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2018年02月21日

褥瘡対策が強化される!スキンテアに要注目|ナースのための2018診療報酬・介護報酬改定【2】

看護師の皆さんが知っておきたい、「入院患者の褥瘡(じょくそう)対策が強化される!」という診療報酬改定の話題です。

 

入院患者の褥瘡対策 2018改定の変更点

1)褥瘡のリスク評価に
スキンテア(皮膚裂傷)」と
医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)」の視点が加わる

2)急性期の褥瘡対策は、アウトカム評価の基準が緩和される

3)療養病床にもアウトカム評価を導入する

 

「スキンテア」入院時にリスク評価を

スキンテアとは、「摩擦やずれによって皮膚が裂けて生じる真皮深層までの損傷」のこと。

 

2018年4月からの診療報酬改定で、このスキンテア対策が強化されます。

日常生活自立度の低い患者に対して入院時に実施しているリスク評価の項目に、スキンテアが組み込まれることになりました。

 

入院時に実施する「褥瘡対策に関する診療計画書」リスク評価の項目に「スキンテア」が追加される説明図

 

日本創傷・オストミー・失禁管理学会の調査によると、病院などに入院している患者のスキンテア有病率は1%を切っています。まさに現場の努力の賜物と言える数字ですが、これをさらに推進しようという今回の見直し。スキンテアは、

 

「医療用テープを剥がすとき」

「転倒した・ベッド柵にぶつけたとき」

「移動介助や清拭のとき」

 

など、病院内のごく日常的なシーンで発生するので、最初の段階でリスクのある患者をしっかり抽出して、徹底的に防いでいこうというわけですね。多くの看護師の業務に直結するだけに、スキンテアはぜひ押さえておきたいポイントです。

 

スキンテアに関するデータ表、一般病院の有病率0.77%、「テープ剥離時」などに発生することが多い

出典:ベストプラクティス スキン-テア(皮膚裂傷)予防と管理・PDF(日本創傷・オストミー・失禁管理学会)

 

 

「医療関連機器の長期使用」もハイリスク患者に

医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)はその名の通り、「医療関連機器による圧迫で生じる創傷」のこと。広い意味で褥瘡に含まれています。

 

弾性ストッキングやギプス、NPPVフェイスマスク、気管内チューブなどが原因になることが多いようです(関連記事)。

 

2018年度の診療報酬改定で、このMDRPUが関係するのは「褥瘡ハイリスク患者ケア加算」です。

この加算は、「褥瘡の予防・管理が難しい急性期の患者」に手厚い対策を行う病院が算定できるもの。褥瘡管理者として専従の看護師が配置されていることも条件になっています。

 

この加算の対象患者に、「皮膚に密着させる医療関連機器を長期間、持続的に使用する必要がある患者」=MDRPUが生じやすい患者が加わることになりました。

 

日本褥瘡学会の調査によると、入院患者(一般病院)の褥瘡のうち2割ほどをMDRPUが占めますが、そのほとんどが入院中にできたものでした。今回の見直しで、入院中のMDRPUの予防・ケアを充実させることが期待されています。

 

 

「褥瘡対策に熱心な急性期病院」が増えるかも?

2つ目のポイントは、急性期病院の褥瘡対策のアウトカム評価の見直しです。

 

ADL維持向上等体制加算の褥瘡アウトカム評価の変更点に関する説明イラスト

 

「入院患者のADL(日常生活動作)が低下しないように、リハビリ体制を充実させてますよ!」という急性期病床(7対1病棟、10対1病棟、特定機能病院など)は、「ADL維持向上等体制加算」という加算がもらえます。

 

現在、この加算を算定するには、リハビリスタッフを手厚く配置するだけでなく、「入院中に新たに褥瘡ができてしまった入院患者を1.5%未満に抑える」というアウトカム(結果)をきっちり出すことも必要です。

 

ところが、対象の病棟が1病棟しかない場合、「1.5%未満」はとても高いハードルでした。病棟の入院患者が60人以下だと、1人に褥瘡ができただけでも基準を満たさなくなるからです。

