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2012年12月14日

医療コーディネーター×緩和ケアナース 岩本ゆりさん【前編】|憧れナースに会ってきた!

「先生の言ってることが分からない」「自分がこの先どうしたらいいのか分からない」
看護師をしていると、このような不安を抱える患者さんに出会う場面は多いのではないでしょうか?
今回会いに行った看護師、岩本ゆりさんはそんな患者さんの不安を解消することをそのままお仕事として独立開業された方です。まだ業界でも数少ない「医療コーディネーター」という働き方について、お話をうかがいに行ってきました! 

 

憧れナースに会ってきた!医療コーディネーター×緩和ケアナース岩本ゆりさん|看護師専用ウェブマガジン【ステキナース研究所】

岩本ゆりさん 楽患ナース株式会社 取締役/楽患ナース訪問看護ステーション管理者

1972年生まれ。神奈川県出身。産科・婦人科・ホスピスでの7年間の病棟経験を経て、2003年医療コーディネーターとして独立。病院勤務時代に患者支援団体「楽患ねっと」を設立、現在は副理事を務める。同団体では「患者の声を医療にいかし、患者中心の医療の実現を目指している。共著に『あなたの家に帰ろう』『患者と作る医学の教科書』『患者中心の意思決定支援 納得して決めるためのケア』がある。


 

■治療に不安を抱える患者さんをサポート

訪問したのは東京都足立区にある岩本さんのオフィス「楽患ナース」。

庶民的な商店街を少し抜けたところに、明るく開放的な空間がありました。


そもそも医療コーディネーターってどんなお仕事なんでしょう?
名前からすると、患者さんにあった治療法をアドバイスしたり、医療機関を斡旋したりすることがイメージされますが・・・。

「確かに、独自の名医リストなんかを持っていて、オススメの病院を紹介してくれるんだと思われている方がいらっしゃいますが、違うんですよ(笑)。
私がするのは、あくまでも患者さんの意志決定をお手伝いすること。治療法に迷っている方達のお話を聞いて患者さん自身が納得できる答えを一緒に探し出すことが、この仕事の目的です。」

どうやらイメージしていたものとは違うようです。

 

憧れナースに会ってきた!医療コーディネーター×緩和ケアナース岩本ゆりさん|看護師専用ウェブマガジン【ステキナース研究所】

 

 

岩本さんへの相談は、メールや電話で週2~3件のペースで届きます。相談者の7割は癌、うち半数は末期癌患者の方やそのご家族だそう。他にも急性期や難病の方などから治療法に対する不安や疑問、主治医への不信感などの相談が寄せられます。

『毎年健診を受けていたのに、急に胃がんと診断され、しかももう手術ができない状態なんて信じられない』『これ以上治療法がないので、ホスピスにと言われたんだけど、どうしたらいいのか・・・』『急に倒れちゃって、胃ろうを薦められたけど、どう決めたらいいか分からない』

「こうした相談者の多くは今の状況に不満をお持ちです。でもその不満の原因は治療そのものよりも、ご自身の置かれている状況が理解できていないことによる場合が多いんです。」

 

 

 

■病院には相談できなくて

医師を前にすると言いたいことが言えず、聞きたいことも聞けない。
自分の体のことなのに、何が分からないかも分からないままに体調だけがどんどん悪くなっていく・・・。医療コーディネーターの仕事は、そんな患者さんの不安・モヤモヤを解決することから始まります。

 

「実際のご相談の時には、ご相談者のご自宅に訪問して対面でお話をします。

治療の際の資料を見せていただくと、治療方針や内容など大体のことは分かるので、それを患者さんにも分かるように整理して、『医師にこんな風に言われませんでしたか?』『こんな検査受けたのでは?』などと、状況を再現しながら振り返ります。
今かかっているのがどんな病気なのか、なぜこの治療を受けるのか、治療を受けるとどうなるのか、そんな未来予想も含めて改めてお伝えすることで、ようやく相談者の方も『あぁ、先生の言いたかったことって、そういうことだったんですね。』と理解されるんです。」

