1. 看護roo!>
  2. ステキナース研究所>
  3. 点滴ルートの固定方法>
  4. 点滴ルート固定「どうしても落ちないとき」のガーゼの使用や刺入の工夫

2018年06月13日

点滴ルート固定「どうしても落ちないとき」のガーゼの使用や刺入の工夫

この連載では、点滴ルートの固定方法について多様なバリエーションとコツをご紹介します。

 

どれが正解? 点滴ルートの固定方法 

Vol.3 「どうしても落ちないとき」のガーゼの使用や刺入の工夫

タイトル:点滴ルートの固定方法|成人の手背に固定する場合

〔執筆〕 白石弓夏 看護師

〔監修〕 中谷佳子

川崎市立多摩病院(指定管理者 聖マリアンナ医科大学)

医療安全管理室 感染管理認定看護師

〔イラスト〕 かげ 看護師

 

 

 

点滴ルート固定で外せないポイント

今回の記事では「どうしても落ちないときのちょっとしたコツ」をお伝えしますが、その前にまずは点滴ルート固定において最低限必要な条件をおさえておきましょう。

 

  • 針とラインがしっかり固定される
  • ラインが閉塞しない
  • 刺入部の観察ができる

 

基本の方法や、それぞれのメリット・デメリットについては、連載第1回第2回も併せてご確認ください。

 

 

ガーゼの工夫【1】点滴がどうしても落ちないときに

点滴の針先が血管壁に当たっている、針が血管から抜けかかっているなどの理由で、点滴が落ちにくい場合、留置針の固定位置をガーゼで微調整する方法があります。

留置針を固定する際、皮膚が厚い人にはガーゼ2枚折りに固定し、皮膚が薄い人・手背などは、ガーゼ1枚で固定しているところを表すイラスト

皮膚が厚い人の場合、刺入部に角度をつけると血管により届きやすくなります。

ガーゼを二つ折りにするといいでしょう。

 

反対に、皮膚がうすい人の場合では、針の角度が大きすぎると、血管が破れる可能性があります。

その場合には、2枚重ねになっているガーゼを半分にめくって1枚にして使用するといいでしょう。

 

しかし、ガーゼを挟むことで逆に固定が不安定になったり、血管外漏出になるデメリットもあります。

 

本来ならばガーゼを使用しなくても良好に滴下することが原則です。

ガーゼを使う方法は「“どうしても落ちない”ときの一つの方法」として、取り入れてみてください。

まずは、どうして滴下しないのか、その原因を探求することが大切です。

 

 

ガーゼの工夫【2】ドレッシング材を使えないときの緩衝材に

皮膚が弱い場合などに使用するガーゼクッションの説明と、刺入部のイラスト

 

皮膚が弱い患者さん(高齢者など)の場合、接続部(刺入部の針と点滴ルートの接続部)が皮膚に長時間当たると圧迫による皮膚トラブル(褥瘡など)のリスクが高まります。

 

最近では、褥瘡予防のためのドレッシング材が別途準備されている病院・施設も増えてきていますが、コストの問題などで使用できるドレッシング材がない場合、ガーゼを代わりに挟む方法もあります。

 

なかでも、手背のように骨が出っ張っている部位では、接続部が骨に当たりやすいため、ガーゼがクッションの役割を果たします。(手背に固定する場合の基本はこちらをご参照ください「点滴ルートの固定方法|成人の手背に固定する場合」)

 

 

◆接続部がロックコネクターの場合は、さらに注意

刺入部の針と点滴ルートの接続部についてロックありとなしの形状の違いを説明したイラスト

 

刺入部の針と点滴ルートの接続部がロックコネクター(ネジのようにまわしてつけるタイプ)の場合、さらに注意が必要です。

 

ロックコネクターありのタイプは、特に接続部の凹凸が大きく、ゴツゴツしています。

このタイプは、接続部をネジのようにまわして締めるので、すぐには抜けず、接続部に圧がかかっても漏れにくいことが特徴です。検査や手術中、薬剤のワンショットを行う場合に、よく用いられるコネクターです。

 

この場合も、ドレッシング材などが使用できない場合の代替方法として、ガーゼを挟む方法があります。

 

しかしこれはあくまでも一時的な処置です。

ガーゼが当たった部分に汗がたまり、かゆくなる場合もあります。

皮膚の観察は、ガーゼの使用の有無にかかわらず入念に行うことが大切です。

 

 

【刺入の工夫】針を抜き気味に

針を抜き気味に固定するときのポイントを説明しているイラスト

 

蛇行している血管が多い患者さんでは、針を全部挿入すると血管壁に当たってしまい、滴下しなくなってしまうことがあります。

 

本来、このような場所には刺入しないのが原則。

「でも、どうしても」刺入しなければならないとき、ちょっと針を引き気味に固定すると、点滴が落ちるという場合もあります。

 

まずは安全に、確実に挿入して固定することが大前提ではありますが、なかなか血管がみつからない場合には、こうした1mm単位の微調整をしてみるのも一つの手です。

 


点滴ルートの固定には、何通りもの方法があります。

今回紹介した内容は、本来の挿入や固定方法ではできない場合のちょっとした工夫です。

それぞれのメリット・デメリット・禁忌を理解し、適切な方法を選択していきましょう。

 

次回は、血管内留置ガイドラインの内容を詳しくご紹介します。

 

★あなたの施設のやり方を募集★

今回の記事を読んで、あなたはどう思われましたか?

