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2018年05月18日

退院支援が事例でわかる【2】|退院前カンファレンスの手配とご家族への最終確認

退院支援について、退院調整看護師が経験した事例を基に具体的に解説します。

(前回のお話はこちら

【ライター:岩本まこ(看護師)】

 

退院支援だいありー

Vol.2 退院前カンファレンスの手配とご家族への最終確認

タイトル:「退院支援だいありー」。

 

患者さん・ご家族の希望を受けて

60代の女性、永井さんは自宅に帰りたいと入院当初から希望していました(詳細は第1回「急激に体調が悪化した永井さんへの支援」)。

 

しかし、体調は急激に悪化。

予後は数日単位と予想されるも、7月の3連休は目前。

ご自宅で過ごす時間をつくれるのか…確かに難しい状況でした。

 

でも、患者さんとご家族の意向は何より大切なものです。

それを叶える手助けをすることが、退院調整看護師である私の仕事なのです。

 

 

永井さんの在宅療養のために整えた準備

前回の記事でお伝えしたように、3連休目前の金曜日、退院前カンファレンスには、総勢13名が集まってくれました。

その方々への連絡、手配は退院調整看護師の仕事です。

 

退院前カンファレンスに関わる人達のイラスト

 

人的リソースのほかに、福祉用具の手配も行いました。

【永井さんの在宅療養のために整えた準備】

24時間対応の訪問看護

24時間対応の訪問診療

訪問介護

在宅訪問薬局

福祉用具(介護用の電動ベッド、体圧分散マットレス、在宅酸素療法の機器)

要介護認定の結果を待たずに新規で担当してもらえるケアマネージャー

 

このときは約1日でこれらの準備を整える必要があり、急を要していました。

そのような状況下でもみなさんのご協力で3連休前の金曜日にカンファレンスを開催することができて、ホッとしていました。

 

 

息子さんとの最終確認

退院前カンファレンスのあと、キーパーソンである息子さんと2人でお話をする機会をつくりました。

お話すること自体が、ケアになるようにも配慮して会話していきました。

 

「カンファレンスでは、医師の話を聞いてびっくりされましたよね。当院にいらしたときは、お母様ともお話もできていたので…」

 

「はい。正直自分も動揺していますが、父はもっと動揺しています。自分がしっかりしないと、と思っています」

 

「おうちに帰るという決意をうかがいましたので、少し厳しい話をさせていただきますが、よろしいでしょうか」

 

「はい、覚悟しています」

 

「先生からもお話があったように、いつ何があってもおかしくない状態です。今は病院にいますので、何かあれば私たち看護師や医師が対応できますが、自宅にはご家族しかいません。

 

今後は、訪問診療や訪問看護でもケアしていきます。

何かあったときは救急車を呼ぶのではなく、まず訪問看護師に連絡をしてどうしたらいいのか教えてもらうことになります。

 

でも、電話をしてもすぐに対応できないこともあります。電話だけの対応になる場合や訪問するのが2時間、3時間先になることもあります。

 

いずれ、もし万が一呼吸が止まりそうなご様子のときには、訪問看護師に連絡のうえ、ご家族で最期の時間を大切に過ごしてください」

 

「わかりました。まずは訪問看護師さんに連絡します」

 

「この件についてお父様には、息子さんからタイミングを見て伝えていただけますか?先ほどのお父様の様子を思うと、私からよりも息子さんからの方が落ち着いて聞いていただけると思います」

 

「私もそう思います。様子を見て伝えます」

 

 

必要な医療、介護サービスについての説明

続いて、自宅で看取るために必要な医療、介護サービスについての説明も行いました。

 

「自宅には、退院前に電動ベッドと在宅酸素療法の機器が設置されます。電動ベッドはケアマネージャーに依頼して、福祉用具として介護保険でレンタルします。酸素は医療保険で介入します。

 

他にも訪問介護士がおむつ交換や身体拭きなどをしてくれますが、これも介護保険を使用します。訪問診療と訪問看護は医療保険で入ります。

先ほどの退院前カンファレンスに集まってくださった方々が、随時ご自宅に訪問しますので、退院後にわからないことや不安があれば、誰でもいいので相談してみてください」

 

「わかりました。ベッドや在宅酸素療法の機器などの必要なものは、岩本さんが手配してくれるんですか?」

 

「私のほうで連絡させていただきます。事業所などが決まったら、ベッドや酸素の機械を搬入する日程調整のために業者から連絡が入ると思いますので、連絡先をお伝えしてもよろしいですか?」

 

「はい、何から何まですみません。よろしくおねがいします」

 

***

こうして、自宅へ帰る準備は整っていったのですが、ご家族はもうひとつ、大きな不安を抱えていたのでした…。

(次回へつづく)

 

(編集部注)

本事例を公開するにあたり、プライバシー保護に配慮し、個人が特定されないように記載しています。

 

【文】岩本 まこ

社会人経験を経て看護師になった30代。

総合病院での勤務を経て、現在は市中病院にてより良い退院支援について日々勉強中の退院調整看護師。

【イラスト】いまがわゆい


心がほっこりするイラスト・イラストエッセイ・マンガを描いています。

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80歳女性Aさんは、入院前は一人暮らしをしており、活動的な性格でした。身体疾患の治療が終わり、退院の調整に入ったころから「何もしたくない」と言い始め、一日を通して臥床している時間が長く、食事と排泄以外は自発的な行動が見られない状況でした。次の選択肢のうち、Aさんへの対応として適切でないものはどれでしょうか?

  • 1.身体的苦痛がないか、全身状態を観察する。
  • 2.退院後の生活について話を聞いてみる。
  • 3.うつ病を疑い、GDSにて評価する。
  • 4.「気分転換に散歩しましょう」と離床を促す。
今日のクイズに挑戦!