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2017年06月13日

義理の娘の面倒を見る94歳の義母!超高齢社会の包括的ケアで求められていることは?

日本の急速な高齢化と「超高齢社会」としての実態は世界が注目するところですが、アジア各国もそれぞれに高齢化に悩んでいます。今回ご紹介するのはその中の一つ、中国の事例です。義理の娘の介護にあたっている94歳の母の事例を通して、日本の地域包括ケアシステムに求められていることを考えてみましょう。

 

 

モデルケースとして紹介された94歳の介護生活

義理の母親の介護を娘が行うというのは、ごく一般的に見られるケースですが、中国で「モデルケース」として紹介されたのは、介護を行っているのは、義理の母親であるという真逆の事例です。しかも、介護者のサンさんは94歳という高齢です。

 

1989年11月にサンさんの夫が病死し、その10日後には彼女の息子もガス中毒で死亡。この悲劇に大きなショックを受けた義理の娘のレンさんが半年後に脳出血で半身不随になってしまったことから、サンさんの介護生活は始まりました。医者や親族、友人たちが「レンさんの治療はあきらめるように」と言っても、たったひとりで介護を続けてきたサンさん。そんなサンさんの孫の一人は、自分の母親が生き続けているのは、祖母の献身的な介護あってのことだと感謝の気持ちを述べています。

 

27年の年月を経てサンさんは年老い、一人で介護を続けるのが難しくなってきました。現在では、同じ村に住んでいるレンさんの娘、サンさんの孫娘にあたるガオさんが、移動介助に手を貸しています。

 

日本の介護の現状は?

「超高齢社会」日本でも、サンさんのような高齢者が高齢者の介護を行う、「老老介護」と言われる事例が問題になっています。介護は、介護職者であっても身体を壊してしまうほど、負担は大きなものです。まして、体力が低下した高齢者が介護を行うとなると、その負担はより大きなものとなりますし、サンさんのようにすべての介助を一人で行うのは困難であるケースも出てきます。

 

なお、厚生労働省の資料によると、平成25年時点で、在宅介護における主な介護者が65歳以上である世帯の割合は、51.2%を占めています。

 

中国の介護制度と日本の地域包括ケアシステム

日本で、2025年を目指して進められている地域包括ケアシステムの構築。疾病を抱えていても、要介護者が住み慣れた自宅で療養していけるように、医療と介護の関係機関が連携し、地域で包括的かつ継続的なサポートを行っていくことが求められています。看護師には、訪問看護をはじめ、システムの根幹ともなるような重要な役割を果たすことが期待されている「地域包括ケアシステム」ですが、中国にも、同じようなシステムの構想が見られます。

 

中国のCCTV(中央電視台)は、2015年時点で60歳以上の人口が2億人以上にものぼっており、介護サービス、特に在宅介護にあたる人員の不足が深刻な問題となっていることを伝えました。高齢者の9割は自宅で生活していくことを望んでいるものの、十分な介護サービスを提供できる状況にはないようです。このような状況を受けて中国では、政府と民間企業が一体となり、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活し続けられるような仕組みづくりが必要だと、国を挙げてシステムの構築に向けて動き出しています。

 

計画の進捗状況の違いこそあれ、日本も中国も、目指している方向に大きな違いは見られません。両国の目指している地域包括ケアシステムの実現に向けて、看護師の方には大きな役割が期待されています。この制度を理解することはもちろん、現場で実際に起きている問題に向き合い、看護師としてなすべきことを考えていきたいですね。

 

(文):大河原美和

(参考):
China's model citizen: 94-year-old takes care of paralysed daughter-in-law(THE STRAITS TIMES)

老老介護・認認介護を知ろう(みんなの介護)

中国・北京での介護サービス事情〜中国版の”地域包括ケアシステム”の構築が進む?(介護ぱど)

地域包括ケアシステム(厚生労働省)

地域包括ケアシステムの中心的役割を担う訪問看護師(ナースフル)
 

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