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2017年06月24日

言葉がなくても通じる新たなコミュニケーション技術「ブレイン・マシン・インターフェース」とは?

身体の自由がきかないために意思の疎通を図ることが難しい患者さんに、「ブレイン・マシン・インターフェース」を用いた研究の成果を、ドイツの研究者たちがオープンアクセスジャーナル『プロス生物学』で発表しました。2017年2月の英BBCニュースからご紹介します。

 

 

「ブレイン・マシン・インターフェース」って?

「ブレイン・マシン・インターフェース」は、言葉を使うことなく、脳波や脳活動による血流変化などを検知・解析することで、患者さんの意思を読み取ることができるシステムです。

 

今回の研究報告では、脳細胞の活動によって血中の酸素濃度が変化するのに伴う血液の色の変化を、近赤外線分光法によって感知し、解析したものです。その正確性はおよそ75%とのこと。

 

さらに、このシステムの精度を上げるには、コンピューターに脳の信号を解析するために必要な情報を事前に集積させておくとともに、同じ質問を繰り返すことで正しく解析できているか確認していくことが必要だそうです。

 

臨床研究の事例として、「娘の結婚に反対」だという意思を何度も繰り返し表現できたケースや、コミュニケーションが困難な状態の患者さんたちが「幸せ」を感じていると表現したことが報告されています。

 

ブレイン・マシン・インターフェースを用いるメリット

これまでは、言葉による意思疎通が困難な患者さんとのコミュニケーションには、文字盤の使用や、まばたきや眼球運動によって意思表示を行う方法が用いられてきました。しかし、筋萎縮性側索硬化症が進行した患者さんなどの場合、筋肉を制御する能力を失い、眼球運動による意思の疎通さえ困難になるケースもあります。このようなケースであっても、ブレイン・マシン・インターフェースを用いることで、意思表示が可能になるのです。

 

新技術によって向上する患者さんのQOL

この研究の先駆けと言える、スイスのウィース・センターのNiels Birbaumer教授は、BBCニュースに対して次のように語りました。「この技術は、患者のQOLに大きな変化をもたらします(中略)あなたが、一切の意思表示の手段を持たなかったところに、『はい』か『いいえ』を伝える手段が得られたと想像してみてください。それは大きな影響力を持ちます」。

 

また、同センターの責任者であるJohn Donoghu教授も、「外界とのコミュニケーションが完全に『閉ざされた』人の、「世界とかかわろう』という気持ちを解放することになる。これは素晴らしいことだ」と伝えています。

 

もし、今回紹介したシステムが臨床で広く活用されるようになれば、看護者の技術や経験の有無にかかわらず、これまで意思の疎通が難しかった患者さんともコミュニケーションをとることが可能になります。これは、患者さんのQOLはもちろんですが、より平等な患者さんへのケアの提供と、看護の質の向上が望めることになるのではないでしょうか。

 

(文):A.Brunner

(参考):Completely 'locked-in' patients can communicate(BBC)

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