1. 看護roo!>
  2. ステキナース研究所>
  3. 流産を経験した女性にPTSD発症の危険性

2017年01月31日

流産を経験した女性にPTSD発症の危険性

流産を経験して間もない女性には、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する危険性が高いといいます。イギリスではなおざりにされてきたという、流産を経験した女性へのメンタルケアについて、この必要性を報じた英BBCニュースの内容をご紹介します。

 

 

見落とされてきた流産経験によるPTSD

イギリスでは、正常な妊娠の状態が継続している場合は、妊娠6週目に妊婦の精神的状態がスクリーニングされます。しかし、流産した妊婦には、何のフォローも行われていないのが現状です。

 

ニコル・マーティンさんは現在2児の母親ですが、第2子を希望したとき、彼女はすでに38歳でした。ニコルさんは高齢出産に伴うリスクについて認知しており、多くの友人が最低でも1回の流産に苦しんでいたこともあって、とても不安だったと話しています。

 

妊娠4件に1件の割合で、初めの23週までに妊娠損失が起こるといわれていますが、ニコルさんも第2子を出産するまでには、1年に3回の流産を経験しました。流産した場合は当然ながら、医療的な処置が必要になります。彼女にも、流産の後に全身麻酔下の手術で処置を受けたり、処置のための内服薬が処方されたりしました。内服薬による処置では、ニコルさん自身が自宅のトイレで処理をしなければならなかったそうです。彼女はその経験について「それはとてもつらい経験でした。自分の赤ちゃんをトイレに流さなければならなかった。本当に恐ろしいことです」と語ります。

 

彼女が無事に出産した待望の第2子はまもなく2歳を迎えようとしているのに、「これまでの苦難を思うと、今でも家族を失うのではないかという強い不安から抜け出せない」と言います。

 

PTSDは、強烈なストレスや恐怖体験、悲惨な出来事などが原因となって生じるもの。ニコルさんの場合は、今もなお、度重なる流産経験によって生じた不安感から逃れることができず、認知行動療法を受けているそうです。

 

不十分な支援体制にある現状

ジェシカ・ファレン医師は、British Medical Journal Open(イギリス医師会雑誌のオープンアクセスジャーナル)で、インペリアル・カレッジ・ロンドンの産科を受診している90人近くの患者を対象とした調査の結果を発表。彼女は、調査の結果をもとに「深刻なPTSDが確認された女性は少数だったものの、対象者のほとんどが精神的な苦痛に苦しんでいた」と話しました。

 

専門的な支援を必要としている女性が多いのにもかかわらず、イギリスの医療制度National Health Service(国民保健サービス)では十分な対策が講じられてないことをファレン医師は問題視しています。現在、カウンセリングをはじめとする女性たちのケアは、慈善団体の活動に頼るしかない状況にあるようです。

 

妊娠中の最大の合併症であるともいわれる流産は、その原因が分からないために治療の難しい患者さんもいます。先行研究では、妊娠前や妊娠中にメンタルケアを行うことで、妊娠の予後が改善されることが報告されているそうです(メンタルケアを受けた群の方が明らかに生児出産率は高い)。不妊や不育症に悩む女性が増えるなか、必要とするときに十分な支援が受けられるような、サポート体制を整えていく必要がありそうです。もちろん、そのサポート体制には、看護師としてのケアの技術も含まれています。

 

(文):A.Brunner

(参考):

Miscarriage can trigger post-traumatic stress disorder(BBC)

反復・習慣流産(いわゆる「不育症」)の相談対応マニュアル(PDF)

コメントを投稿する

コメント入力
(100文字以内)
ニックネーム
(12文字以内)

コメント一覧(5)

5匿名2018年10月21日 12時44分

私も一年で2回、流産しました。
その時の職場の上司の言葉で抑うつになり、結局退職。
看護師の流産が多いから慣れてしまっているのかな。
きちんとした対応してもらえるようになるといいですね。

4匿名2017年02月01日 10時04分

私も稽流流産を一度経験しました。仕事を無理してしまったと思っています。スゴく辛かったです。

3匿名2017年01月31日 23時18分

看護師と保育士は流産しやすいです。
私も3回の流産で申し訳ない気持ちに苛まれることがあります。

2実家のおかん2017年01月31日 13時04分

私も稽留流産だった。赤ちゃんに申し訳ないってそればかり思ってた。

1匿名2017年01月31日 09時51分

凄くわかる

関連記事

いちおし記事

ベテラン看護師の態度にモヤモヤ

「とあるベテラン看護師と険悪ムードでつらい…」というお悩み。あなたならどうする? [ 記事を読む ]

PaO2?pH?BE?血液ガス分析でどんなことがわかるの?

各検査データからわかることをサクッとおさらい! [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

後で「急変の予兆だったのかも?」と思ったことある?

投票数:
1370
実施期間:
2019年11月26日 2019年12月17日

人生最大級の「お酒の失敗」教えて下さい。

投票数:
1291
実施期間:
2019年11月29日 2019年12月20日

一時期病的にハマっていた食べものや飲みものはある?

投票数:
1192
実施期間:
2019年12月03日 2019年12月24日

医師と結婚できるなら、したい?

投票数:
1208
実施期間:
2019年12月05日 2019年12月26日

好きなイラストレーターはいる?

投票数:
964
実施期間:
2019年12月10日 2019年12月31日

勝手に命名選手権!

投票数:
752
実施期間:
2019年12月13日 2020年01月03日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者530

◆がん看護の問題◆「がん薬物療法における職業性曝露対策ガイドライン 2019年版」において、抗がん剤の曝露対策として誤っているものは以下のうちどれでしょうか?

  • 1.抗がん剤の投与時には、揮発した抗がん剤を吸入したり、手指に付着した抗がん剤を経口摂取したりしてしまうなどで医療者が曝露しないようにする。
  • 2.抗がん剤の投与時には、二重手袋、ガウン、フェイスシールド、マスク、吸入器防護具(N95マスクなど)の使用が望ましい。
  • 3.抗がん剤投与終了後24時間は曝露のリスクがあるとされているため、患者さんの体液や排泄物は注意して扱う。
  • 4.経口抗がん剤を在宅で内服する患者さんには、できる限り患者さん以外が薬剤に触れないよう指導する。
今日のクイズに挑戦!