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2017年08月01日

「光を当てるだけ」でがんを診断できる!新しいレーザー技術

世界中で日々、開発・実用化される医療技術。今回はそんな中から、脳にできたがんを適切に切除するために新たに開発されたレーザー技術について、2017年2月にBBCニュースが報道した内容を元にご紹介します。

 

 

脳腫瘍の手術をスムーズにする「レーザー技術」とは?

正常な細胞とがん細胞の境界は不明瞭なもの。そのため、現在は、脳腫瘍の切除にあたって正常な細胞とがん細胞との境界線を見極めるには、細胞を染色して顕微鏡で確認する方法が用いられています。

 

しかし、今回紹介する、新たな技術として注目される「レーザー技術」は、当該部位にレーザー光線を当てるだけで、正常な細胞とがん細胞との境界線を見極めることを可能にします。この技術は「SRS顕微鏡検査」と呼ばれるもので、ミシガン大学とハーバード大学において研究が行われてきました。

 

レーザー技術のメリット

従来の検査技術では、検査室に検体を持ち込んでの作業におよそ30分~40分要していました。しかし、このレーザー技術を用いれば、検査機器を手術室内に設置して、その場で確認作業が行えるため、大幅に時間を削減できます。

 

また、腸のがんの場合、現在は、正常な細胞とがん細胞の境界線が不明瞭なケースでは、少し余裕をもって周囲の臓器を切除することがありますが、これに伴う患者さんへの影響は少ないと考えられています。しかし、脳腫瘍の場合はそうはいきません。正常な細胞とがん細胞の境界線が不明瞭なケースであっても、疑わしい部位を多めに切除することは、患者さんにとって大きなリスクとなるのです。このため、効果的に切除を行い、切除による脳組織への損傷を最小限にとどめることは、患者さんへの最大のメリットだといわれています。

 

今後の課題

患者さんにとってより安全で、効果的な施術のためにと開発されたこの技術は、手術室に検査機器が設置可能ということで、大きな期待が寄せられています。ただ、このレーザー技術を用いた施術によって、予後(生存率)が改善されるかどうかについては、臨床での施術事例の蓄積と、分析による検証の必要があるといいます。

 

今後の長期的な研究によって、従来の方法に比べて予後も良好であることが証明されたならば、非常に大きなメリットをもたらす技術。これからも、最新医療技術の情報に注目していきましょう。

 

(文):A.Brunner

(参考):

Lasers help doctors remove brain cancer(BBC)

がんの治療方法について(がん治療.com)

転移性脳腫瘍 brain metastasis(脳神経外科澤村豊のホームページ)
 

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