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2017年02月14日

若者を危険にさらしたゾンビ薬、大規模なドラッグ事件へ発展

医療従事者であれば、薬が引き起こす副作用のこわさについては、十分理解していると思います。しかし、いわゆる危険ドラッグが路上で簡単に入手できてしまう現代では、成分やそれらがもたらす体への影響に関する知識がないまま、興味本位でそれらを手に取る若者が増えています。

 

危険ドラッグは判断力や思考能力を鈍らせ、重大な事件を引き起こすきっかけになることがあります。実際に2014年には、危険ドラッグを吸った若者が池袋で車を運転し、死傷者を出すという事件が起きました。

 

今回は、「9ニュース・ドット・コム・オーストラリア」で紹介された、若者が危険ドラッグに手を出した結果、たった2日で16人も病院に搬送されたという事件について詳しくみてみましょう。

 

 

近年まれにみる、大規模なドラッグ事件

若者が学校の受験や卒業式後にハメを外すのは世界共通のようで、オーストラリアのゴールドコースト(クイーンズランド州)では、そんな若者たちに事件が起こってしまいました。48時間のうちに、20歳前後の男女16人が次々と、幻覚作用のある薬物の過剰摂取が原因で病院へ搬送されたのです。

 

薬物を過剰に摂取した若者たちは、幻覚症状により正気を失い、攻撃的になって路上で叫び声を上げ、自分の服を剥ぎ取って痙攣を起こしていました。駆けつけた救急隊員が8人がかりで彼らに鎮静処置を施し、病院に搬送しました。運び込まれた若者のうち8人が入院。そのうち1人は搬送中に呼吸停止に陥りました。

 

クイーンズランド救急サービスの作業監督者であるバーンズ・スティーブン氏は、「24年間働いてきて、類似の事例では最悪の状況だ。彼らは自分たちの命だけでなく、他人の命までも危険にさらした」と述べました。

 

“ゾンビ薬”幻覚作用のある薬剤の正体

警察は検証中と伝えていますが、彼らが摂取したのは覚せい剤の一種ではないかと推測しているようです。うめき声を上げたり暴れたりといった奇怪な行動が見られることから、「ゾンビ薬」とも称される「フラッカ」との類似性に触れています。

 

これらの薬は、白やピンクの結晶質の物質で、あぶって煙を吸引したり、注射したりして摂取することで、「メタンフェタミン」や「エクスタシー」と同じような精神を高揚させる効果が得られるのです。

 

若者が巻きこまれる危険性、医療機関は眠れない

オーストラリアでは、高校を卒業したばかりの若者がパーティーを開いたりクラブへ繰り出したりする習慣があり、これによって、幻覚作用のある危険ドラッグを入手するケースが危惧されていました。そして今回、多くの若者がそういった場で入手した危険ドラッグにより、実際に命を危険にさらしてしまいました。

 

覚せい剤・麻薬・幻覚作用のある薬物は、規制される度にその規制の網をかいくぐる新たな物質が現れ、さまざまな名前で出回っています。当然、日本も例外ではありません。危険ドラッグを使った患者さんが搬送された場合、看護師はケアを行わなければならず、人ごとではありません。また、危険ドラッグによる幻覚作用で治療を行う医療従事者が攻撃される可能性もあります。こうした現状を理解し、危険ドラッグに関する理解やそれにより搬送されてくる患者さんへの対応方法について、今一度深めておくとよいでしょう。

 

(文):バックレー麻友香

(参考):Fears for Gold Coast Schoolies revellers after 16 overdose on mystery drug(9NEWS)

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