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2017年01月17日

それは本当に酸素?オーストラリアで起きた死亡事故

オーストラリアのシドニー南西部、バンクスタウン・リッドコム病院で2016年7月、酸素の代わりに誤って笑気を投与された新生児が死亡するという医療事故が報告されました。6月にも別の新生児に対する同様の投与ミスにより、脳障害が疑われる危険な状態となる医療事故が発生しており、立て続けに起きてしまった重大な医療事故。この原因は、医師や看護師などの医療従事者によるミスではありませんでした。

 

 

一体何があったのか?

ソニア・ガネムさんは、同病院のNICUから自分の赤ちゃんを元気な状態で家へ連れ帰ることが叶いませんでした。事故の後、ソニアさんら家族は、事故に関する情報の開示を求めて病院のスタッフと面談の機会を持ちました。わが子を突然失ったソニアさんは、テレビ局の取材に対して「私は、決して目覚めることのないわが子に『起きて、起きて。彼らはあなたに何をしたの?』と語りかけるの」と動揺を隠せません。

 

これらの痛ましい事故を受けて、病院とガス会社に対する調査が行われました。ニューサウスウェールズ州(NSW州)がまとめた調査報告書によると、事故の原因は、ガス会社による配管ミスであったとのこと。

 

同州保健省のジリアン・スキナー氏は、このような衝撃的な事故が起こったことは大変遺憾だとして、NSW州被害者とその家族を保健省が全面的にサポートすることを表明しました。

 

ガス会社の見解は?

同社はNSW州が行った調査結果のレポートを受けて、会社の非を認め、改めて被害者家族に陳謝しました。

 

また、今後の継続的な調査への、全面的な協力を誓うとともに、すでに着手しているという事故の再発防止とさらなる安全性の向上を目指した取り組みに関しても公表しました。

この取り組みの1つが、医療ガスの配管テストのレベルの向上です。新しい配管の導入に際しては、病院への納品前に導入担当者以外の会社の代表による最終チェックを受けます。この最終チェックは、病院代表が1人以上立ち会った上で行われます。

 

医療スタッフが酸素と笑気を誤って投与してしまうケースは想定できても、この事例のように、中央配管から誤ったガスが供給されるという状況を誰が想像できたでしょう。これは極めてまれな事故事例ですが、おそらく、当時の現場はかなり混乱したことでしょう。このようなミスが起こるとは、医療スタッフにとっては悪夢と呼ばざるを得ません。

 

(文):Ryo’S.

(参考):

Baby dies at Bankstown-Lidcombe Hospital after oxygen mix-up in neo-natal unit (ABC)

Bankstown-Lidcombe Hospital medical gas findings report released (NSW Health)

Statement on NSW Health investigation report (BOC)

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コメント一覧(3)

3匿名2017年01月19日 14時30分

完全に業者のミスでしょ。看護師のせいにすんな。

2ねこ2017年01月18日 11時21分

近くに住んでた

1匿名2017年01月17日 13時10分

元の配管から間違ってたら、私達には成す術がないじゃん(>_<)使用前に味見する訳にいかないし…。

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