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2017年09月23日

「電子たばこ=無害」ではない!急増中の電子たばこ喫煙者の健康障害に懸念の声

最近日本では、禁煙外来をはじめ、禁煙を推奨する活動がさまざま取り組まれています。世界を見てみると、最近イギリスの国内では、電子たばこの利用者の半数以上が紙巻たばこによる喫煙をあきらめたとの調査報告がありました。

 

ところが、この結果の裏にはある問題が潜んでいました。今回は、この調査の数字に隠れた健康の問題について、BBCニュース2017年5月の報道内容からご紹介します。

 

 

イギリスの喫煙状況の推移

イギリス国内の電子たばこ使用者は、2012年の調査では約70万人でしたが、現在は290万人に上るといわれています。さらに、電子たばこの使用者数がこのように増加しても、約900万人が今もなお紙巻たばこを喫煙しているそうです。WHOに報告されたHSCIC(Health & Social Care Information Centre)による喫煙率の調査(2016年5月報告分)では、イギリス国内の成人の喫煙率は19%であり、ピークであった1974年の46%と比べ、明らかに減少していると報告しています。

 

近年イギリスでは、電子たばこでの喫煙に移行する人が増加していますが、紙巻きたばこの元喫煙者によると、その最大の理由は「禁煙」にあるそうです。

 

しかし、医療職者の立場からすると、この理由に疑問を感じる人は多いはずです。要するに、イギリスにおける電子たばこは「紙巻たばこよりも健康障害が少ない」という科学的根拠の乏しい内容だけが先に広まり、「電子たばこ=無害」と誤解している人が多いということです。

 

また、紙巻たばこは確実に有害であるため禁煙をしたいが「急激なストレスになることは避けたい」「禁煙を楽に進めたい」という思いが根強いことも関連しているようです。電子たばこの場合は、たばこの煙に含まれるニコチン含有量を自分で微調整することが可能です。そのため「たばこを吸う感覚を味わいながらも、ニコチン依存の状態から離脱できる=禁煙できる」というイメージがあるようです。

 

イギリスの喫煙者数は本当に減少したのか?

今回の調査から、現在電子たばこを使用している人の半数は紙巻たばこの元喫煙者だということが明らかとなったそうです。そのため、喫煙者数が低下しているような調査結果であっても、実際には「紙巻たばこの喫煙者が電子たばこに移行した」だけなので注意が必要です。健康慈善団体の最高責任者であるデボラ・アーノット氏は、イギリス国内の電子たばこの使用者数は頭打ちの値に到達したと推測しています。

 

喫煙者の総数を減少させるために必要なこと

イギリスでは、電子たばこの、そのスタイリッシュなデザイン性と多種多様な種類のリキッドで自分好みに使用量を調整できる利便性から、紙巻たばこよりも「体に良さそう」「健康障害が少ないはず」という勝手なイメージを持つ人が多く、大きな社会問題となっています。日本の厚生労働省の調査によると、電子たばこは紙巻たばこに比べ、銘柄、商品ごとに有害物質の発生量が異なることが指摘されているのですが、例えばホルムアルデヒドでは、紙巻きたばこと比較して10倍以上もの量が発生したとの報告がありました。

 

このように、電子たばこについての研究はまだ歴史が浅く不十分であるため、電子たばこを楽観視することは危険であるといわれています。

 

電子たばこに移行するだけで満足するのではなく、完全に禁煙することが重要であると多くの専門家が指摘しています。そして調査によると、禁煙を成功させるために最も必要なことは、禁煙希望者に対する十分なサポート体制であることが明らかになっているそうです。

 

日本でも、電子たばこについて誤った知識をもつ人は多いのが現状です。電子たばこに移行しただけで満足してはいけないこと、電子たばこにも健康障害を引き起こす有害物質が含まれていることなど、正しい知識を浸透させていかなければなりません。

 

(文):A.Brunner

(参考):

More than half of UK vapers 'have given up smoking'|BBC

2015年5月21日第6回たばこの健康影響評価専門委員会(議事録)|厚生労働省

Statistic on Smoking England,2016(PDF)|HSCIC

 

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コメント一覧(1)

1匿名2017年09月24日 20時20分

私はタバコは吸いませんが、電子タバコは同じく無害と思いこんでいました。なので驚きです

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