1. 看護roo!>
  2. ステキナース研究所>
  3. 小さな命を救う!超低出生体重児の検査が可能な世界最小のMRI

2017年06月06日

小さな命を救う!超低出生体重児の検査が可能な世界最小のMRI

新生児集中治療室(NICU)の赤ちゃんたちの適切な診断と治療のために、超低出生体重児の検査を可能にした世界最小のMRIがイギリスで大活躍しています。2017年1月の英BBCニュースの報道内容をご紹介します。

 

 

世界最小のMRIとは

超低出生体重児の検査が可能な世界最小のMRI機器は、家庭用の洗濯機とさほど変わらないような大きさであると、英BBCニュースでは紹介されています。

 

このMRIの設計と開発には、12年もの歳月がかけられました。イギリスに本拠地を持つ公益信託Wellcome Trustからの資金提供を受けてプロジェクトにあたったのは、イギリス、シェフィールド大学のGriffiths教授とPaley教授ら。設計されたMRIは、医療用機器メーカーのGE Healthcareによって製作されました。

 

作られたのは世界に2基のみで、1基はイギリスのRoyal Hallamshire Hospitalで活躍しており、もう1基はアメリカマサチューセッツ州のBoston Children's Hospitalにありますが、こちらは現在使われていません。

 

世界最小のMRIを用いるメリット

新生児の画像診断に多く用いられるのは、単純X線写真や超音波検査ですが、MRIを用いると脳や周辺の断層撮影が行えるため、患者の家族への説明もより容易になります。しかし、新生児集中治療室(NICU)では新生児は保育器に入れられているケースがほとんどであり、保育器の脇で検査が行える超音波検査が好んで用いられてきました。

 

MRIの機器は巨大で重量があるため、ほとんどの施設で1階に設置されています。これに対して産科は、多くの場合、上階や検査室のある棟とは別棟に置かれています。このため、検査するには、遠く離れた検査室まで新生児を移動させなければなりませんでした。この点、世界最小のMRIであれば、新生児集中治療室からほんの数メートルのところに設置でき、専門のスタッフがそばにいるため、急な容態の変化があっても安心です。

 

Griffiths教授は、MRI検査を用いるメリットとして、酸素欠乏や血流不足といった脳の虚血状態による異常を、より広い範囲の画像によって把握できることを挙げています。

 

高齢出産の増加や体外受精に伴う多胎妊娠の増加などによって、日本では低出生体重児の出生割合が高まっています。小さな尊い命への適切な治療と健全な発達のためにも、世界最小のMRIは、日本でも導入を進めて欲しい検査機器のひとつです。

 

(文):A.Brunner
(参考):
World's smallest MRI helps tiny babies(BBC)
Babies benefit from pioneering 'miniature' MRI scanner in Sheffield(The Telegraph)

 

コメントを投稿する

コメント入力
(100文字以内)
ニックネーム
(12文字以内)

コメント一覧(1)

1匿名2017年06月07日 05時56分

凄いことですね!

関連記事

いちおし記事

禁断の呪文

夜勤終わり、ついつい唱えてしまう禁断の呪文とは? [ 記事を読む ]

PEGカテーテルの交換

PEGカテーテル交換時には腹腔内誤挿入に注意が必要です。ナースが知っておきたい介助・観察ポイントは? [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

患者さんが亡くなってしまったとき、心をどんなふうにケアしてる?

投票数:
819
実施期間:
2018年07月24日 2018年08月21日

「モンスター患者」いますか?

投票数:
742
実施期間:
2018年07月31日 2018年08月21日

今年の猛暑、勤務中に困ったことは?

投票数:
1003
実施期間:
2018年08月03日 2018年08月24日

「これで救急車呼んだの?!」な患者さん、経験ある?

投票数:
726
実施期間:
2018年08月02日 2018年08月24日

「これじゃ寝られない…」ヤバい仮眠室おしえて! 

投票数:
763
実施期間:
2018年08月10日 2018年08月31日

あなたの周りの最短退職者の記録教えて!

投票数:
569
実施期間:
2018年08月14日 2018年09月04日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者847

在胎週数28週の児が出生しました。出生直後より呼吸状態が安定しないため、分娩室でFiO2(吸入酸素濃度)値40%、CPAP(持続的気道陽圧)5~6cmH2Oで管理しています。しかし、酸素飽和度は80%台から上昇を認めず、著明な陥没呼吸が見られ、鼻翼呼吸、多呼吸、チアノーゼ、呻吟も出現しています。体温に留意しながらCPAPを行っていますが、この後に実施すべき処置は以下のうちどれでしょうか?

  • 1.このままCPAPを続け、動脈血ガス分析を行い、呼吸状態を評価する。
  • 2.適切な酸素飽和度になるよう、FiO2値とCPAPの圧を調節後、マスク&バッグによる用手人工換気へと切り替える。
  • 3.気管挿管後、NICUへ移動し、マイクロバブルテストと胸部X線写真撮影後に呼吸窮迫症候群と診断してから、サーファクタント投与を行う。
  • 4.気管挿管し、直ちにサーファクタント投与を行う。
今日のクイズに挑戦!