 

そうして、患者さんに現状を理解していただいた上で、今後どうしたいのか、どのように病気に向き合っていくのかを一緒に考えます。ご本人が何を大切にしているかを確認するわけです。

 

 

 憧れナースに会ってきた!医療コーディネーター×緩和ケアナース 岩本ゆりさん|看護師専用ウェブマガジン【ステキナース研究所】

 

「転院したいと言われる方には、転院することのメリットとデメリットをお伝えし、私が調べられる範囲で今の病院の専門性や、近隣の医療機関についてもお話します。主治医を変えたいなら、じゃあ、どんな医師を望んでいるのかという点を確認するようにしています。」

 

希望があれば主治医の診察に同行したり、セカンドオピニオンを一緒に聞きに行くこともあるそう。

 

「医師がその場で説明しても分からないことがありますから、通訳の役割ですね。
でも今の時代、病院がそんなに間違った情報を患者さんに出していることってないんですよ。
ただ、それがうまく患者さんに伝わっていないだけ。相談した結果、結局今の病院で医師に言われた治療法を続ける方も多いです。」

 

憧れナースに会ってきた!医療コーディネーター×緩和ケアナース 岩本ゆりさん|看護師専用ウェブマガジン【ステキナース研究所】 

 

会うのは平均して1~2回。ご家族そろってお話する機会も多いとか。

 

「ご家族の間で治療方針が違っていることもありますが、結局大切なのは患者さんご本人の意志。

時々『とにかく親を説得してください!』というご依頼もあるんですけど(笑)、それはお受けできないので、皆が納得できる答えが見つかるまで時間をかけて話し合います。

ご家族それぞれの想いや状況を整理して、今抱えている問題が何なのか、そして何が一番大切なのか…第三者が入ることで、当人同士では言えなかった本音を初めて語り合われることもあります。そんな時はやりがいを感じますね。」

 

話し合いが進むうちに、患者さんからの表情から迷いが消え、これで納得して治療に専念できます、などと言われる時が、この仕事をしていて一番嬉しいと感じる瞬間だそうです。

 

 

ー独立して約10年、今では医療コーディネーターの育成にも力を入れている岩本さん。

次回は、「医療コーディネーターに求められる能力について」お話をうかがいます!

 

———後編に続く 

  


【ナースオブザイヤー投票受付中!】

岩本さんが副理事をつとめる患者支援団体「楽患ねっと」では、「患者が元気でいるためには、看護師さんが元気じゃなくちゃ!」という想いから2009年から輝いている看護師さんを表彰しようと「ナースオブザイヤー」を開催しています。

今年はようやくその候補者が出そろったところ。ただいま(2012/12/7~2012/12/31)投票受付中です!

投票はこちらから→ナースオブザイヤー2012 公式サイト

このページをご覧の皆さま、あなたが思う輝きナースに清き一票を!!

 

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コメント一覧(5)

5匿名2014年05月07日 06時07分

当たり前のことかもですが、よく話をきける人じゃないと無理だな・・・

4匿名2014年05月07日 06時05分

今の時代、必要としている人、多いでしょうね。

3とくめい2013年10月02日 22時41分

確かに必要かもしれません。

2匿名2013年06月09日 10時46分

憧れます

1匿名2013年05月19日 18時44分

勉強になります。

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  • 1.抗がん剤の投与時には、揮発した抗がん剤を吸入したり、手指に付着した抗がん剤を経口摂取したりしてしまうなどで医療者が曝露しないようにする。
  • 2.抗がん剤の投与時には、二重手袋、ガウン、フェイスシールド、マスク、吸入器防護具(N95マスクなど)の使用が望ましい。
  • 3.抗がん剤投与終了後24時間は曝露のリスクがあるとされているため、患者さんの体液や排泄物は注意して扱う。
  • 4.経口抗がん剤を在宅で内服する患者さんには、できる限り患者さん以外が薬剤に触れないよう指導する。
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