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2017年02月13日

鳥インフルエンザH7N9、患者流入の可能性も|感染研、リスクアセスメントを更新

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国立感染症研究所は2月9日、2014年に発表した『鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスによる感染事例に関するリスクアセスメントと対応』を更新した。昨年末以降、中国で鳥インフルエンザH7N9ウイルスのヒト感染例が急増していることを受けたもの。中国を中心にH7N9ウイルス感染症の流行が活発になっているとの認識を示し、今後も継続的に症例が発生することが懸念されるとした。その上で、「(感染地域からの)日本国内への患者の流入の可能性も否定できない」との見解も示した。

 

三和護=医療局編集委員

 

アセスメントではまず現状認識をまとめ、「冬季に入り、中国の浙江省、広東省、江蘇省、福建省などの東部沿岸部地域を中心に、H7N9ウイルス感染症の流行が活発になっていることが推察される。また、家禽市場での交易は未だ広い地域で行われていると考えられ、継続して症例が発生することが懸念される」とした。その上で、「日本国内への患者の流入の可能性も否定できない」と結論している。また、限定的ながらヒト-ヒト感染が報告されているとし、「国内に入国した感染者から家族内などで二次感染が起こりうる」とも指摘している。

 

ただし、疫学的・ウイルス学的所見から、「ヒトへの感染が確認されているH7N9ウイルスは、ヒト-ヒト間で容易に感染伝播するような能力は獲得しておらず、容易に感染が拡大する可能性は低く、また持続的なヒト−ヒト感染の可能性は低いと考えられる」と評価している。

 

今後の対応については、大部分の症例に鳥との接触歴や生鳥市場(ライブバード・マーケット)への訪問歴があることから、「流行地域へ渡航する際は、生鳥市場への訪問を控えること。流行地域への渡航後に発熱を認めるなどの体調の変化があった場合は、医療機関の受診時に渡航歴を伝えること」などの注意喚起が必要としている。 

 

アセスメントでは感染研ホームページに掲載している以下の対策を提示し、今後もWHO、中国等からの情報に基づき、正確な情報を提供していくとまとめている。

 

鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染症に関する臨床情報のまとめ:臨床像・検査診断・治療・予防投薬(2013年4月25日)

鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染症に対する院内感染対策(2013年5月17日)

鳥インフルエンザA(H7N9) 患者搬送における感染対策(2014年7月16日)

 

鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト感染例の臨床情報

アセスメントでは最新の臨床情報もまとめている。そのポイントは以下のとおり。

 

 ・潜伏期間は多くが3日~7日(最長10日)と推定されている。

 

 ・発熱、咳嗽、呼吸困難、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が出現し、症例の多くは重症肺炎の病像を呈する。その一方で、軽症から中等度の病像を呈し、インフルエンザ様疾患に対する病院定点サーベイランスで発見された報告例もある。

 

 ・111例のH7N9ウイルス感染症入院患者の研究によると、77%が集中治療室に入室し、27%が死亡した。症状は、発熱(100%)、咳嗽(90%)が多い。14%の症例では、下痢や嘔吐の消化器症状を認めた。入院時、97%の症例で肺炎を認めた。経過中、71%の症例で急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、26%でショック、16%で急性腎不全、10%で横紋筋融解症を合併した。

 

 ・死亡の10例と生存の30例を比較した疫学研究によると、死亡のリスク因子として「高齢、慢性肺疾患、免疫不全状態、長期の投薬歴、オセルタミビル投与の遅延」が報告されている。生存例では発症から治療までの中央値で4.6日、死亡例では7.4日だった。両群ともオセルタミビルに感受性があった。

 

 ・H7N9ウイルス感染症に関して、リアルタイムRT-PCR法による呼吸器検体を用いた検査が推奨されている。

 

<掲載元>

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