通信制看護師養成所の入学要件を「経験7年」に―省令案にパブコメ募集

准看護師が通信制の看護師学校養成所に入学する際、業務経験10年以上を必要とする点などを見直した、「保健師助産師看護師学校養成所指定規則の一部を改正する省令案」(仮称)を厚生労働省がまとめ、パブリックコメントを募集しています。

 

 

省令案では、准看護師としての業務経験年数を「7年以上」に短縮することとあわせ、教育の質を担保するため、必要な専任教員のうち看護師の資格を有する者の数を 10 人以上確保と定めています。

パブリックコメントの募集期間は2月17日までです。

 

省令案の内容は以下のとおり。

(1)看護師学校養成所のうち、通信制の課程の入学・入所要件として必要な准看護師としての業務従事年数を、10 年以上から7年以上に短縮する。

 

(2)看護師学校養成所のうち、通信制の課程における必要教員数について、看護師の資格を有する専任教員の数を、現行の7人以上から10 人以上(ただし、学生又は生徒の収容定員が 300人以下の学校養成所にあっては、8人以上)とする。

 

看護師不足解消の切り札か

政府は、充実した医療のために2025年には200万人の看護師が必要になると位置づけ、少子化が進む中で看護師の確保は重要課題になっています。看護師の増加を推し進めよういう風潮の一方、看護師養成課程(通信制)は、准看護師として10年以上の業務経験を入学資格としているため、一部からは条件緩和を求める声が上がっていました。

 

それらを踏まえ、昨年6月に閣議決定した「日本再興戦略 改訂2015」において、「地域医療体制の充実に向けた看護師養成のため、通信制看護師学校養成所の入学基準について、准看護師としての業務経験年数を現行の 10 年から大幅に短縮することについて全国的な措置として検討し、本年中に結論を得て、速やかに措置する」ということが決まり、協議が進められてきました。

 

歓迎の一方、質の低下危ぶむ声も

協議が進む中、人手不足に悩む病院や看護師を目指す准看護師らからは、歓迎の声が上がっています。特に准看護師は働きながら通信制の養成所に通う人が多いため、ネット上では「少しでも体力のあるうちに目指せるようになる」などステップアップの後押しになるという意見が多くみられました。

 

一方で、業務経験が少なくなるため、看護師の質の低下を危ぶむ声もあります。

日本看護学校協会は入学要件緩和についての意見書を提出し、「経歴経験は様々で、卒業時の到達度に大きな影響を与えています」と指摘しています。その上で、卒業時の到達水準を一定にするため、本人が全日制・定時制・通信制の養成形態を選べるようにすることや、入学緩和する場合は教育課程の改正が前提条件であると意見しています。

 

将来的には経験5年になる可能性?

当面は准看護師の業務経験年数は当初の「大幅」という計画からはやや譲歩した7年に落ち着き、専任教員の数を10人に増やしたことで輩出する看護師の質の確保を目指すという案になりました。また、2018年4月の施行後、業務経験年数を5年以上に短縮することを含めて再度検討する方向性も省令案には明記されており、「その結果に基づいて、この省令の施行後3年を目途に必要な見直しを行う」としています。

 

この省令案に対する意見提出は以下から行えます。

(募集期間:2月17日まで)

保健師助産師看護師学校養成所指定規則の一部を改正する省令案(仮称)に関する意見の募集について

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