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2017年08月11日

看護師に関わるポイント4つ!医薬品添付文書が20年ぶりに改訂

医療用医薬品添付文書(以下、添付文書)を読んだ時に「原則禁忌」「慎重投与」「重要な基本的注意」などについて、重複している点が多いなと感じたことはありませんか?

 

今回、その記載要領の見直しが20年ぶりに行われ、2019年4月から5年間で新記載へ移行していくことがわかりました。

看護師に深く関わるポイントについて解説します。

【ライター:西 宙乃(看護師)】

医療用医薬品添付文書の記載要領、20年ぶり見直しのポイント

医薬品添付文書について患者に説明する看護師のイメージ画像

 

 

 

【1】「原則禁忌」と「慎重投与」という表現がなくなる

これまで「原則禁忌」と「慎重投与」の表現には、微妙な違いがありました。

 

「原則禁忌」は、「一般的にはこの薬を使わないことを原則とするが、特別に効果が期待できる場合には慎重に投与する」ということを意味します。

一方、「慎重投与」は、「既往歴などがある患者に使用するときには、注意して使用する」という意味です。

 

違いがわかりにくいと感じたことがある人も、多いのではないでしょうか。

 

また、「原則併用禁忌」と「併用禁忌」という項目が似通っていたり、添付文書に書かれている「慎重投与」の中のほとんどに「高齢者(高齢者への投与の項参照)」と書かれてあったりと、重複している部分が多いようにも見受けられました。

 

実際の医療現場では、慎重投与でも使用する病院があったり、逆に小児の場合には「慎重投与=禁忌」の意味合いで捉えることがあったりと、区別が曖昧で、迷うこともあったと思います。

 

そのため、この度の添付文書の改訂では、「原則禁忌」と「慎重投与」という表現がなくなり、「禁忌」「特定の患者集団への投与」という項目に整理されることになりました。

 

この統一により、基準が明確になり、看護師にとってもよりわかりやすくなることが期待されます。

 

 

【2】患者の背景に応じて、使用される薬の注意点がまとめて記載される

これまでの添付文書における「高齢者への投与」「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」「小児等への投与」といった記載は、「原則禁忌・慎重投与」に書かれている内容と重複する部分が多くありました。

 

そのため、今回の改訂に伴い「投与するときに注意したほうが良い患者」として、「特定の背景を有する患者に関する注意」という項目に整理されることになります。

 

この「特定の背景を有する患者に関する注意」という項目の中には、「合併症・既往歴等のある患者」「腎機能障害患者」「肝機能障害患者」「生殖能を有する者」「妊婦」「授乳婦」「小児等」「高齢者」が追加されます。

 

これにより、対象に応じた項目を探しやすくなりますが、看護師が注目すべき点は、その内容がどのように整理されるかというところです。

 

たとえば、腎機能障害患者であり、かつ、高齢者である場合など、重複している患者に対しての記載方法は明らかにされてはいません。

そのため、看護師自身が副作用の出現に注意しながら観察することが必要になるでしょう 。

 

 

【3】薬剤相互作用が「通し番号」になる

薬には、薬剤相互作用がありますが、すべての薬に相互作用があるわけではありません。

 

そのため、今までの添付文書には、その番号を詰めて書かれているなど、特に決まりはありませんでした。

 

しかし、新しい添付文書では、表記する必要がないものについても、番号を外すことで表現することになります。

 

たとえば、一般的な表記方法として、「使用上の注意」の「1.慎重投与、2.重要な基本的注意、3.相互作用、4.副作用」といった流れになります。

この中の「3.相互作用」がない薬があったとします。

 

この場合、これまでは、「1.慎重投与、2.重要な基本的注意、3.副作用」と後ろの副作用が繰り上げて書かれていたものが、「1.慎重投与、2.重要な基本的注意、4.副作用」と、欠番として表現されるようになります。

 

そのため、欠番については「情報がない」ものだとすぐに確認することができます。

探したい項目の番号の確認が、より素速くスムーズにできるようになるでしょう。

 

 

【4】起こりやすい副作用が先頭部分に記載される

改訂後の添付文書では、「副作用が起こる頻度の高いもの」や「続けて薬を使用する際に影響を及ぼす副作用」があるときには、文書の初めの方に記載されるようになります。

 

これまで、添付文書の副作用を見ると、膨大な症状が書かれており、わかりにくかったことはありませんか?

 

起こりやすい副作用が先頭に表記されることによって、どこに気をつければよいのか、看護師として素速く観察に活かすことができます。

 

 

医療用医薬品添付文書をより良く活用するために

今回の大幅改定で、添付文書はより使いやすくなると期待されていますが、一方で不安は残るように思います。

 

たとえば、腎機能障害患者の記載にあたり、「腎機能障害の程度を示す場合には、クレアチニンクリアランスや推定糸球体ろ過量などの指標を可能なかぎり記載するように」となっていますが、果たしてどの程度の薬品に記載されるのか。

 

このあたりは、実際に添付文書を活用してみなければわかりません。

 

これからも、医療用医薬品添付文書をより良く活用するために、「患者の安全を守るための記載なのか?どう解釈したらいいのか?」を確認しながら対応する必要がありそうです。

 

 

【参考】

医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項について(厚生労働省)

医療用医薬品の添付文書等の記載要領について(厚生労働省)

 


【ライター:西 宙乃】

10年ほど主に小児科の看護師として現場で働き、その後、看護教員として学生指導に携わる。現在、40代にして妊活中で挫折しそうですが、「まにまに」を合言葉に夫とがんばっています。

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