夏の終わりからの体調不良を見過ごさないで。季節の変わり目に知っておくべきこと
夏も終わりに近づき、暦は秋へと移り変わっていきます。季節の変わり目には体調を崩す患者さんが増えたり、自分自身もなんとなく不調が続いたりしませんか。
気圧や気温の変化、秋に多くなる花粉の影響など、季節による体調の変化を知っておくと看護師としては心強いはず。
そこで、今回は秋に向けて意識しておきたい体調の変化についてまとめました。
夏の終わりからの体調不良を見過ごさないで。季節の変わり目に知っておくべきこと
【目次】
頭痛、めまい、倦怠感―台風で増加する訴えの原因は
秋になると各地のニュースを賑わせるのが台風です。
台風による気圧の変化がさまざまな症状を誘発したり、悪化させる原因になることがあります。
●気圧の変化で注意が必要な症状
台風が多くなる時期は気圧の変化が激しく、台風が近づくと急激に低気圧に傾きます。そうなると、血圧や心拍が下がり、頭痛、腰痛や関節痛、喘息、めまいなどの症状が表れることがあります。
●低気圧への反応が症状として表れる
普段感じることはありませんが、空気には重さがあり、私たちは身体が外気圧に押しつぶされないように空気を押し返しています。そのため、外気圧に対して押し返す圧を調節する必要があります。
低気圧になると、身体は外気圧に順応して圧を下げようとします。その結果、小さな細胞のひとつひとつが膨張して拡張した血管や細胞そのものが周囲の神経や傷を圧迫し痛みを増強させます。これが頭の中で起こることが頭痛、痛みのある腰や関節の痛みを悪化させる原因です。
また、細胞が膨張すると、細胞壁の網目が広がり、そこから水分が細胞外に移動しむくみやすくなります。喘息の場合、このむくみのために気管支が狭くなったり、分泌液が増えるため咳や呼吸困難感を伴う発作を起こしやすくなります。
他にも、気圧によって内耳のリンパ液の圧が変化するため、メニエール病などによるめまい発作が誘発されます。
●予防・改善方法
外気圧の変化を変えることはなかなか難しいですが、気圧の変化で症状が悪化することを予測して前もって症状とうまく付き合う方法を身につけておくことが大切です。たとえば、仕事や外出時には症状を抑えることができる薬を持ち歩いたり、天気予報をみて予定を組むなどです。
患者さんに対しても、不安がある場合は注意を促す、医師と相談するなど、患者さんや周囲のご家族が安心して過ごせるよう指導できるとよいでしょう。
季節性うつ―涼しくなると表れるうつ症状
今年の立秋は8月7日なので、暦の上では既に秋に突入しています。最近は徐々に朝、夕が涼しく過ごしやすくなってきたと感じる方も多いのではないでしょうか。
その反面、気分が落ち込む、寝ているのに寝足りない、疲れやすい、異常な食欲があるなどの症状に悩まされることがあります。このような症状は、もしかすると季節性うつが原因の可能性があります。
●季節性うつって?
季節の変動によって身体が感じる負担が原因となってうつ症状が引き起こされる場合、「季節性感情障害」(季節性うつ病)といわれます。
季節性のうつ症状は一般的なうつ症状と異なり、秋から冬にかけて症状が表れはじめ、春に向けて軽くなるという特徴があります。また、食欲が低下せず、過度のストレスがない状態でも症状が表れることがあるため、うつであると気付きにくく見過ごされることも多くあるようです。
●日に当たらないことが原因
季節性うつの原因は、主に日照時間だと言われています。
秋にかけて大きく変化するのは気温や太陽光の強さ、日照時間です。詳しいメカニズムはまだわかっていませんが、秋から冬に向かうにつれて日照時間が減り、太陽光の刺激を浴びることが少なくなるために、別名睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの元になるセロトニンの分泌が減り体内時計のリズムが崩れることが原因なのではないかと考えられています。
また、気温の低下も身体に負担をかけ、結果的に自立神経の乱れを起こしてしまうことがあります。夏から秋に向けた急激な気温の低下や日々の気温差が激しくなると、自律神経の切り替えが正常にできなくなってしまいます。
●職場環境の変化も要因に
看護師の皆さんは、新人さんが仕事にも慣れはじめ病院内での異動が増えてくる時期でもあります。そのため、新しい環境で身体が感じる負担も大きくなりがちです。
このような、身体が感じるさまざまな負担が交感神経と副交感神経のバランスを崩す原因となり、自律神経の乱れにつながるのです。さらに、自律神経の乱れがもたらす不調は、体力低下、免疫力の低下も招く恐れがあります。
●予防・改善方法
季節性うつを改善するためには、朝に日光を浴びることが大切です。それも朝9時頃までに浴びることがよいとされています。
これには3つの効果があります。
1つ目の効果は、ちょうど寝る時間に多くのメラトニンが分泌されるため、眠りを誘い良い睡眠へとつなげられることです。
セロトニンが分泌されてから、メラトニンがつくられるまで約14時間かかるとされています。そのため、夜寝る時間から逆算すると朝できるだけ早い時間に日光を浴びる必要があります。
2つ目の効果は、体内時計がリセットされることです。
メラトニンは明るくなるにつれて分泌量を減らし、徐々に身体が活動できるように準備をはじめます。そのため、眠りから気持ちよく目覚め、身体のあらゆる機能を正常に働かせるためには遮光カーテンなどで部屋を真っ暗にするのではなく、朝方から徐々に光が入って室内が明るくなるように工夫するとよいでしょう。
3つ目の効果は、適度な疲労感ができることです。
日光は身体にさまざまな刺激を与え、ストレスがかかります。ストレスと言っても、負担になるほどのものではなく、良い睡眠につながる適度なストレスです。そのため、日中は部屋を明るくして過ごすことが大切です。
その他、バランスのよい食生活にも心がけましょう。特にセロトニンの原材料になる必須アミノ酸のトリプトファンとセロトニンの合成に必要なビタミンB6を食事に追加すると効果的です。
【トリプトファンが多く含まれる食品】 麺類や豆類、魚類、肉類
【ビタミンB6が多く含まれる食品】 魚類、肉類
さらに、適度な運動やストレス発散なども季節性のうつ病の予防、改善に効果があります。
秋花粉―長引く風邪症状は花粉が原因?
なかなか治らない風邪の症状がある方、この時期になると同じような症状が出るという方は、もしかすると秋に飛散する花粉が原因のアレルギーかもしれません。
花粉のアレルギーというと、春にかけて飛散するスギやヒノキの花粉が有名ですが、実はアレルギーの原因となる花粉は1年中飛散しているのです。秋に多くなるのはブタクサ、ヨモギ、カナムグラの「雑草」といわれるものです。
これらは春のスギやヒノキほど飛散量は多くないものの、アレルギー反応が出る方も多く、症状はスギやヒノキより強いとも言われています。
アレルギー症状の特徴としては、水溶性で垂れてくるような鼻水、喉や皮膚、目などのかゆみ、鼻づまりなどがありますが、症状のあらわれ方には個人差があり風邪と見分けが付かないような症状もあります。
風邪をひいたのだと思って風邪薬を飲んでいてもなかなか良くならず、ズルズルと症状が続く場合は秋の花粉によるアレルギーを疑ってみましょう。
【ライター:こたつむし】
(参考)
季節性感情障害 (SAD) - Royal College of Psychiatrists
成人喘息の疫学、診断、治療と保健指導、患者教育(厚生労働省) (※PDF)
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