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2018年11月24日

看護師とパワハラ~ナスさんの場合~|マンガ・ぴんとこなーす【178】

パワハラはあってはならないこと。だけど、現実に起こってしまっていること。ナスさんが経験したのは…

タイトル:看護師とパワハラ~ナスさんの場合~

パワハラという言葉をよく聞くようになりました。ナスさんが昔務めていた職場でもパワハラ(当時はいじめと読んでいた)にあった経験があります。そのころナスさんは、はじめての転職を経験し300床ほどの慢性期の病院で働いていました。

そこは古い病院で、スタッフステーションの中には、いわゆる「派閥」があり、ヤナハラさん、ヤマシタさん、ミカミさんという3人が一大勢力でした。

そんなことを知らなかったナスさんは、休憩で座った席が派閥の山下さんの特等席で、「そこあたしの席なんですけど」と詰め寄られ、早速地雷を踏んでいた。

おそらくそんなことで目をつけられてしまったナスさんは、派閥の一人、ミカミさんに患者さんのことを質問しても無視は当たり前でした。

大量にある経管栄養を先輩の分も作っておくと、「自分のところは自分で作るんで結構です。」と捨てられることもありました。それ以外にも細かなことは本当にたくさんあって、それでも頑張っていたある日…。ナスさんは病棟長に呼び止められました。

「この日に誤薬があったみたいでね…。」と問い詰められ、ナスさんは、「その日の受け持ちは、ヤナハラさんですよね?はんこもあるし」と答えると、病棟長は、「でもさ、こんなことする人、他にいる?」とまるでナスさんがミスをしたかのように言い放ちました。病棟長が自分を疑っているのだ、と衝撃を受けたナスさんは、全身の力が抜けていくのを感じながら、「はい…そうですね。」と引き下がりながらも、涙は出ませんでした。

仕事ができないのは事実かもしれないが、そうだとしても病棟長の言葉はナスさんの心を打ち砕くには十分で、「途中からやってきたよそ者は信用できない」と言われているように感じました。ナスさんはそんなときでも、食欲がなくなるようなことはなく、涙ながらにやけ食いを繰り返しました。そして、お腹が満たされると『我慢するのはやめた。理不尽だと思ったらちゃんと言おう』と決めるのでした。

翌日、あいかわらずナスさんの申し送りは無視されてしまいます。もはや反応は期待していないナスさんは「◯◯さんにはプルゼ使った方がいいと思います。」と送りました。少し経って、「◯◯さん排便ないんだけど。」と言う同僚に、「プルゼ使ってくださいって言いましたよね。」と言い返すと、同僚はニヤニヤしながら一言、「はぁー?聞いてないんですけどぉ?」と言いました。

見かねたナスさんは、「恥ずかしくないんですか?」と言ってしまいました。「私のことが気に入らないのはわかるけど、そういう姿は新しい人も見てます。それに、やっぱり危険ですよ。返事くらいはしてもらわないと…。」と言い返すと、スタッフステーションは一気にシーンと静まり返ってしまいました。

しかし、同僚は悪びれることもなく、「新しい人って、ナスさんのことですか?」とあげ足をとってきます。「てかぁ、ナスさんに信用がないのが問題じゃないんです?みんなそう言ってますよー。」とさらにつけあがっていきます。

黙って聞いていたナスさんですが、ついに堪忍袋の緒が切れ、大きな声で「みんなって誰だ!あんたらのやってることが正しいってんなら、一人ひとりの名前を言ってみやがれ!!」と言ってやりました。

「こんな下らない中学生以下のいじめみたいな…」とまくしたてていた最中に、「どうしたのー?大きな声だして」と止めに入ったのは、病棟長でした。結局このことは病棟長の「みんな仲よくやりましょ」の一言で何の解決になりませんでした。「みんな」は要するに派閥の人たちのことで、仲良くするために、ナスさんが精神的な負担を我慢しなければいけないのは許せませんでした。さらに上の総婦長に相談しても「山下さんたちは長いから…」と取り合ってくれません。

