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2017年08月07日

ドラマ「コード・ブルー」が始まったけど…| 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」

【日経メディカルAナーシング Pick up!】

 

テレビドラマの「コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―THE THIRD SEASON」が始まりました。人気シリーズということで視聴率も上々の滑り出し! 美男美女があれだけの活躍をするので、そりゃ余計にかっこいいわけです。 

 

薬師寺 泰匡(岸和田徳洲会病院救命救急センター)

 

 

それにしても、20代半ばにしてクラムシェル開胸をやってのける救命医の姿は、漫画のドクターKをも彷彿とさせます。そんな人が本当にいるのかと思ってしまうくらいの活躍っぷり。前作から年月が経ち、さらに成長したメンバーたちの活躍を毎週楽しみにしている人も多いと思います。救急に興味を持つ学生や研修医がさらに増加するのは確実だと思うので、多少のことには目を瞑って応援したいと思います。

 

しかし、これだけは言わせてほしい……。お願いだからマスクをしてください! 首から下は滅菌手袋とガウンで完全防備なのに、術野に向かって唾を吐きかける美男美女。確かにあれだけの美男美女ですから唾を吐かれたい特殊な趣味の人もいるかもしれません。しかしちょっと滑稽ですよね。せっかく消毒して滅菌装備で身を固めたなら、最後まで頑張ってほしいです。マスクは付けましょう。

 

え? ヤマピーの顔が見えない? 患者とイケメンどっちが大事なんですか? 僕もガッキーの顔が見えなくなるのは残念ですが、心を鬼にしてもう一度言います。マスクは付けましょう。もちろん、ドクターストレンジみたいに清潔になった後にマスクつけてもダメですよ!

 

コードブルーって何!?

さてコードブルー、コードブルーと言いますが、コードブルーは元々スタットコールに使用されていたものです。スタットコール(stat call)とは、心肺停止患者が来院したときや、院内で患者さんが急変したりして、とにかく緊急に人手が欲しいときに、全館放送をかけてスタッフを招集することです。ラテン語の「statim(即座に)」が語源です。日本ではスタッドコールと呼ばれることもありますが、スタットコールが正しいのです。スタットという響きの方が速そうですしね……。

 

まぁ冗談が過ぎると何が本当か分からなくなってくるので真面目にお話ししますが、このスタットコールが掛かると、スタッフは急いで現場に駆けつけるのです。患者さんが大変な時には人やモノが欲しいのです。使用例としてはこんな感じです。

 

「コードブルー、コードブルー、救命室まで」

 

このような全館放送が掛かると、全員全力疾走で(本来廊下は走ってはいけませんから気持ちの上だけはボルト選手になったつもりで)指定の場所まで行くわけですね。 

 

なんでブルー??

ではみなさん、なんでブルーなのか考えたことがありますか? 救急医の服や外科医の術衣が青いからとかいうそれっぽい理由も巷に存在しておりますが、おそらく違います。

 

元々コードというシステムは、米国カンザス州のベサニー医療センターで作られたといわれています。コードとは、様々な緊急事態に対応する規則みたいなもので、コードチームを編成して様々な緊急事態に対応するというシステムです。で、心肺停止に至るような患者さんはチアノーゼが出ていたり、出血で顔面蒼白になっていたりということで、ブルーというカラーコードに名付けられたということです。つまり、コードブルーのブルーは患者の顔色というわけです。

 

一方、当時ベサニー医療センターのCCU(Coronary Care Unit)で使われていた緊急カートの色がガンメタルブルーだったので、これの出番となる緊急時こそコードブルーだと思っていた職員もいたようで、情報が錯綜している原因となったのかもしれません(参考:William H. Colby著「Unplugged: Reclaiming Our Right to Die in America」[Amacom Books、2007年])。

 

出典:Washington State Hospital Association 「Emergency Code Calls」*クリックして拡大表示

 

今ではこのコード、様々なカラーリングがされています。コードレッドは火災、コードホワイトは暴力、コードイエローは爆弾の危険、コードグレイは好戦的な雰囲気の武器所持なしの患者、コードシルバーは好戦的で武器所持している患者――などなど。色が多過ぎて、「あれ? この色は何だっけ?」みたいな感じになっちゃいます。最近の戦隊モノヒーローは9人で戦っているみたいですが、見ている子どもは混乱しないのでしょうか。僕はもう付いていけません!