 

そこで2018改定で、この基準を「2.5%未満」「80人以下の病棟は2人以下」に緩和することになりました。

 

ADL維持向上等体制加算を算定している急性期病院は、まだまだ一握りですが、増加傾向にあります。国としては今回、ハードルをやや下げたことで「この加算、うちも算定しよう!」と思う急性期病院を増やしたい、ひいては入院期間の短縮につなげたいという考えです。リハビリにも力を入れているような急性期病院では、これまで以上に褥瘡対策にも熱心に取り組まれるかもしれません。

 

 

療養病床も「結果」で評価、看護師の業務負担が増える…?

一方、療養病床の褥瘡対策をめぐっては、少し趣が異なります。これまでなかったアウトカム評価が導入されることになりました。

 

療養病床に入院する患者のうち、特に褥瘡ができやすい自立度の低い患者(ADL区分3)は、ほとんどの場合、「褥瘡評価実施加算」が算定されています。褥瘡の状態などを確認・記録することで得られる加算ですね。

 

これが2018改定では、「褥瘡対策加算」に名称が変わり、褥瘡の状態が改善したか悪化したかによって2段階評価されることになりました(褥瘡の状態は評価ツール「DESIGN-R®」の合計点で評価)。

 

療養病床に導入される褥瘡のアウトカム評価の説明図

 

このアウトカム評価が導入されたのは、「療養病床の褥瘡対策は、医療機関によって効果に差がある」と問題視されたためです。改定をめぐる議論の中で、入院中の新規発生をほぼゼロにできている病院が3割近くある一方で、残念ながら予防しきれていない病院も少なくないというデータが示されたのです。

 

今回の見直しは、「ちゃんと褥瘡を予防・ケアできているところは変わらず評価するけど、褥瘡対策の結果が出ていないところは、報酬を減らしていきますよ」というシビアなメッセージと言えます。また、これによって「結果を国に報告するための評価・記録の業務負担が増える」という、看護師にとってツラい状況も待ち受けていそうです。

 

 

褥瘡対策はますます重要に、看護師に求められるスキル

2018年度の診療報酬改定からは、「入院中の新たな褥瘡は、とにかく防ぐのだ!」という方針が読み取れるでしょう。

 

褥瘡の予防・ケアは、患者のQOLの観点からも、医療費の増大を防ぐ観点からも重要視されています。

 

高齢の患者が増えていく中、褥瘡対策への「テコ入れ」は今後も続くと考えられます。「対策をしている」だけではなく、「結果を出している」ことが求められる傾向も変わらないでしょう。看護師にとって、結果の伴う褥瘡予防・ケアスキルがより大切になりそうです。

 

【烏美紀子(看護roo!編集部)】

 

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褥瘡(じょくそう)の創面評価のポイント|DESIGN-R®の活用

 

(参考)

ベストプラクティス スキン-テア(皮膚裂傷)予防と管理・PDF(日本創傷・オストミー・失禁管理学会)

ベスト・プラクティス 医療関連機器圧迫創傷の予防と管理・PDF(日本褥瘡学会)

中央社会保険医療協議会総会(第376回)入院医療(その8)・PDF(厚生労働省)

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コメント一覧(1)

1ボコスカ2018年03月13日 09時47分

療養病床での褥瘡対策加算1・2はADL区分3の患者であって、褥瘡を有する患者に対してのみ算定可能なのでしょうか?褥瘡を発生させていないADL区分3の患者に対しては算定不可なのでしょうか?

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「スポルディングの分類」についての説明で、正しいものは以下のうちどれでしょうか?

  • 1.軟性内視鏡はクリティカル器材のため、滅菌を行う。
  • 2.手術用器械はセミクリティカル器材のため、高水準消毒を行う。
  • 3.便器はノンクリティカル器材のため、低水準消毒を行う。
  • 4.ネブライザーはノンクリティカル器材のため、高水準消毒を行う。
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