1. 看護roo!>
  2. ステキナース研究所>
  3. FDAが11歳以上の小児に鎮痛剤オキシコンチンの処方許可―医療者の役割は

2015年11月14日

FDAが11歳以上の小児に鎮痛剤オキシコンチンの処方許可―医療者の役割は

米食品医薬品局(FDA)は2015年8月13日、11歳以上の小児に対して条件付きで医療用麻薬「オキシコンチン」の処方を許可することを発表しました。

 

小児の治療にオキシコンチンを処方する目的

FDAの医薬品部門のディレクターである医師のシャロン・ハーツ氏は、コネチカット州スタムフォードにある製薬会社パーデュー・ファルマによる調査を受け、「オキシコンチンの使用に適応する11~16歳の小児がんなどの慢性的な疼痛に悩む患者を支援することにつながります。そして、オキシコンチンを有効に活用していくために必要な情報も提示することで小児医療に新たな治療方法の選択肢を増やすことができるのです」と言います。

これまでアメリカで小児へ処方することのできる麻薬性鎮痛薬は、フェンタニルを含有するデュラゲシクパッチだけでした。

 

 

オキシコンチンのもつ可能性

オキシコンチンは、オキシコドン(アヘン由来の成分を原料に合成される麻薬の一種)の中でも薬効成分が体内で徐々に溶け出すように工夫された徐放性のある薬剤。このため、がん疼痛のような高度の疼痛と慢性疼痛の緩和に効果を発揮しながら、一日の内服回数が少量で済み、内服ペースの自己管理が比較的しやすいという利点があります。この特性がFDAにオキシコンチンの小児患者への処方を許可した大きな要因になったと考えられます。

 

一方、オキシコドンと他のオピオイド系鎮痛薬は、鎮痛効果が高い半面、依存性が高いというマイナス面があります。またこうした鎮痛薬の処方や取扱いの規制は厳重ですが、依存症や医療以外の使用を目的とした密売がアメリカの社会問題にもなっています。

 

また、パーデュー社は5年前、医療用麻薬の悪用や乱用を防ぎ、オキシコンチンの安全性を高める目的で再開発に取り組みました。この結果、「新薬は静脈注射や鼻からの吸引などの乱用や悪用を防ぐために、粉砕や溶解できないように加工」(ハーツ氏)されたことが特性となりました。

 

FDAは継続的に処方を受ける予定の子どもたちに対して、従来の成人に対する内服上の管理指導以外に「オキシコドン20mgの量に値するオキシコンチンの最小限内服量を実際に内服し、5日間で内服コントロールを自己管理可能であることを医療者に伝える」(ハーツ氏)ことを定めました。

 

小児医療にオキシコンチンを有効に活用するために

オキシコンチンを小児患者に処方する際に重視することとしてハーツ氏が挙げるのは、「対象の小児患者をサポートするスタッフは常に患者さんへ細心の注意を払い、連携して情報を共有すること」。具体的には、オキシコンチンの血中濃度を上昇させたり、体外への排泄時間を延長させる可能性のある他の薬剤の併用を避けるよう警告しています。

 

ただ、ハーツ氏は、オキシコンチンの安全性を説明しながらも「オキシコンチンを小児科のオピオイド系の鎮痛薬の第一治療薬として処方することをすすめているわけではありません」と話します。調査結果では、「適切にオキシコンチンを用いた場合には他のオピオイド系鎮痛薬よりも安全」と報告されていますが、オキシコンチンの安全性と有効に活用していく意義を強調します。

 

オキシコンチンは、調剤薬局の処方があれば、入院時だけでなく在宅でも受けることが可能だそうです。

 

医療用麻薬の可能性と医療者の役割

日本では、成人の疼痛緩和においても医療用麻薬を用いることを拒む患者さんもおられますが、アメリカなどほかの先進諸国では治療目的にオキシコドンなどが在宅での療養に有効活用されています。今回のFDAによる決定で、小児向けに医療用麻薬の活用は今後どのように展開していくのでしょうか。臨床や在宅看護師に期待される役割は何なのかも含めて探っていく必要がありそうです。

 

(文)A.Brunner

(参考)

NBC NEWS FDA Approves OxyContin for Children as Young as 11

FDA CDER Conversation: Pediatric pain management options

e・pharmaオキシコンチン錠10mg

コメントを投稿する

コメント入力
(100文字以内)
ニックネーム
(12文字以内)

コメント一覧(0)

関連記事

いちおし記事

ぴんとこ総選挙 結果発表|マンガ・ぴんとこなーす【番外編】

1位は看護のジレンマがテーマのあの話!あなたの推し回はランクインしてる? [ 記事を読む ]

熱中症の応急処置・治療の方法は?

暑さが本格化…!熱中症の対応は万全に! [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

ナース・プラクティショナーの制度に賛成?反対?

投票数:
1239
実施期間:
2019年07月30日 2019年08月20日

あなたを癒やしてくれる存在とは?

投票数:
1187
実施期間:
2019年08月02日 2019年08月23日

あなたの勤務先にはローカルルールってある?

投票数:
1040
実施期間:
2019年08月06日 2019年08月27日

病棟の申し送り、どれくらい時間をかけてる?

投票数:
1018
実施期間:
2019年08月09日 2019年08月30日

「あぁ、看護師でよかった」と思ったことはある?

投票数:
886
実施期間:
2019年08月13日 2019年09月03日

あなたの職場はマタハラある?

投票数:
723
実施期間:
2019年08月16日 2019年09月06日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者262

慢性心不全の70歳男性のAさん。外来受診時に、「今度、家族と旅行に行く予定があるが、自宅でトイレに行くときにちょっと息切れが出るので少し不安がある」という訴えがありました。AさんをNYHA分類に当てはめた場合、適切なアドバイスはどれでしょうか?

  • 1.心臓リハビリテーションは中止するよう伝える。
  • 2.入浴はしないほうがよいと伝える。
  • 3.旅行は、長時間かかる電車よりも、移動が短時間で済む飛行機を勧める。
  • 4.毎日体重測定を行うように指導していく。
今日のクイズに挑戦!