければよかった」って思うんじゃないかなって。

それで探してたんです。

 

この描写が伝えたいメッセージは、とても重要だと思います。

 

病気で入院している時は、誰しも冷静な判断が難しくなっています。

 

実は私もかつて、上司からこう言われたのを覚えています。

 

入院中は身体的な痛みやしんどさを抱えており、度重なる検査や治療によって精神的にも疲弊している。

 

こうした環境で、家族間での問題に取り組んだり、仕事上での重要な決断をしたりすることは避けた方がいい。

 

 

患者さんは、入院すると仕事や家庭生活が中断し、さまざまなプレッシャーを抱えることになります。

誰しもそれは同じでしょう。

 

医療スタッフはこうした患者さんの背景を十分に理解した上で、患者さんと接する必要があります。

 

また、治療に関して複数の選択肢があるケースで、患者さん一人では冷静に判断できないこともあります。

 

場合によっては、ご家族のサポートも積極的に受けた上で、ベストな選択をしていただく必要があるでしょう。

 

後で冷静に振り返った時に「なぜあんな決断をしたのだろう」と患者さんが後悔しないように、という発想が、私たち医療スタッフには必要なのだと思います。

 

勤務後、居酒屋で食事をする二人©日本テレビ

 

今回は、医学的な側面ではなく、患者さんとの関係性について、ドラマのシーンを振り返りながら解説してみました。

 

次回も非常に楽しみですね。

 

ナースの学習ポイント

・患者さんの意欲を高めることもケアの一環!

 

・「病気のときは、冷静な判断が難しい」という、患者さんの心理面に配慮することが必要。

 


山本健人 やまもと・たけひと

(ペンネーム:外科医けいゆう)

医師。専門は消化器外科。平成22年京都大学医学部卒業後、複数の市中病院勤務を経て、現在京都大学大学院医学研究科博士課程。個人で執筆、運営する医療情報ブログ「外科医の視点」で役立つ医療情報を日々発信中。資格は外科専門医、消化器外科専門医、消化器病専門医、がん治療認定医 など。

「外科医けいゆう」のペンネームで、TwitterInstagramFacebookを通して様々な活動を行い、読者から寄せられる疑問に日々答えている。

 

編集/坂本綾子(看護roo!編集部)

 

●今回のドラマ「白衣の戦士」(日本テレビ系)

 毎週水曜よる10時 放送

 本日2019/4/24(水)は第3話O.A.!!
 

ドラマ「白衣の戦士!」のポスター

©日本テレビ

 

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