 

色の多さだけならまだしも、色の意味合いに様々なバリエーションができてしまうと、さらなる混乱を及ぼします。というわけで、最近では統一しましょうよという動きも出てきています。

 

日本では今のところ使いどころに困るようなコードもありますが、某修羅の国では手榴弾も見つかるみたいですし、発砲事件もよくあるみたいなので、いつか役に立つ時が来るかもしれません。いや来ないでくれ……。

 

スタットコールあれこれ

日本では心肺停止以外のコードはあまりないかもしれませんが、コードブルーのバリエーションが本当に豊かです。「ドクターABC、ドクターABC、救急外来まで」というパターンもあれば、「ドクターハリー、ドクターハリー」というコールもあるみたいです。針井先生じゃなくて、急げってことですよ。

 

そういえば、前述のべサニー医療センターのCCUにはポッター先生という人が勤めていたそうです。ポッター先生を急がせたいときは「ハリー、ポッター!」などと言われていたのでしょうか。また親父ギャグみたいなことを言ってしまいました。うちの部長には内緒にしてください。

 

あと架空の医師名で全館放送を掛けるパターンもあります。当院ではスタットコールは「ナカムラコール」となっております。「ナカムラ先生、ナカムラ先生、救急外来まで」といったように、医師を自然に呼び出している感じになります。

 

ナカムラの理由ですか? 開院以来ナカムラ先生がいなかったからだそうです。僕はいつの日かナカムラ先生が入職してくるんじゃないかと密かに心配していたのですが、ついにその日が来てしまいました……。数年前に、ナカムラ先生が入職して来たのです! とはいえ日本で8番目に多い苗字。来ない方が不思議なわけで。どうして日本に一世帯しかいないとされる「東京」みたいな苗字にしなかったんでしょう。まぁ後悔しても仕方ないので、ナカムラコールの処遇を考えねばなりません。今のところは、そう簡単に慣習が変わることはなく、毎回全館放送が掛かるたびにナカムラ先生はビクビクしているのでした。

 

というわけで、もう少しドラマの話をするはずだったんですが、いつも話が逸れてしまいます。今後、ドラマで興味深いエピソードがあったら、また取り扱ってみます。 

 

 

<掲載元>

日経メディカルAナーシング

Aナーシングは、医学メディアとして40年の歴史を持つ「日経メディカル」がプロデュースする看護師向け情報サイト。会員登録(無料)すると、臨床からキャリアまで、多くのニュースやコラムをご覧いただけます。Aナーシングサイトはこちら

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コメント一覧(3)

3匿名2017年08月10日 10時20分

山Pカッコいい

2匿名2017年08月09日 19時49分

うん、だから、ドラマだから、俳優の顔を隠さないようにマスクしないんでしょ。表情も演技だし。しかたない。

1匿名2017年08月07日 17時09分

回復期病棟になじんだ私は あそこでは動けそうにない

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今日の看護クイズ 挑戦者179

Aさんは40代男性で、統合失調症と診断されています。18歳の時に発症し、これまでに5回の入院歴があります。入院後も自閉的な生活が続いており、ほとんどほかの患者さんとの交流はありません。最近は一日中コップを片手に持ち、洗面所と部屋を行き来するなど飲水行為が目立っています。身長168cm、今朝の起床時の体重は60kgでしたが、昼食後に再度測定すると、67kgまで増加していました。表情もボーっとしており、問いかけにも返答がありません。歩行時にふらつきが見られ、昼食前にズボンの前を濡らしたまま歩いていました(尿失禁)。このような状態の多飲水患者さんへの看護として最優先される対応はどれでしょうか?

  • 1.患者に朝と夜に体重測定を行ってもらい、1日で摂取できる水分量を伝え、それをうまく配分、コントロールできるよう看護師が教育的な援助を行う。
  • 2.水に集中している意識がほかのものに向くよう、作業療法やレクリエーションなどを導入し、気分転換を図るよう援助する。
  • 3.コップを看護師が管理し、飲水量を厳しくチェックする。それでも飲水が止まらず体重がプラス5kgになれば、保護室で隔離を行い、水分摂取を強制的に制限する。
  • 4.Aさんは、昼食後の体重が基礎体重よりプラス5%を超えており、意識障害も疑われるため、血液検査を考慮する。
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