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2017年08月05日

「軽視された看護師の日常を、知ってほしい」ある一人の看護師が宛てた、大統領への手紙

日本でも看護師の労働環境に関する問題が報じられることがありますが、今回ご紹介するのはフィリピンにおける窮状を訴えた報道です。ある看護師が自分たちの置かれている過酷な現状について大統領に訴える公開状を紹介します。

 

 

ある看護師が綴った、胸が張り裂けんばかりの想い

正看護師として働くMutyaRNさんが、2016年6月16日に当時の大統領であったアキノ3世に宛てて書いた手紙が、オンライン上に公開されました。彼女がアキノ大統領に手紙を書こうと思ったきっかけは、看護師の初任給を引き上げ、看護職の社会的地位を向上させようとする案が議会で却下されたことでした。

 

MutyaRNさんは、決定を覆してほしいわけでも、弁明を求めているわけでもなく、「大統領に軽視された看護師の日常を、わずかばかり耳に入れたかった」という思いから、次のように書いています。

 

「あなたは、自身の施政によって、貧しい私たちの国における公の医療制度は首尾よく改善されたと宣言されました。保健省も得意げに、この国の医療制度は世界基準にとても近いところまできていると話します。しかしながら、皮肉にも、10人中8人のフィリピン人は看護師を含む医療の専門家に見てもらうことなく亡くなっています」

 

「あなたの施政では、病院は各病棟に2、3人の看護師しか雇えません。仮に1病棟に30~40人の患者が入院しているとした場合、看護師は1人あたり10人のケアをすることになりますが、早朝の人出が少ないときには、1人が30~40人の患者を見る必要があります。私たちの仕事は患者の面倒を見るだけではありません。さらには、自分の食事をとる時間や座る時間さえないのが現状です」

 

「私たちは十分に眠っていません。あなたの管理下にある病院の多くでは人員が不足しており、私たちは純粋に職務を果たすために、不足した人手を自ら補わねばなりません。台風や地震といった非常時にも、私たちはあなたの支持者(市民)のベッドサイドで献身的にケアにあたっているのです」

 

看護職の尊厳を守るための戦い

MutyaRNさんが手紙によって伝えようとしたのは、医療現場の窮状だけではありません。彼女の手紙には、自分たちは給与のためだけに戦っているのではなく、看護職の尊厳を守るために戦っているのだと書かれていました。

 

フィリピンの看護師たちのなかには、「働きに対する待遇が十分ではない」という不満もあることでしょう。しかしながら、彼女の手紙には「看護現場の窮状を軽視された」「看護師の尊厳が冒された」と、胸に留めておくことができなかった悔しさと怒りにも似た感情があふれています。

 

誇りとやりがいをもって献身的に看護として働き続けるためには、意欲的に働くことができる労働環境が保障されていることは重要ですよね。翻って、日本の看護師はどうでしょうか?あなたはどう感じていますか?

 

(文):大河原美和

(参考):

Heart-breaking Open Letter From A Nurse To President Aquino Goes Viral(NEWDFEED)

I’m MutyaRN, I’m writing to the President.|MUTYA_PH

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