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2017年07月15日

米トランプ大統領による人工妊娠中絶禁止の措置が世界で注目されたわけ

これまでのオバマ政権の政策とは一変した展開を見せる、アメリカのトランプ政権。トランプ大統領は、就任初日に、人工妊娠中絶禁止に関連する大統領令の署名を行いました。この様子を撮影した写真は、世界中で大きく注目され、その大統領令についてさまざまな物議をかもしました。

 

 

なぜここまで注目されたのか

トランプ大統領が大統領令に署名を行う場面は、ニュースの写真や映像でしょっちゅう目にしてきました。しかし、とりわけ人工妊娠中絶禁止に関して話題になったのは、女性にとって重要な問題であるにもかかわらず、男性のみで署名が行われ、まるで男性だけで判断を下したかのように見える光景が大きな話題となりました。

 

この報道について、「女性の体について決定を下しているのは男性」と、「ハリー・ポッター」シリーズの著者であるJK・ローリングさんがツイートしたことでさらに注目は高まり、この署名に対する批判の声が集まることとなったのです。

 

トランプ大統領の意見

アメリカでは1973年に起きた「ロー対ウェイド事件」の際に、「妊娠を継続するか否かの女性の決定は権利として保障されている」と、最高裁判所にて判決が出ています。この判例によると、胎児が胎外環境で生存可能となる22週から24週になるまでに人工妊娠中絶を受けることが認められているのです。

 

しかしトランプ大統領は、「人工妊娠中絶は強姦、近親相姦による妊娠に限る」「もし中絶が実行されたならば、女性は罰せられるべき」と述べています。この、罰則に関する発言に対しては強い批判があり、後にトランプ大統領は「罰を受けるのは、施術した医師たちであり、当事者の女性であってはならない」と新しいコメントを発表しました。

 

懸念される国外への影響

トランプ大統領によるこの大統領令は、国内にのみならず、発展途上国への影響も懸念されています。

 

アメリカは、発展途上国における女性のヘルスケアや権利を守る活動に資金を援助してきました。しかし、今回の署名が行われたことで、発展途上国における活動が退行してしまいかねないというのです。

 

トランプ大統領のこの署名は、国内外の女性のヘルスケアや権利についての議論を引き起こし、中には「人工妊娠中絶を禁止するような政策よりも、望まない妊娠の撲滅に力を入れるべき」という意見も聞かれました。

 

翻って、日本の場合、年間行われている人工妊娠中絶件数は、厚生労働省の統計では18万6,253件となっており、月間で15,000件、1日あたり500件の人工妊娠中絶が行われている計算になります。人工妊娠中絶は女性の権利としてもちろん認められています。しかしながら、望まない妊娠を減らすために、医療者としてできることがないかをこの機会に考えてみてもいいかもしれません。

 

(文):A.Brunner

(参考):

Trump's order on abortion policy: What does it mean?(BBC)
平成25年度衛生行政報告例の概況(厚生労働省ホームページ)
 

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