ご感想や意見・質問のほか、「私はこうやってる!」「こんなふうにしているけど、これはOK?」「こういう工夫でもっとよくなりますよ!」など「あなたの施設のやり方」をコメント欄へどしどしお寄せください。

 


【イラスト:かげ】Twitter

総合病院で働き、絵を描く看護師です。医療の勉強に役立つ(てほしい)絵や仕事でのほっこり話などをTwitterでつぶやいています。

この連載

  • 【4】血管内留置カテーテルのガイドラインをわかりやすく解説! [07/19up]

    この連載では、点滴ルートの固定方法について多様なバリエーションとコツをご紹介します。 今回は、その中でも末梢静脈カテーテル固定について、ガイドラインの内容を解説です。   どれが正解? 点滴ルートの固定方法 ... [ 記事を読む ]

  • 【3】点滴ルート固定「どうしても落ちないとき」のガーゼの使用や刺入の工夫 [06/13up]

    この連載では、点滴ルートの固定方法について多様なバリエーションとコツをご紹介します。   どれが正解? 点滴ルートの固定方法  Vol.3 「どうしても落ちないとき」のガーゼの使用や刺入の工夫 〔執筆...

  • 【2】成人の手背に固定する場合|点滴ルートの固定方法 [09/28up]

    この連載では、点滴ルートの固定方法の多様なバリエーションと、それぞれの方法がOKなのかNGなのかをご紹介します。   どれが正解? 点滴ルートの固定方法 【2】 点滴ルートの固定方法|成人の手背に固定する場合 ... [ 記事を読む ]

  • 【1】成人の前腕に固定する場合|点滴ルートの固定方法 [07/18up]

    看護師として病院などで働いていると、それぞれの場所で“独自のルール”ってありますよね。 「点滴ルートの固定方法」についても、施設によって違いがあるようです。   この連載では、点滴ルートの固定方法の多様なバリエーシ... [ 記事を読む ]

  • どれが正解? 点滴ルートの固定方法【全記事まとめ】 [08/21up]

    Vol.1 成人の前腕に固定する場合   Vol.2 成人の手背に固定する場合   Vol.3 「どうしても落ちないとき」のガーゼの使用や刺入の工夫   Vol.4 血管内留置カテーテルの... [ 記事を読む ]

もっと見る

コメントを投稿する

コメント入力
(100文字以内)
ニックネーム
(12文字以内)

コメント一覧(0)

関連記事

いちおし記事

看護師5年目の「辞めたい」

5年目ナース、ムラちゃんが悩んでいることは… [ 記事を読む ]

院内感染対策

感染対策のキホンをおさらい。 [ 記事を読む ]

看護師みんなのアンケート

自分ががんになったら…補完代替療法、行いたい?

投票数:
948
実施期間:
2018年10月02日 2018年10月23日

「看護師辞めたい」と「看護師やっててよかった!」どっちを思うことが多い?

投票数:
926
実施期間:
2018年10月05日 2018年10月26日

業務時間内に仕事が終わったけど周りはまだ仕事中…そんな時どうする?

投票数:
879
実施期間:
2018年10月09日 2018年10月30日

細かすぎて伝わらない喜び選手権!

投票数:
675
実施期間:
2018年10月16日 2018年11月06日

つばを吐きかけた患者に平手し減給処分。同じ看護師としてどう思う?

投票数:
674
実施期間:
2018年10月17日 2018年11月07日

看護実習、ブラックだった?

投票数:
684
実施期間:
2018年10月18日 2018年11月08日

ナース服を洗濯する頻度は?

投票数:
646
実施期間:
2018年10月19日 2018年11月09日

わたしを騙した最低男選手権!

投票数:
194
実施期間:
2018年10月23日 2018年11月13日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者1909

「スポルディングの分類」についての説明で、正しいものは以下のうちどれでしょうか?

  • 1.軟性内視鏡はクリティカル器材のため、滅菌を行う。
  • 2.手術用器械はセミクリティカル器材のため、高水準消毒を行う。
  • 3.便器はノンクリティカル器材のため、低水準消毒を行う。
  • 4.ネブライザーはノンクリティカル器材のため、高水準消毒を行う。
今日のクイズに挑戦!