【2022】看護学校の入学生、初めて「看護大学」が最多


厚生労働省によると、2022年度の看護学校の入学生は6万2876人。前年度より978人減少しました。

 

学校種別でみると、「大学」が2万6517人と最多を更新。若干ですが、初めて「3年課程の専門学校等」を上回りました。

 

厚労省のデータをもとに、最新の看護学生の傾向をまとめました。

 

データ出典:厚生労働省「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査(平成25年度~令和4年度)」

 

 

入学生が4年連続で減少するも、大学のみ増加

直近10年の看護師の入学生数の推移を見てみましょう。

 


2010年度以降、毎年、看護学校の入学生は6万人を超えており、2018年度までは増加傾向が続いていました。

 

しかし、少子化の影響もあり、2019年度に減少に転じてからは、4年連続で減っています

 

そのような中、大学の入学生だけは増え続けています。

 

 

看護学科のある大学、300校超え

大学の入学生が増え続けている背景には、看護学科の新設ラッシュがあります。

 

 

2013年度は218校だった看護学科のある大学は、2022年度には303校まで増加しています。

 

不況に強い国家資格を取得できる看護学科は受験生から人気が高く、少子化の中で生き残りたい大学側の意向ともマッチしているため、当面、こうした状況は続くとみられます。

 

 

卒業生の就業先、傾向は変わらず

看護学校の卒業生の動きも見てみましょう。

 

 

2022年3月の卒業生は5万9074人。前年度より485人減少しました。

 

そのうち、看護師として就業する看護師は9割弱で、就業先は例年と変わらずほとんどが病院です。

 

新卒から訪問看護ステーションに就職するなど、新しい動きも出てきていますが、まだまだ病院に就職するのがスタンダードとなっているようです。

 

 

「今いる看護師」の定着対策がより重要に

2022年度版の厚生労働白書によると、2019年現在、就業している看護師などの看護職員は168万3295人。

 

国の推計によると、団塊の世代が75歳以上となり医療ニーズがピークを迎える2025年には、188~202万人必要とされており、まだまだ不足しています(関連記事)。

 

これまで国は看護師の養成に力を入れてきましたが、少子化の影響は避けられず、「新しい看護師」を増やす対策は、これ以上のスピードアップは望めないかもしれません。

 

そうなると、重要になってくるのが「今いる看護師」の定着対策です。

 

看護師の働きやすい労働環境の整備、潜在看護師が復帰しやすい支援など、貴重な人材が「看護師として働き続けたい」と思える取り組みが求められます。


 

 

看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo

 

※この記事は2022年11月10日、最新データに基づき更新しました(前回更新:2020年11月19日、前々回更新:2019年11月14日、初出:2018年12月27日)

 

 

(参考)

看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査(厚生労働省)

令和4年版 厚生労働白書(厚生労働省)

医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 中間とりまとめ(厚生労働省)

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