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2016年11月01日

転職すると奨励金は破格の10,000ユーロ(115万円)!? 破格のイギリス看護師求人のウラ側

イギリスの病院がアイルランドの看護師を大量に獲得するために、通常の6倍以上にあたる最大10,000ユーロ(115万円)という破格のインセンティブパッケージ(奨励金・転職に伴う支度金)のオファーを掲げて求人活動をしています。

 

 

高額な奨励金を掲げる理由

イギリス国内での看護師の転職にともなう支度金の一般的な相場は、1,500ユーロ(17万2,500円)ほど。

 

イギリスの病院がこのような高額なインセンティブのオファーを掲げてまでも求人に力を入れる理由は何でしょうか?

 

一部では、看護師不足が原因で患者さんのケアが充分になされていないという問題が起こっているだけでなく、看護師自身のバーンアウト(燃え尽き症候群)までにも波及している現状が知られています。

 

イギリスの欧州連合(EU)離脱決定により、それまでイギリスの医療機関で勤務していたアイルランドの看護師が将来的に労働ビザの問題が生じることを見越して、最近母国へ帰国してしまっていることも深刻な看護師不足にさらに拍車をかけています。

 

イギリスの国民保健サービス(国営医療保険制度)経営下の病院は、アイルランドの首都ダブリンで開かれる55カ国が参加する医療スタッフと雇用のエキスポで23,400人の看護師と他職の医療スタッフの確保を目指しているそうです。

 

仮に、こうした活動を通じてイギリスの病院が看護師のリクルーティングに成功すれば、今度はアイルランドの看護師の採用枠に空きが出る事態に直面します。

 

アイルランド国内での厳しい看護師の就職事情はおそらく一転することになるでしょう。

 

国民保健サービス経営下の病院であるスタッフォードシアとストークオントレントの責任者は、彼らの病院では、アイルランドの看護師30人を10,000ユーロ(115万円)のインセンティブパッケージで採用予定であることを公表しています。

 

この金額は、看護師たちがアイルランドの自宅を売却するなど不動産の手続きや引越しの費用を補助するため。

 

パッケージには、アイルランドからイギリスへと引越しするための準備や移動日などに必要な期間(2日間限定)も有給休暇扱いとするといった待遇も含まれています。

 

高額なオファーは魅力的?

高額なオファーを掲げるイギリス国民保健サービスですが、これまでのところ実際に採用した看護師数はまだ83人だけ。

 

イギリス国民保健サービスの代理人のジャック・チェンバース氏は、「この数は全くの期待外れ。看護師たちにとってもっと魅力的な新しいアイデアを考える必要があります」と、課題を踏まえ、今後引き続き採用を拡大していく姿勢です。

 

病院が看護師の採用に積極的に取り組むことはよいですが、働きやすい環境を整えることなどを建設的に考慮していかなければ、ケアを受ける患者さんに人員不足による悪影響が及んでしまうことになるとのことです。

 

実際の契約内容

下記は、アイルランドの一般的な雇用条件とイギリスの看護師不足を解消するために設定されたアイルランド在住の看護師に対する雇用条件の詳細です。

 

イギリスの厚遇ぶりを改めて確認できることでしょう。

 

■アイルランド保健局がイギリス在住の看護師に提示する雇用条件

 

・給与は、経験と勤務年数により27,483ユーロ(約316万円)から43,800ユーロ(約500万円)

 

・異動手当(再就職手当)として1,500ユーロ(17万2,500円)

 

・看護師資格登録料として100ユーロ(1万1,500円)

 

・卒後教育費用(通信教育)と専門技術向上のための教育を受ける機会が得られること

 

・アイルランド外での勤務も臨床経験として付加すること

 

・勤務時間は、週39時間と祝日は完全休暇

 

・優れた公的年金への加入

 

■イギリス保健サービスがアイルランド在住の看護師に提示する雇用条件

 

・給与 階級別条件(一部。イギリスの看護師は1~9階級まであり)


階級Band 5(新卒登録看護師):年間27,582ユーロから35,832ユーロ(約317万円から約412万円)

 

階級Band 6(主任クラス):年間33,113ユーロから44,347約380万円から約509万円

 

・勤務時間は週に37.5時間

 

・27日間の有給休暇と8日間の祝日休暇

 

・異動費用(配置転換費用)として賃貸宿舎の人には6,300ユーロ(約72万円)、持ち家の人には10,000ユーロ(115万円)の手当を支給

 

・引越しのためにかかる準備と移動の日の有給扱い休暇

 

 

日本と異なり、ボーナス制度の無い両国の給料に驚かれた人もいるかもしれません。

 

一方でワークライフバランスを重視し、プライベートの時間が確保できるよう、有給休暇も労働者の権利として必ず年間に決められた日数を得ることができます。

 

病気による欠勤については、政府が罹患者を勤務させてはいけないと定めて別の休暇が設けられているため、有給休暇が減少してしまう心配もありません。

 

価値観は人それぞれですが、もし日本でこんな雇用条件で声をかけられたら、みなさんはどう判断しますか?

 

※ユーロは、記事執筆時2016年9月のレートにより1ユーロ=115円で計算。

 

(文):A.Brunner

(参考):UK hospitals wooing Irish nurses with €10,000 offer(Independent.ie

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コメント一覧(1)

1匿名2016年11月01日 08時53分

羨ましい制度ですね

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