1. 看護roo!>
  2. ステキナース研究所>
  3. 日経メディカルAナーシング>
  4. 緩和ケア 7つの誤解|誤解6◆モルヒネは命を縮める

2016年07月25日

緩和ケア 7つの誤解|誤解6◆モルヒネは命を縮める

【日経メディカルAナーシング Pick up!】

 

「患者だけでなく、医療者の中にも『モルヒネは命を縮める』といまだに誤解している人がいる」。

こう話すのは永寿総合病院(東京都台東区)の廣橋猛氏だ。

医療用麻薬の1つであるモルヒネは、呼吸回数を減らして呼吸しやすくする作用を持つ。

「緩和ケア講習会の普及で、医療者間のモルヒネに対する誤解は減ったが、研修会に出たことのない医師も多く、モルヒネ使用に尻込みする医師も少なくない」と愛和病院(長野市)の平方眞氏は指摘する。

(満武 里奈=日経メディカル)

 

 

緩和ケア 7つの誤解

誤解6◆モルヒネは命を縮める

廣橋氏はこうした誤解について、そもそも余命わずかな患者にモルヒネを投与したことで「早いスピードで亡くなった」という印象を持つからではないかとみる。ただし、呼吸抑制が起こり得るモルヒネを、適量より多く投与することで、死期を早めてしまう恐れはある。「モルヒネは決して命を縮める薬ではなく、苦痛を和らげる薬。適切に使用することで、確実に苦痛を和らげ、生活の質を高めることができる」(廣橋氏)。

 

もっとも、医療者以上にモルヒネに不安感を持っているのが患者と家族だろう。患者がモルヒネに誤解を抱いているとき、平方氏はその誤解を解いた上で医療用麻薬を投与するようにしている。投与前には次のように説明しているという。

 

例えば、「今使っている薬では痛みは十分に抑えられないので、次の段階の痛み止めが必要です。『医療用』麻薬の一種で、多くの患者さんが今のような状態のときに使用して痛みを取っています。今までの痛み止めとは異なる副作用(便秘、初期の吐き気、初期の眠気)が出ることがありますが、副作用で困らないようにする薬も一緒に処方します。最初から痛みが止まらなくても、痛みに応じて増やすことができる薬剤です」。

 

また、「『つらそうだからモルヒネで寝かせます』という考えも間違っている」(廣橋氏)。

モルヒネ投与で眠くなるようであれば、副作用が出ていると見なす。患者を鎮静(セデーション)するのであればモルヒネではなく、注射剤のミダゾラムやフルニトラゼパム、坐薬のジアゼパムを使用するとよいという。「モルヒネは鎮静薬ではなく、寝かせる薬でもない。鎮静薬をうまく使用してほしい」と廣橋氏はアドバイスしている。 

 

 

【緩和ケア 7つの誤解】

誤解1◆緩和ケアは癌治療後に開始

誤解2◆予後は予測できない

誤解3◆緩和ケアは痛みの緩和

誤解4◆医師の説明を患者は理解している

誤解5◆レスキュー薬はできるだけ制限

誤解6◆モルヒネは命を縮める

誤解7◆点滴しないと死期が早まる

 

<掲載元>

日経メディカルAナーシング

Aナーシングは、医学メディアとして40年の歴史を持つ「日経メディカル」がプロデュースする看護師向け情報サイト。会員登録(無料)すると、臨床からキャリアまで、多くのニュースやコラムをご覧いただけます。Aナーシングサイトはこちら

この連載

  • 《prologue》「病状が落ち着いてから」はもう古い! [08/08up]

    【日経メディカルAナーシング Pick up!】   リハビリテーションは、「病状が落ち着いてから機能訓練室で行うもの」と考えられがち。だが、病院を挙げて急性期治療と同時に始めれば、廃用を防止でき、慢性疾患の生命予後も改... [ 記事を読む ]

  • 緩和ケア 7つの誤解|誤解7◆点滴しないと死期が早まる [08/01up]

    【日経メディカルAナーシング Pick up!】   「『輸液を絞ると死期が早まってしまう』という誤解が医療者にも患者にもある」と今回取材した緩和ケア医たちは口をそろえて指摘する。 死を前にして食欲減退を示す患者に... [ 記事を読む ]

  • 誤解6◆モルヒネは命を縮める [07/25up]

    【日経メディカルAナーシング Pick up!】   「患者だけでなく、医療者の中にも『モルヒネは命を縮める』といまだに誤解している人がいる」。 こう話すのは永寿総合病院(東京都台東区)の廣橋猛氏だ。 医療用...

  • 誤解5◆レスキュー薬はできるだけ制限 [07/18up]

    【日経メディカルAナーシング Pick up!】   「レスキュー薬」(定期鎮痛薬では十分に痛みがコントロールできない際に臨時で服薬するオピオイド速放性製剤)を処方する際、薬が効き過ぎて副作用が生じるのではないかと考えて... [ 記事を読む ]

  • 緩和ケア 7つの誤解|誤解4◆医師の説明を患者は理解している [07/11up]

    【日経メディカルAナーシング Pick up!】   最後の抗癌剤治療が奏功しなかった患者に、「もう治療選択肢はないので本格的な緩和ケアを行いましょう」と医師が説明する。すると患者は「先生を信じて治療を続けてきたのに治療... [ 記事を読む ]

もっと見る

コメントを投稿する

コメント入力
(100文字以内)
ニックネーム
(12文字以内)

コメント一覧(1)

1匿名2016年07月25日 21時23分

医療を知らない主人も同じように 「モルヒネを使うと命がちじむ」と言っていた。正しい情報をみんなにわかった欲しいですね

いちおし記事

点滴の留置針交換でモヤモヤ|看護師かげと白石の今週のモヤッと(8)

タイミングの違いに関する3年目ナースのお悩み。あなたの職場ではどんなルールがある? [ 記事を読む ]

認知症の患者さん「攻撃性がある」と感じたら?

事例をもとに対応のポイントを解説! [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

日常生活でうっかりつかってしまう専門用語ある?

投票数:
1355
実施期間:
2019年10月29日 2019年11月19日

人に言いたくなるキラキラ休日の過ごし方は?

投票数:
1255
実施期間:
2019年11月01日 2019年11月22日

尊敬する先輩ナースのエピソードある?

投票数:
1107
実施期間:
2019年11月05日 2019年11月26日

生まれ変わったら何になりたい?

投票数:
1077
実施期間:
2019年11月08日 2019年11月29日

看護師が選ぶ!キャラクター大賞!2019

投票数:
928
実施期間:
2019年11月12日 2019年12月03日

実は勘違いしていた医療用語ある?

投票数:
725
実施期間:
2019年11月15日 2019年12月06日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者1024

◆呼吸器の問題◆緊張性気胸には表れにくい身体所見はどれでしょうか?

  • 1.気管偏位
  • 2.奇異呼吸
  • 3.頸静脈怒張
  • 4.皮下気腫
今日のクイズに挑戦!