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2018年01月04日
【日経メディカルAナーシング Pick up!】
加藤 勇治=日経メディカル
最近、癌治療のための「遺伝子パネル検査」について記事をまとめました。
進行癌と診断された患者さんの治療方針を決めるに当たり、その癌がどんな特徴を持つのかを、何百もの遺伝子を一度に解析して治療選択の参考にしようというものです。
現在、癌の治療法の選択は、画像検査などにより癌の原発巣を同定し、生検により明らかになった組織型に基づいて行われています。
しかし今後は、あくまで進行癌の薬物治療選択時ではありますが、何百もの遺伝子を同時に調べ、体内で起こっている異常を知り、その異常に最適な治療を選択していくようになると期待されています。
そんな矢先に、癌の増殖に関わる324遺伝子をリスト化して一気に解析する診断法が、米食品医薬品局(FDA)の承認を得ました。特定の癌ではなく全ての癌を対象に、癌細胞のゲノムにある遺伝子異常を一度に検査して最適な治療を選ぶために役立てる、規制当局に初めて承認された診断法になりました。
ところが、この遺伝子パネル検査の結果を参考に選択できる治療法の数は、実は今のところ17しかないそうです。
癌の増殖に関わる324もの遺伝子を、日本円にして何十万円もかけて解析しているのだから、もっとたくさんの選択肢の中から最適なものを示してほしいと思うわけですが、実際にはそもそも利用可能な抗癌剤の数が少ないということなのでしょう。
それぞれの患者の癌が適応症に含まれている薬剤に絞ると、実際にはもっと選択肢が少なくなります。
仮に5つ程度の選択肢しか選べないのならば、わざわざ324もの遺伝子を一気に調べなくても、従来のコンパニオン診断薬を5つ行う方が効率は良いはず。例えば肺癌であれば、EGFR、ALK、ROS1、PD-L1の4つを調べれば、今ある分子標的薬の選択は可能です。
なのになぜ、300以上の遺伝子を一気に調べる遺伝子パネル検査が承認に至ったのか。それには幾つもの狙いがあるようです。
癌組織にある癌細胞のゲノムを解析する行為には、病理医が検体をしっかり管理し、解析結果を最新の知見に照らし合わせて臨床医が分かりやすい形でのリポートにまとめる情報処理能力、治験への登録も含めて最新の癌治療を提供できる体制などが、施設要件として必須とされています。
どんな施設でも同じ結果が出るようにされている従来の診断キットとは異なり、遺伝子パネル検査は実施できる施設が非常に限られることになるようです。
しかし、遺伝子パネル検査に対しては、自らの癌に最適な治療を選んでほしいという患者の期待や、最適な治療法を選んで提供したいという医師の期待は高いのが実情です。
すると今までのように数多くの施設に分散されていた患者(の検体とその解析結果)が限られた施設に集まり、結果として数多くの癌患者の遺伝子異常、経過中の臨床検査結果、予後の情報がデータベースとしてどんどん集積していくことになります。
癌の増殖に関わる遺伝子の異常がどんな組み合わせだった場合、その薬剤はどの程度の効果を発揮するか、といった情報が分かれば、より高い効果が得られ、より副作用が少ない患者を絞り込むことができますし、複数の薬剤をどう組み合わせたらより効果が高くなるかといった情報がどんどん集まっていくのです。
どんな遺伝子異常を持った患者がどこにいるという情報にもなりますので、臨床試験の患者登録を効率化できることもメリットでしょう。
実際、日本でも国立がん研究センター東病院が中心になって行っているプロジェクトで、既に7000例を超える患者のゲノム情報や検査、予後に関する情報が蓄積し始めています。
最近、1日当たりの薬価が2万5000円を超える抗癌剤は当たり前になってきました。年間にすると1剤の薬剤費は1000万円近くになります。1剤の効果が上がっているので抗癌剤であっても年間で考える必要が出てきました。
そしてこうした高い薬価が必要な背景には、臨床試験に参加してもらう患者を探すのに手間がかかり過ぎて開発コストが上がってしまうことがあるようです。
効く可能性が高い患者だけを対象に臨床試験ができれば開発成功率が上がり、開発コストも下がって薬価を抑えられるかもしれません。
今はまだほんの少しの選択肢を提案するための「お高い検査」ですが、その先に待っている未来を考えると、先行投資としてはお安いものなのかもしれないと感じています。
<掲載元>
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