ナスさんは一人になったとき、『あぁやってしまった。明日からどんな顔で病院にこよう』とぼんやり考えていると、同僚のモトミヤくんが声をかけてきました。モトミヤくんは病棟唯一の男性看護師で、持ち前の調子の良さからヤマシタさんたちの使いっパソリされていました。ハタから見ていると頼りないひとだなぁと思われていました。

ナスさんが派閥に対して、啖呵を切ったことに感動したモトミヤくんは、「ナッさん、すげえな。俺、決めたよ。あいつらムカつくから、この缶入りポテチをいつか食ってやろうと思ってたんだ!」とヤナハラさんの缶入りポテチを開けて食べ始めたのです。その光景はは、あまりにバカバカしくて、でもその程度のことなんだと思えた瞬間でした。

それからというもの、変わらず無視はされています。でも返事をするまで、離れなかったり、変わらず経管栄養を作ってあげたりと、ナスさん自身、気にすることはなくなっていきました。

なぜなら、ナスさんは、自分が正しいと思うことを行動と言葉に出すように下からです。派閥トリオの態度は変わらなかったけど、周りの様子は少しずつ変わった気がしました。そんな頃、中途入社で新しい看護師さんがきました。関西方面からきたハヤシさんという方で、さっぱりとものを言うので、すごく気が合い、仕事についてもいろいろ経験を教えてもらいました。

ある日の日勤、寝たきり患者さんのベッドで、派閥トリオが「ハヤシさんって生意気じゃね?循環器から慢性期とか何しにきたのって感じ。ぜってぇつぶすー。」と悪口をいっていることに気が付きました。ナスさんは、静かに近寄って、「あの、聞こえてますよ。」とあえて会話に入っていきました。

「ハヤシさんほどのキャリアの方をつぶしてしまうのですか?」と一声かけると、隣にいたハナシさんは、しばらく黙ってトリオを見つめると

「あんたら最低やん。何しに病院来てんの?患者さんのベッドサイドは悪口いうとことちゃうで。後で個人的に聞くから、やる気ないならそこどきやー。」と関西弁でトリオに一蹴するのでした。ハヤシさんの正論は強烈で、トリオはなにも言えず、その場を去っていきました。

病棟の雰囲気が変わっていく中で、詳しいことは知らないけど、派閥のリーダー格のヤマシタさんが病院を辞めました。モトミヤくんはあいかわらず調子こきですが、やたら喜んでいました。病棟長はやたら機嫌をとってくるようになりました。

ナスさんは5年ほど務めてその病院を去りました。ハヤシさんも、結婚して辞めました。あのときから10年以上経つけれど、いまでも2人の親交は続いています。職場によっては変化を嫌う風潮もあり、自分たちこそ正義という顔で後から来たひとを排除することがあります。その正義が自覚なくパワハラとなることもあるが、それは当たり前にはなってはいけない。ナスさんは、この経験のおかげでたいていのことが笑い飛ばせるようになったが、変えられないひとは辞めて別の所働くのもひとつの選択肢です。

「逃げる」ことは負けじゃない。最終的に自分が楽しくやれていればそれが「勝ち」だと思う。そう思えば過去のどんな経験も決して悪くないと思えるのでした。もし今、そのトリオに会うことがあったら、感謝の意をこめて「おかげ様で毎日ハッピーに働けてまーす。ざまぁみろ!」と言ってやろうと思っているナスさんなのでした。

 

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【著者プロフィール】

ぷろぺら(@puropera44

現役で病棟看護師やってます
ぴんとこなーすをどうぞよろしくお願いします!

