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2016年05月25日

NP、特定看護師が目指すのはチーム医療のキーパーソン

第19回日本臨床救急医学会総会・学術集会2016」にて、池上敬一氏(独協医科大学越谷病院)、石井美恵子氏(東京医療保健大学)司会の下、シンポジウム5「看護師業務拡大の課題と今後の方向性」が行われた。

 

前半は草間朋子氏(東京医療保健大学)、池上氏、山下智幸氏(昭和大学)、津田雅庸氏(愛知医科大学)により診療看護師(ナースプラクティショナー;NP)や特定看護師の能力をどのようにアップさせ、活用していくのかが話された。
後半は診療看護師、特定看護師の立場から冨岡小百合氏(中河内救急救命センター)、本田和也氏(長崎医療センター)、青柳智和氏(近森病院)、山下 愛氏(関西労災病院)、石渡智子氏(済生会横浜市南部病院)が自身の活動報告などを行った。

 


池上敬一 石井美恵子

司会の池上敬一氏(左)、石井美恵子氏(右)

 

法的にチーム医療のキーパーソンとして認められた「特定看護師」
「特定看護師」という新たな職種の確立を目指すには
特定行為の介入よりも連携的役割を求められる特定看護師
職種特有の考え方、所属する診療科のカラーを知る

 

法的にチーム医療のキーパーソンとして認められた「特定看護師」

「日本における看護職の役割拡大はNP教育からスタートした」と話し始めたのは、草間朋子氏。
草間氏は、米国のNP制度を日本でも導入できるよういち早く活動を始め、大分県立看護科学大学学長時に日本で初めてNPの養成教育を開設するなど、日本におけるNP普及・教育の第一人者でもある。

 

草間氏は、今回の特定看護師に関する法令改正では「特定行為にのみ注目されすぎているのでは?」と冒頭に疑問を呈し、そもそも、特定行為に係る看護師の研修制度は、「チーム医療のキーパーソンとなる看護師を作ろう」というのが目的であるはずだと述べた。

 

今回の保助看法の改正は、「特定研修を終了した看護師がチーム医療のキーパーソンとなる」と法的に位置付けられたということであり、「今後は、看護師自身が社会的な認知度を上げる努力をしなければならない」と話した。

 

そして今後、NPや特定看護師が「特定行為ができる看護師から、全身的な診療を行えるような全人的なケアに基づくサービスの提供ができる看護師になっていくことを期待する」と述べ、そのためにも「今後の診療報酬改定で、特定行為に対して診療報酬を取ることができるようにしていきたい」と話し発表を終えた。

 

「特定看護師」という新たな職種の確立を目指すには

現在認められている38の特定行為区分は、その多くが救急・集中治療領域のものを含んでいる。そのため、「救急集中治療領域での特定看護師の活躍が期待される」と話すのは津田雅庸氏。
津田氏は医師の立場から特定看護師に期待することや今後の課題について述べた。

 

津田氏によると、特定看護師が特定行為を実践することのメリットとして、病態変化への早期介入により、重症化が回避できるという患者へのメリットや医師と他の医療スタッフとのパイプ役になってもらえるなど医師へのメリットなどを挙げた。

 

その一方で、今後、特定看護師が医師の補助という役割ではなく、新たな職種として確立するためには、

・問題が起こったときの責任の所在など、医療の安全体制について

・手順書以外の医療行為の範囲の制度化

勤務体系の違い(医師は24時間勤務だが、現状、看護師は難しい)

などをクリアしていかなければならないと述べた。

 

 

最後に、今後、さらに特定看護師の活用を広めるために

・全時間帯で常に特定看護師の勤務者がいるくらいの人数の育成

・医師の間での特定看護師の認識の向上

・特定行為のさらなる拡充

・チーム医療の核となる人材の育成

 

などが必要であると話し、「数年後には全国の病院で特定看護師が当たり前の存在になるよう、医師や看護師を始めとする医療スタッフの理解と協力が必要」であると述べた。

 

 

特定行為の介入よりも連携的役割を求められる特定看護師

実際にNPや特定看護師として活動している発表者の話からは、現在、現場での特定看護師の活動には「チーム医療のキーパーソン」的な活動が多いことが伺えた。

 

本田氏は、長崎という離島を多く抱える医療圏としてのNP研修と実際の活動について、グラフを用いながら紹介した。
同センターでのNP研修は3年間であり、1年目は救急と総合診療について各6ヵ月、2年目は同じく救急と総合診療に加えて小児を6ヵ月、形成外科を1ヶ月研修した後、3年目で脳神経外科や総合診療科、新生児科などの各診療科および離島医療圏に所属するという。

 

さらに、本田氏は救急科や脳神経外科におけるNPの活動内容について、救急科では特定行為が必要な患者は多いものの、研修医も多いため、手技を実践できる機会は限られていると述べる。
また脳神経外科でも、特定行為の介入は全体の活動の7%に過ぎず、病棟対応やコンサルトなどの連携的役割が大半を占めていることを紹介した。

 

職種特有の考え方、所属する診療科のカラーを知る

司会の池上氏が「チーム医療を行ううえで、NPに求められるものは?」という質問をシンポジストに投げかけると、山下 (愛)氏は「さまざまな職種の専門家の連携を図ろうとすると、職種間で意見が相反することがある。そこをどう上手く統合するかが必要」だとし、池上氏は「医師や放射線技師、検査技師など、その職種特有の考え方がある」と答えた。

 

また、津田氏は職種特有の考え方だけではなく、「医師や医局、所属する診療科の方針など、それぞれにカラーがある」と話す。そのため、NPや特定看護師は、自身が活動する現場のそういったカラーを学ぶ必要もあると指摘した。

 

最後に山下(智)氏が看護師自身の教育は重要だとした上で、「院長や看護部など、病院を動かす立場の人々が、特定看護師をどのように活用するかを学んでもらいたい」と話すと、他のシンポジストも大きくうなずいた。

 

シンポジウム5 「看護師業務拡大の課題と今後の方向性」のシンポジスト

 

【看護roo!編集部】

 

 

2016年5月12(木)~14日(土)
第19回日本臨床救急医学会総会・学術集会2016

【会長】

高田雄三(福島県医師会)

 

【副会長】

田勢長一郎(福島県立医科大学)

 

【副会長】

石井正三(日本医師会)

 

【会場】

ホテルハマツ/ビッグパレットふくしま

 

【学会HP】

日本臨床救急医学会

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64歳の男性患者さん 。心不全が再発し、入院することになりました。内服薬の管理・食事の制限ができていないことが問題となっています。独居で支援者はいません。栄養士からの栄養指導を実施しましたが、「1人暮らしで食事なんて作っていられない。3食ちゃんと食べているのだからそれでいいだろう。病院の食事なんて味が薄くて食べられない」と話し、食事療法を取り入れるつもりはない様子です。この患者さんへの看護師の介入方法として、最も優先すべきものでしょうか?

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