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2017年03月07日

「若者の精神疾患だって病気なんだ!」バンクーバーで看護師が行ったデモとは?

2016年5月、カナダのBC(ブリティッシュコロンビア)州、バンクーバーで、看護師たちによる大規模なデモが行われました。彼・彼女らが訴えていたのは、自分たちの待遇改善などではなく、危険な状態にあるホームレスの若者たちのための精神保健サービスの充実でした。

 

このデモの様子と参加した看護師たちの主張、そして、医療的ケアやサポートを必要とするホームレスの若者たちと向き合う、彼らの取り組みについてご紹介します。

 

 

精神疾患は足の骨折と同じように医療的ケアが必要

精神保健の啓発を目指して集まったのはブリティッシュコロンビア州最大の看護団体BCNU(British Columbia Nurses Union)の看護師たち、警察によって、交通量の多い、街の中心部の大通りに交通規制が敷かれ、ダウンタウンにあるバンクーバーアートギャラリー前の広場からデモ行進が行われました。

 

BCNUの代表であるゲイル・デュテイルさんは次のように主張します。「精神疾患は足の骨折と同じように医療的ケアを必要とする病気であるということを、私たちは一般市民に広く伝えていかなければなりません」「精神保健、特に若者の精神保健は、BCNUの看護師、ひいてはBC州の看護師にとっても重要な問題なのです」

 

BCNUの調査結果によると、多くのホームレスの若者は養育に関する問題や虐待など、幼いころの悲惨な出来事が尾を引き、精神的なダメージを負っているとのこと。そのため、家を出て、家の中よりホームレスとして路上で生活する方が彼らにとっては安全なのです。しかし、道路に住むことは人身売買や売春、薬物などといった別の危険があります。彼らには安定した家庭や医療・精神面でのサポートなど、支援が不可欠です。

 

NPO「プロジェクトバックパック」の活動支援

デモを行ったBCNUは、「プロジェクトバックパック」という非営利団体への寄附も行っています。

 

プロジェクトバックパックでは、ホームレスの若者たちに下着や靴下、バス乗車券、食料品の引換券、救急セットや衛生用品などを詰めたバッグを渡す運動をしています。創設者のカーラ・シンクレアさんは、当団体の活動について次のように話しています。「プロジェクトバックパックの活動は、ホームレスの若者に対して行える、個人的な慈善活動の方法です。多額な費用はかからず、一切の義務も課されず、いつでも行えますが、とても大きな影響力のある行為であるといえます」「バッグに詰められたグッズは、ホームレスの若者が生きていく場所を探して路上で過ごすしばらくの間、少しでも前向きな気持ちになれるように助けるのです」

 

デモの後、BCNUの看護師たちは260個ものバッグをトラックの荷台に積み込みました。主催者はこれらをホームレスの若者たちが身を置くシェルターで配布する予定だといいます。

 

日本で行われた精神保健の実態調査

日本では、精神科医が中心となり、2009年に、東京・池袋駅周辺にて実態調査が行われました。この結果、80人中50人(62.5%)が何らかの精神疾患を抱えているという結果が報告されています(調査対象者80人中男性75人、平均年齢50.5歳、路上生活歴平均67.8か月)。

 

調査を行った精神科の森川すいめい医師は、次のように語っています。「精神疾患を抱える人のうち、未診断のままで、何かしらの支援を受けていない場合は貧困状態に陥りやすく、やがてホームレスになる可能性が高いのです」大規模デモが行われたカナダに限らず、精神保健の問題は決して他人事ではないのです。

 

プロジェクトバックパックの創設者、カーラさんは、3つ4つのバックの配布から始まった当団体の活動は2016年に10年目を迎え、この年は、過去最大規模の活動が行えたと話しています。

 

ホームレス問題の陰にある、十分な支援が受けられずにいる精神疾患を抱える人々の問題。わたしたちに今、何ができるのでしょうか。

 

(文):木村佳織

(参考):

B.C. nurses rally in Vancouver for improved youth mental health services(CBC)

ホームレスの4~6割が精神疾患、夜回り通じ医療につなぐ(健康百科)

 
 

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コメント一覧(1)

1匿名2017年03月07日 08時39分

他人事ではないです。

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