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2015年09月26日

世界最大のボランティア船に乗る手術室看護師―自腹で医療支援に行くシップナース

カナダ・カルガリーに住むターラ・マッハーディーさんは、慈善事業団体『Mercy Ships』の世界最大のチャリティー船で手術室看護師としてボランティア活動を行っています。

医療施設を搭載した船で世界各地の港へと移動しながら医療救援活動に取り組む様子を紹介します。

 

 

フレキシブルに働けることが魅力のひとつ

この活動は無給のため、参加費用は全て自費でまかないます。そんな条件下で看護師として働くことを、ターラさんの両親は、「本当に正気とは思えない」と言うそうです。

 

こんな状況のなかでボランティア活動を続ける理由は、「フレキシブルに働けるから」ということ。

ターラさんは普段の仕事の休暇を利用したり、シフトを変更したりして、この活動に参加しているのです。

 

活動の内容について、彼女はこう述べています。

「毎年参加していますが、その中身は決して毎回同じではありません。私たちが訪れる国はそれぞれ別の問題を抱えているのです」

 

職場の理解と支えがあって成り立つボランティア活動

参加への動機については、「助けを必要としている海外の人々の力になりたいといつも思っていました」と語ります。

看護師として臨床経験を5年積んだころ、職場の同僚に背中を押されてようやくMercy Shipsの活動への参加を決意したそうです。

 

ターラさんの初めての活動は、2011年、シエラレオネで行われました。その後、Mercy Shipsの旗艦船『The Africa Mercy』に乗り組み、トーゴ、ギニア、コンゴを訪れます。そして、5回目の活動ではマダガスカルに行くことになりました。このときは仕事を辞めずに船に乗れることを嬉しく思ったとのこと。それまで、救援活動に参加するために2度退職した経験があったそうですが、一度退職してしまうと、航海から戻ったときに次の仕事を探すのが大変だったと言います。

 

活動で知る各国の医療事情とボランティアのやりがい

●奇形治療ができず大人になってもそのまま―マダガスカル

マダガスカルでは217日間で335件の手術を行いました。ここでの医療活動の一例として、48歳の口唇裂の男性の治療を挙げています。

 

新生児に口唇裂などの奇形がある場合、先進国においては幼いうちに形成手術が施されるのが普通ですが、マダガスカルにおいては、貧困などの理由により大人になってもそのままというケースが見られます。

『The Africa Mercy』の医療スタッフは、貧困が原因で治療が必要となっている病気のケアに集中的に取り組んでいますが、奇形もそのなかのひとつ。

この48歳の男性のケースにおいても、貧困、治療可能な医師の不在、あるいは「信頼できない」医療制度のいずれかが原因となり、治療されないままになっていたようです。ターラさんは、このようなケースには特に衝撃的な印象を受け、やりがいもいっそう感じるそうです。

 

●熱傷で皮膚が癒着した少女の手術―コンゴ

それより前に訪れたコンゴでは、調理の際に覆いのないむき出しの火を用いる習慣があるため、熱傷が深刻な問題であったといいます。

ターラさんはある少女の火傷の治療に携わったときのことを、こう振り返っています。


「12歳ほどの少女が受診しに来ましたが、彼女は幼いころの熱傷で首の皮膚が胸部まで癒着し、腕を十分に伸展させることができない状況でした。

腋窩(えきか)や肘も皮膚が収縮したままで動きに制限がありましたが、それでもいつも笑顔を見せていました。私たちには言葉の壁があり、思うように会話することはできませんでしたが、彼女は目で語ってくれたのです。

本当に大きな手術を受け、痛みは底知れぬものでしたが、それが治まり、手術を受けたことを心から喜んでくれた姿を見たときには、本当に感動しました」

 

さまざまな学びを得る海外ボランティア活動

国内での活動とは一味違った経験や成長ができる国際活動。「いつか参加してみたい」と目標にしている人も多いのではないでしょうか。

そのような場を提供する組織や方法には実にさまざまです。いろいろな情報を得ながら、魅力を強く感じるものや、新たな学びを得られるもの、あるいは自分を成長させられるものなど、自分に合った活動に出会えるとよいですね。

 

(文)A.Brunner

(参考)

Calgary nurse volunteers in Africa aboard world's biggest charity ship

Mercyships

 

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コメント一覧(1)

1匿名2015年10月05日 18時06分

全て自費。すごいな。

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