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2018年11月30日

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)愛称は「人生会議」に 考えたのはICU看護師

須藤さんと須藤さんを囲む構成労働副大臣らの写真

ACPの愛称「人生会議」を考えた聖隷浜松病院の看護師・須藤麻友さん(中央)=厚労省

 

人生の最終段階に望む医療・ケアについて、家族や医療者らと前もって繰り返し話し合うプロセス「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」を広めようと、厚生労働省が公募していた愛称が「人生会議」に決定しました。

 

1073件の応募の中から選ばれた愛称を考えたのは、日ごろ患者さんの死に接している看護師でした。

 

 

「もっと話し合えていたら」ICU勤務の看護師が込めた思い

ACPは、「人生の最終段階に、どんな医療・ケアを受けたいか、どんなふうに過ごしたいか」について本人、家族や親しい友人、医療従事者や介護従事者が一緒になって、繰り返し話し合って共有するという考え方・取り組みです。

 

心身状態の変化や時間の経過などにつれて、治療・ケアに対する意思は変わっていくものという前提に立ち、一度ではなく、健康なうちから繰り返し話し合うことを重視しているのがポイント。看取りの現場で近年、注目されています。

 

「人生会議」のボードを持つ須藤さんの写真

「どう最期を迎えたいか、医療従事者とも話してほしい」という須藤さん

 

「人生会議」の愛称を考えたのは、聖隷浜松病院(浜松市)のICUに勤務する看護師、須藤麻友さん(29歳)。

 

重症心疾患や不慮の事故などで不意に終末期を迎えた患者さんや家族が、動揺の中で治療方針の決断を迫られたり、本人の意思とは違うのではないかと感じつつ、延命治療を続けたりといったケースを経験し、

 

「患者さんは本当にこれで良かったのだろうか」

「終末期の希望について、もっと患者さんと話し合っておけたら」

 

と感じたジレンマが応募のきっかけになったと言います。

 

11月30日に厚労省で開かれた愛称発表会では、「日本中の人が身近な場面で話せるくらい、ACPが浸透してほしい。縁起でもないと話を避けるのではなく、人はいつか亡くなるものと考え、終末期の人だけでなく、元気なうちから、もしものときを考えることが根付き、望む最期を迎えられるようになってほしいと思います」と、愛称に込めた思いを話しました。

 

 

タレント小藪さん「僕みたいな後悔なくなるように」

愛称発表会の会場の写真

小藪さんからのビデオメッセージも。「ハロウィンで盛り上がるんなら『人生会議の日』で盛り上がる日が来たらええなと思います」

 

この日の発表会では、愛称選考委員のメンバーの一人、タレントの小籔千豊さんからのビデオメッセージも披露。

 

小藪さんが母親を看取るとき、「ああ、二度とこの人としゃべられへんねんな」と思ったと語り、「たくさんの思い出も感謝も要望も、先にいろいろ家族と話し合っておけば、僕みたいに、母親が亡くなっていくときに『こんなん聞いとけばよかった』という後悔の念もなくなるんかなと思います」と、人生会議が広まることに期待を寄せました。

 

同じく選考委員で映画『おくりびと』の脚本家で知られる小山薫堂さんは、「(人生会議の愛称が)いいなと思ったのは、決して終末期だけではなく、前向きな気持ちで使えるところ」とし、「人生会議という言葉が広まることで、高齢社会が豊かなものになると願っています」と話しました。

 

 

11月30日は「人生会議の日」に

ACPの認知度を示すグラフ。「よく知っている」とした看護師は19.9%

 

厚労省はACPを推進しようとしていますが、認知度の低さが課題です。

 

看護師をはじめ、意思決定支援に携わる医療・介護従事者の指針「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」も、ACPの考え方に基づいて2018年3月、約11年ぶりに見直しが行われました。

 

「そろそろ、うちも人生会議しよう」。

こんな会話が日常になる社会を目指して、厚労省は11月30日を「人生会議の日」と決めるなど、認知度の低いACPの普及を図っていくとしています。

 

看護roo!編集部 烏美紀子(@karasumikiko

 

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終末期の看護で一番悩む患者さんからの「死にたい」。対応のヒント6つ

 

(参考)

人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン・PDF(厚生労働省)

人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン解説編・PDF(厚生労働省)

平成29年度人生の最終段階における医療に関する意識調査結果・PDF(厚生労働省)

これからの治療・ケアに関する話し合い~アドバンス・ケア・プランニング~・PDF(厚生労働省)

 

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