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2015年12月08日

「乳がん」「小児救急」など認定看護師数伸び悩み 原因は?

専門的な技術と知識で患者をサポートする「認定看護師」の一部分野で、有資格者登録者数が伸び悩んでいます。

2015年の11月30日時点で、「感染管理」「皮膚・排泄ケア」の分野は2000人を超える一方、「乳がん」「小児救急」などは200人程度。

 

有資格者数の少ない分野は、教育機関数が限られていることが増加を阻止する一因と言われています。

さらに、認定看護師資格を取得したあとも、手当が薄いなどの問題点があります。

 

 

看護師のスペシャリスト 合格には相当の労力

認定看護師は日本看護協会が1997年にスタートさせました。

認定看護師は専門性の高い看護を行うほか、同僚看護師からの相談に応じたり指導したりする点も重要な要素になっています。

 

患者と職場、それぞれの問題に向き合う看護師のスペシャリストといえます。

また、病院の収益で考えると認定看護師のケアは診療報酬に上乗せできるため大きなメリットになります。

 

現在、21分野で約1万6000人が資格を有しています。

しかし、分野によって有資格者の数や教育機関に開きがあるのが現状です。

 

【主な分野の認定看護師登録者数と教育機関数】

分  野 認定看護師 教育機関
感染管理 2324人 14カ所
皮膚・排泄ケア 2172人 8カ所
緩和ケア 1851人 10カ所
乳がん 285人 3カ所
小児救急 228人 1カ所
透析 207人 1カ所
がん放射線療法看護 200人 2カ所
不妊症看護 151人 1カ所

(2015年12月現在)

 

上記のように「感染管理」の教育機関は14と多く、2000人以上の有資格者が生まれています。

それに比べて150~200人台の分野は教育機関が少なく、設置場所にも偏りがあります。

 

「乳がん」は3か所(千葉、静岡、鳥取)、「小児救急」「透析」「不妊症看護」は東京に1か所のみ、「がん放射線療法看護」は福岡と静岡の2か所となっています。

 

認定審査を受けるには、実務経験通算5年以上、うち専門分野が3年間以上などの条件を満たし、さらに大学などの教育機関で半年間以上学ぶ必要があります。

 

資格を取る条件を満たす頃には家族や子どもができている時期と重なるため、教育機関が遠方にしかない場合とてもハードルが高くなります。

その上で筆記試験に合格しなければならず、看護師としての実力はもちろんのこと、相当の熱意と労力が必要といえます。

 

 

取得しても「資格手当なし」多く「割に合わない」の声も

認定看護師は患者と病院に多くの利益をもたらす存在であるのにも関わらず、働く環境も厳しい現状のようです。

日本看護協会の「認定看護師の活動及び成果に関する調査報告書」(2012年)によると、認定看護師のうち何らかの手当てを支給されているのは32.6%、手当を受けていない人が66.3%という報告がありました。

 

「手当なし」が「手当あり」を大きく上回っていたのです。手当の月額支給金額は、「3000~5000円未満」が34.6%、次に「5000~1 万円未満」が19.5%、「1万円以上」が15.2%となっています。最大は1万9000円、最少で1066円、平均値は5224円でした。

 

相当の労力をもって取得したにも関わらず手当のない職場が多い現実に、ネット上では「割に合わない」「取得はもう少し考えてから」という本音も聞こえてきました。

 

やりがい大きく 資格取得支援は拡大

このように現実的には、資格取得者に対して相応の対価が支払われていない等問題点が多い認定看護師制度。

しかし、認定看護師の本質は高度な技術と知識を患者に提供し、同僚看護師をサポートする部分にあります。

 

ある地方で働く認定看護師は、自分の専門知識で患者の悩みを整理して解決に導くことにやりがいを感じているといいます。

また、より専門的な治療を求める患者の増加や、ストレスフルな看護師の職場において専門知識や心のケアについて同僚看護師に指導する認定看護師への期待は大きく、今後もニーズは高まっていくでしょう。

 

資格取得の支援も進んでおり、資格勉強中にも「出張」や「研修」扱いとされ基本給が支給されるなどのケースも増えています。

 

それを受け、報酬体制の改善にも期待が寄せられています。取得に二の足を踏む人がおり、有資格者数が伸び悩む今だからこそ、認定看護師の本質をもう一度見直し、自分の看護師としてのビジョンを考えてみてはいかがでしょうか。

 

(参考)

認定看護師 有資格者、一部分野で伸び悩み 乳がんなど(毎日新聞)

認定看護師とは(日本看護協会)

認定看護師分野別教育機関(日本看護協会)

 

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