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2017年02月11日

有効な避妊方法として期待される「男性へのホルモン注射」とは?

男性の避妊方法といえば、コンドームの使用を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、実は20年も前から、男性にホルモン注射を行う避妊方法が研究されていることをご存じでしたか?

 

この避妊方法について紹介された、2016年10月の英BBCニュースの報道内容をご紹介します。

 

 

男性へのホルモン注射による避妊の臨床試験

ホルモン注射は、精子の生産にかかわるホルモンの量を低減させる目的で行われ、避妊効果を求めるならば、ホルモンの量を通常の15分の1未満に低減させる必要があります。

しかし、長い間、実用化に踏み切れずにいた1番の原因は、高い確率で出現する、ざ瘡や気分障害を含む副作用の存在でした。

 

今回ご紹介するBBCニュースで報じられた研究は、ワシントンDCに拠点を置く内分泌学会が発表したもの。ホルモン注射による避妊の効果を、270人の男性被験者において評価したというものでした。

 

研究の対象となったのは、1年以上一夫一婦の関係にあり、パートナーから同意が得られた18歳から45歳までの男性。被験者は、研究開始前の精子数が正常であることを確認する測定を受けました。

そして、「1年間はほかの方法による避妊を行わない」という条件下で8週間ごとにホルモンを投与されます。避妊に十分な数に精子が減少するまでには、最長で6か月間かかったようです。1年ほどの定期的なホルモン投与の後、投与を止めるとどのように精子数が回復するかについてもモニタリングされました。

 

問題の副作用に関しては、うつをはじめとする気分障害や筋肉痛、ざ瘡といった症状が報告されており、副作用を理由に20人が途中で治験を辞退しています。副作用の懸念が高まった2011年、研究者らは新たな被験者の募集を止めました。

 

確認された有効性と実用化を阻む問題

この研究の結果、被験者の96%に効果が認められ、パートナーが妊娠したケースは4例ありました。この研究を行ったWHO(世界保健機関)のマリオ・フェスタン医師は、研究結果について次のように語ります。「この研究によって、ホルモン注射を用いた避妊を行っている男性は、望まない妊娠のリスクを低減できることが確認された」「被験者の75%はこの避妊方法をまた利用したいと回答しており、おそらく、彼らの副作用はそう重篤なものではなかったのだろう」。

 

ただ、副作用の問題が完全に解決したわけではなく、ホルモンの投与を止めて1年が経過しても、精子数が研究参加前の値に回復しなかった男性も8人いたそうです。

 

なお、注射以外の方法でのホルモン投与、ホルモン剤のゲル化を始め、これまでにもさまざまな研究、調査が行われてきましたが、どれも実用化や商品化には至っていません。

 

同じく、ホルモン薬を利用した避妊方法としては、女性が経口避妊薬を摂取する方法が知られていますが、こちらにも頭痛や吐き気などの副作用はあります。男性へのホルモンの投与による避妊方法の実用化は、パートナーと話しあった上での避妊の選択肢を増やすことにつながります。家族計画に、より主体的になる男性も増えるのではないでしょうか。
 

 

(文):A.Brunner

(参考):Male contraceptive injection 'shows promise'(BBC)

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