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2016年01月05日

放っておくと怖い? 貧血の原因と意外な病気の可能性|働くナースが知るべき病気【10】

婦人科医の清水なほみが、看護師のみなさんに知っておいてほしい病気についてお知らせします。

 

働くナースが知るべき病気【10】

放っておくと怖い? 貧血の原因と意外な病気の可能性

 

厚生労働省の国民栄養調査では、貧血の指標となる血色素(ヘモグロビン)の値が11未満の女性は、20代で5%、30代で8%、40代では12%であり、女性にとって貧血は比較的ありふれた病気といえます。

女性の多い看護師のみなさんは要注意ですね。

 

 

 

貧血の主な原因5つ

女性の貧血の多くは「鉄欠乏性貧血」で、原因の大部分は月経と関係しています。

主な貧血の原因は、以下の5つがあげられます。

 

1.鉄分の摂取不足

2.子宮筋腫や子宮腺筋症による過多月経

3.月経不順に伴う過長月経や不正出血

4.胃や大腸や痔からの出血

5.再生不良性貧血などの血液疾患

 

貧血がある程度進行すれば、動悸や息切れなどの症状が出るため、自分でも異常を自覚できます。

 

ただし、軽度の貧血であったり、毎月の過多月経や胃潰瘍などからの出血で少しずつ貧血が進行したりする場合は、ほとんど症状が出ないこともあります。

 

上記の原因のうち、「1.鉄分の摂取不足」は食習慣の見直しなどで改善が見込めますが、2~4の場合は早めの治療が必要です。

 

心疾患にもつながる―恐ろしいじわじわ進行する貧血

怖いのは3の過多月経や4の胃潰瘍などによる貧血で、ほんの少しずつじわじわと貧血が進行するため、貧血の状態に体が慣れてしまい、通常であれば立っていられないくらいのひどい貧血になるまで自覚できないこともあるのです。

 

この場合、自覚症状が出たときには、血色素(ヘモグロビン)の値が正常値の半分になっていたというケースも少なくありません。

 

貧血の状態が続くと心臓に負担がかかり過ぎてしまい、狭心症や心筋梗塞のリスクにもなります。貧血があまりにひどい場合は、輸血が必要になることもあります。

 

特に、毎月月経量が多い方や月経期間が8日以上の方は、月経が原因で貧血になっていないか、定期的に検査を受けることをお勧めします。

 

値が正常でも「隠れ貧血」の可能性

また、血色素(ヘモグロビン)の値は正常範囲であっても、貯蔵鉄やフェリチンの値が低くなっている「貧血予備軍」の状態の方は非常に多く見られます。

 

とくにフェリチンを基準として「隠れ貧血」になっていないかを調べてみると、8割近くの方が鉄欠乏の状態といえます。

 

鉄欠乏の状態を放置すると、何となく疲れやすい・頭が重い・イライラするといった女性特有の「不定愁訴」の原因となることがあるので、食事やサプリメントで鉄分を補う必要があります。

 

たとえ動悸や息切れなどの貧血症状がなくても、疲れやすさなどの体調不良がある場合は念のためフェリチンの値を調べてみておいた方が安心です。

 

貧血と思ったらまさか…がん!?

頻度は低いですが、貧血の原因が悪性疾患、つまり「がん」である場合があります。

 

胃がんや大腸がんの表面から継続的な出血があり、少しずつ貧血が進行していくケースもあれば、腫瘍から急激に多量の出血が起きてしまい、一気に貧血になって倒れるというケースもあります。

 

特に消化管からの出血は、見えない部分なので気づきにくく、ひどい貧血が見つかって原因を調べてみたら進行がんが見つかる、というパターンも少なくありません。

 

健診で貧血を指摘されたら、その原因が大きな病気ではないか、必ず消化器内科や婦人科で詳しい検査を受けるようにしましょう。


【清水なほみ】

日本産婦人科学会専門医で、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長。産婦人科・女性医療統合医療を専門に、患者に最適な医療を提供。クリニックのほかに、NPO法人やAll aboutガイドなどでも情報提供や啓発活動を行っている。

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コメント一覧(2)

2匿名2016年01月09日 11時57分

恐いですね。

1つと2016年01月05日 07時20分

知らなかった!

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