1. 看護roo!>
  2. ステキナース研究所>
  3. もっともっとやれるナースの力>
  4. エンバーミングは故人と遺族をケアする技術|マンガ・もっともっとやれるナースの力

2017年09月21日

エンバーミングは故人と遺族をケアする技術|マンガ・もっともっとやれるナースの力

エンバーミングは「遺体衛生保全」という意味。

知っておきたい専門技術をマンガでわかりやすくレポートします。

もっともっとやれるナースの力。看護の視点が活きるエンバーミング

医療の道に携わるものが避けては通れない、患者さん最後の瞬間。心を尽くして最期のケアをしても院内でできることは限られます。

後悔や悩み、葛藤を感じたことのあるナースもいるでしょう。

今回は、そんな思いを抱いた一人のナースが『エンバーマー』として活躍しているお話です。

お話してくれるのは、元ナースの赤澤美里(あかざわみさと)さん。現在は葬儀社にお努めのエンバーマーであり、一級葬儀ディレクターです。

そもそも『エンバーマー』とは、亡くなられた方が元気なころに近いお姿でご遺族とお別れ出来るようにケアをするお仕事。エンバーミング=遺体衛生保全であり、その技術を持つのがエンバーマーです。

エンバーマーは、長い闘病生活や、様々な理由で変貌してしまったご遺体の姿を、元気なころに近い状態へ戻します。

病棟でナースが行うエンゼルケアと違うのは、専門のお薬や道具を用いるところ。メイクだけでなく損傷部分を修復したり、髪型を整えたり、マッサージをしたりと、さまざまなケアを行います。

エンバーマーになって八年の赤澤さんは「毎日勉強することばかりです!」と言います。「故人は一人ひとり事情もお体の状態も異なるので、毎日違った課題があります」と語る赤澤さん。

「一度も辞めたいと思ったことがないのは、ご遺族の声が嬉しいからです。」と語る赤澤さん。背景には、女子学生のご遺体と、「娘を返してくれてありがとう」と泣き崩れるご両親の姿。

事故でなくなった方をケアした時には、ご遺体を「とても母には見せられない」と途方にくれていた男性が、「実家につれて帰れます…!」と泣きながら喜んでいました。

エンバーミングの希望があった場合、赤澤さんの会社ではまず「葬儀ディレクター」と呼ばれる担当者がご遺族と打ち合わせをし、故人のご生前についてヒアリングをします。

ヒアリングの情報を元にエンバーマーが施すケアは、お姿を整えるメイクだけではありません。ご遺体を清潔に保つケアを行うので、ご遺族とより長時間お別れの時を過ごしてもらうことができます。

「その人がその人らしい姿」で、ご遺族とゆったりと最期の時を過ごせるよう心がけています。とにっこり笑う赤澤さん。

元々は、アメリカの南北戦争時代に、戦死した若い兵士の遺体を家族のもとへ帰すため発展した近代へのエンバーミング技術。日本でも徐々に求めるご遺族が増えているようです。

「最近は、葬儀のどこに重きを置くかの価値観が変貌してきているように感じます。」と語る赤澤さん。(儀式よりも故人との対話)

赤澤さんに、「実は…病棟での看取りがつらい時期があって…」と悩みを相談する明。時間も場所も限られる中で、亡くなった患者さんやご家族のケアが十分にできないことが、すごくつらくて哀しかったと語る明に、「私もそうでしたよ」という赤澤さん。

赤澤さんは、「そのころの気持ちがあったから、今、故人とご家族を支える仕事に就いています。」と語ります。看護現場での経験や視点も役に立っているそうです。中でも…

病棟でのお看取りの際、患者さんやご家族に関わった経験は大きかった、という赤澤さん。「故人のお姿にいろんな想いを抱くご遺族がいることを学びました」と語る赤澤さんの背景には、「変わっちゃったねえ…仕方ないよねえ…」と、涙ぐんで亡くなった旦那さんに話しかける老婦人の姿。

「だから私は亡くなったあとの、故人とご遺族を癒やす道を選んだんです」と言う赤澤さん。次回は、赤澤さんの選択とナースへの想いのお話です。

【次回のお話はこちら(9/22公開)】

「看取りの悩みを少しでも軽く」マンガでわかるエンバーマーの仕事

※取材協力:株式会社 公益社 エンバーミングセンター


 

【取材・マンガ】明(みん)

看護師・漫画家。沖縄県出身。大学卒業後、看護師の仕事の傍らマンガを描き始める。異世界の医療をファンタジックに描いたマンガ『LICHT-リヒト』1~3巻(小学館クリエイティブ)が好評発売中。趣味は合気道。

この連載

もっと見る

コメントを投稿する

コメント入力
(100文字以内)
ニックネーム
(12文字以内)

コメント一覧(5)

5匿名希望2017年09月22日 00時21分

1さんの不採用だった葬儀会社では絶対に葬儀をしたくない。1さんのような人にやってもらいたいと思うと思う。

4匿名2017年09月21日 20時25分

こういう方法があることを知りながら、病棟でできることをやりたいと思う。知ってると知らないとでは全然違うから

3猫矢2017年09月21日 17時26分

細工ではないでしょ見たことないのかな?交通事故なんかでぐちゃぐちゃになった顔を想像できないのかな?その顔で故人を送らなければならない遺族の気持ちを

2匿名2017年09月21日 11時25分

遺体に細工していいのかな?私にはできない

1匿名希望2017年09月21日 10時32分

以前エンバーマーに興味を持ち葬儀社の面接を受けるも即日不採用。「故人とご遺族の看護ね〜。別に病院でもできるでしょう」と鼻で笑われたのが今でも忘れられない。

関連記事

いちおし記事

癒し系ドクターの裏の顔

優しく仕事のできる癒し系ドクター。見た目のキャラとは裏腹に…! [ 記事を読む ]

モニター心電図の装着法

どこに、どんなふうに貼るでしょう? [ 記事を読む ]

看護師みんなのアンケート

リフレッシュ休暇!もし10日もらえたらどこへ行く?

投票数:
1154
実施期間:
2018年05月01日 2018年05月22日

「辞めたい」のは看護師?職場?

投票数:
860
実施期間:
2018年05月04日 2018年05月25日

電子タバコ、吸ったことある?

投票数:
795
実施期間:
2018年05月08日 2018年05月29日

2交替の人に質問!仮眠のあとどうやって起きてる?

投票数:
694
実施期間:
2018年05月11日 2018年06月01日

院外研修、受講料どうしてる?

投票数:
623
実施期間:
2018年05月15日 2018年06月05日

ネットワークビジネス、誘われたことある?

投票数:
524
実施期間:
2018年05月18日 2018年06月08日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者724

80歳女性Aさんは、入院前は一人暮らしをしており、活動的な性格でした。身体疾患の治療が終わり、退院の調整に入ったころから「何もしたくない」と言い始め、一日を通して臥床している時間が長く、食事と排泄以外は自発的な行動が見られない状況でした。次の選択肢のうち、Aさんへの対応として適切でないものはどれでしょうか?

  • 1.身体的苦痛がないか、全身状態を観察する。
  • 2.退院後の生活について話を聞いてみる。
  • 3.うつ病を疑い、GDSにて評価する。
  • 4.「気分転換に散歩しましょう」と離床を促す。
今日のクイズに挑戦!