Twitter[https://twitter.com/puropera44

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コメント一覧(39)

19こーしー2018年11月24日 21時41分

さすが、面白いだけでなくて、こう、芯がおありになるから、
毎週、惹き付ける漫画を書かれるのだなぁ~~と、
あらためて感心、惚れ直しました♪

18ひまり2018年11月24日 20時05分

ナスさんをとても尊敬します。私は新卒で一部の先輩からパワハラを受けました。今はありませんが5年もいると上(先輩)が変わらないと何にも変わらないなとつくづく思う毎日です。

17✧٩(ˊωˋ*)و✧2018年11月24日 19時46分

投書あってお局飛ばされた(ฅ•ω•ฅ)♡

162018年11月24日 19時34分

この漫画をプリントアウトして病棟の申し送りノートに挟んでおきたい気持ち

15匿名2018年11月24日 19時05分

新卒から数年パワハラを受けてました。今でも夢にうなされます。モトミヤ君以外にも救われた人がいたはず。ナスさんありがとう。

14匿名2018年11月24日 17時28分

私の職場は、ここの体制危ないから変えようって新人さんが頑張ろうとしたけど、役職者が「試用期間はお互いにとっての試しの期間なんだし辞めればいいのに」と言ったり。変化を受け入れられないんでしょうね…

13デイちゃん2018年11月24日 15時28分

ナスさん、めちゃかっこいい!!!!!
もうめちゃ胸すっきりやわ。
ま、世の中いろんな理不尽あります。でもその理不尽を「おかしいやろ!」って言えなきゃ、世の中よくなりませんよね。

12たけ2018年11月24日 11時56分

正しいことを口に出して、実際に行動にうつす、そのようの環境ではとても勇気が要ることだと思います。ナスさんもハヤシさんも看護師として、人として尊敬します。胸が熱くなりました。ありがとうございます!

11あき2018年11月24日 11時33分

ほんと、なんなんだろうね。自分が正しいと思う人たち。うちの職場場も最悪。陰口。サボり、嫌な仕事は、下にまわす。勝手に部屋持ちかえる。私もやめて、新しい職場にいくわ。

10みすず2018年11月24日 11時30分

そこまで酷い目にあった事はないけど、大概は知らん顔して本当にナスさんと同じです🤣私の場合、土下座して謝られたけど、気にしてませんでしたからと言ってやりました。

9ねね2018年11月24日 11時21分

この話、師長や上層部が最悪。
長く居るものが正義な職場は視界が狭くてダメだ。

ナスさんは耐えたんですね。
わたしなら辞めちゃうなぁ。

8匿名2018年11月24日 11時19分

皆さんお互いお疲れさまです。

7匿名2018年11月24日 10時30分

「途中からやってきたよそ者は信用できない」その考えが信用できない。

6しかぞう2018年11月24日 09時13分

うちは今の職場も長い人ばかりでみんながそれぞれ陰で陰口叩いていて、見ているだけで疲れます。きっと自分も言われてるんだろうなあ。と思いつつも自分はここに染まらないように時期を見て逃げよーと思ってます。

5匿名2018年11月24日 09時05分

経管の件とかコストの無駄だし、患者さんのベッドサイドで悪口とか、病院側にも患者さん側にも最悪!ナスさんが正しいと思って行動したこと、きっと巡り巡ってこの病院や患者さんの為にもなったと思います。

4れべっか2018年11月24日 08時44分

ナスさん強いなあ…。

3もっちり2018年11月24日 08時20分

辛かっただろうに…。こんな想い、みんなしなくてすめばいいなぁ

2匿名希望2018年11月24日 07時36分

ま、看護師だけじゃなくて受付のおばちゃんにもあります。しょっちゅう女は面倒くさいとぼやく女←
よく6年働いたなと今更思いますwww今の仕事場は直接医療機関ではないけど、男女半々なんで気楽です

1匿名で。2018年11月24日 06時12分

なんか凄く涙が出そうでした。
正しい事を言えるってスゴイです。
そういう看護師でありたいと思います。
ナスさんて、面白いだけじゃないんですね。
ありがとうございました。

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