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2015年09月02日

同性のパートナーには患者さんの病状が話せない?医療現場でのLGBTの権利を考える

アメリカの最高裁は2015年6月26日、全米50州で同性カップルの結婚を合法と認めました。

同性婚についてはなお賛否両論ありますが、法的に認められたことは医療現場において大きな変化をもたらします。

 

ペンシルバニア州の看護師トリッシュ・ゴーマンさんはこの歴史的判断をたたえながら、過去の体験をFacebookに投稿しました。

トリッシュさんのつぶやきを通し、医療現場におけるパートナーの権利について考えてみましょう。

 

看護師が語る同姓パートナーの権利の限界

20年ほど前のある日、トリッシュさんが勤務する病院のICUに交通事故で頭部に重傷を負った身元不明の男性患者さんが運ばれてきました。

 

ようやく連絡のとれた患者さんの家族は20年以上絶縁状態だった母親。さらに患者さんには20年来の同性のパートナー(ここでは仮に「Aさん」とします)がいることが分かりました。

 

しかし、Aさんが患者さんの病状について説明を受けることや面会をすることは叶いません。母親がAさんに対してこうした機会を一切認めなかったからです。

 

病室に入れず控え室で泣いているAさんに対して「私たち看護師は法に従うしか選択はなかった」とトリッシュさんは回想します。

 

 

病状説明は「家族」のみ 法律上の制限がもたらす治療への影響

「医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPPA)」では、患者さんに代わって面会者の有無や病状の説明を受けて判断できるのは法的な家族である母親でした。

 

20年間絶縁していた母親と、20年来そばで生活してきたパートナー・・・どちらの意見が、患者さんの意見を代弁し、望む治療を選択できるでしょうか。看護師たちが患者さんの立場になってベストな選択をサポートし回復に努めるという職務を果たすためには、どちらの意見が有効でしょうか。

トリッシュさんはこの経験から「残りの人生を結婚の自由平等のために戦おう」と思い至りました。

 

幸いにも2015年6月の連邦最高裁判所の判決によりトリッシュさんの嘆きは過去のことになりました。

全米16の州で同性婚が事実上合法となったことで、患者さんとAさんが越えることのできなかったハードルは取り除かれたのです。

パートナーは同性・異性に関わらず、「配偶者・家族」として、医師の判断の下に患者さんに付き添うことができます。また、患者さんの病状に応じて本人に代わって医療上の重大な決定を行うことができるようになりました。

 

多様化する家族の在り方 今後の日本は?

1組のカップルが男女であれ同性同士であれ、お互いを大切に思うことには変わりありません。

日本でも同性カップルに対する理解は少しずつ進んでいますが、一部の自治体が公的なパートナー関係を認める条例を成立させただけで全国レベルには達するまでまだ時間がかかりそうです。アメリカでは法的な承認を受けて、患者さんに同性のパートナーがいる場合の医療現場での対応は画期的な変化となって表れるでしょう。

 

 

(文)バックレー麻友香

(参考)Nurse’s Heartbreaking Facebook Message Explains Why Equal Marriage Is So Important

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